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ベヒモス戦②


「グハッ!」


今私は宙を舞っている。ベヒモスの足をくじいて、横っ腹に穴も開けたから、まだ大丈夫だと油断していた結果がこれだ。ベヒモスはただ「突進」を地面に向けて打っただけでだ。

ASOでベヒモスの「突進」スキルを使う場合の対処は、ただ逃げるのみ。ASOで初めてベヒモス討伐がされた時に、ベヒモスが右側に「突進」を使ったタックルを打とうとしていた。ベヒモスの左側にいたプレイヤー達はこれを好機と見て、一斉に攻撃しようとする。が、ベヒモスの周りにいたプレイヤー『全て』が吹き飛んだ。常識的に考えても当たらない所のプレイヤー達も吹き飛んだ為、直ぐに運営にバクの発見とその当たり判定の調整を報告したが、運営はあろうかとか、それが使用だと発表したのだ。その結果ベヒモスを討伐する時プレイヤー達はベヒモスが「突進」スキルタックルのモーションをしたら、一斉に逃げる様になった。

そのベヒモスの全方位タックルは半径50mという攻撃範囲を誇っている。しかもこれは最大攻撃力の一撃なので食らうとほぼ即死になる。しかしゲーム内で50mはレベル200なら3秒で走れる距離なので、逃げる事はギリギリ出来る。


そして今、そのタックルを倒れた状態でするとは誰が思っていたか。さらに私は足元に気を取られていて、全くベヒモスの事を見ていなかった。

私の現在VITは少なくなっているし、タックルをモロにくらった為、HPは半分以下になり、このまま落下ダメージを受けるとHPがレッドゾーンに入るのは確定だ。


「ゴパァッ!」


そう思っていると、背中に地面に叩きつけられ、血を吐き、私は意識が朦朧として来た。

まだクロワもシルヴィアも居るのに……。


「ご…めん、ね……」


私の周りに血が広がり、意識は暗闇の中に落ちていった………。


--------------------------------------------------------------------


〜クロワ視点〜


マスターの指示通りにベヒモスの腹の近くにいる。ベヒモスが起き上がってからまた腹に攻撃する為に、近づいたのだ。下から出て来る槍も私ならまったく苦にもならない。そう思っていたら今度は地面に振動が走り、身体が吹き飛んだ!


『うわっ!いったー!』


マスター以外から初めてダメージを食らった。しかもマスターよも強い攻撃だ。一回でこんなに食らうなんて!地面に降りるのは痛くは無かったが。

あれ?マスターは何処?

周りを見る100程離れた場所に血塗れになって倒れていた。


『マ、マスター‼︎‼︎』


しかもベヒモスが倒れたマスター近づいていっている。

まずい、あのままではベヒモスに踏み潰されて死んでしまう。数日しかマスターとは一緒に居なかったかが、ここで死んでいい人では無い!私が絶対に守ってみせる!

そう思った途端、ベヒモスの目の前に大きな火球が現れ、ベヒモスに直撃した。それはエルフの少女が使った魔法だった。


「流石に見捨てて逃げるなんて、そんな恥晒しみたいな事は出来ない。スライムさん、あなたのご主人を、私がベヒモスの気を引いてるうちに避難させて!」


『ありがとう。マスターは絶対に助けてみせる!


そう言い私は自分が出せる最高速度で走り出した。ベヒモスには色とりどりの魔法がぶつかり、爆音を奏でていた。マスターまで残り20mの所まで来た。


「身体損傷率82%、このままでは死の危険性有り、よって*******の名において、アカシックレコードに接続開始…」


ええ!?マ、マスター?マスターが起きた?いや何か違う。今喋っているのはマスターでは無い!


『お前は誰だ!』


「………接続完了、スキル、再生、魔力操作、結界魔法を獲得」


『なっ!』


マスター?が言うと、私とマスターとの間に透明な壁が出来上がり、マスターの身体がみるみるうちに綺麗になっていき、周りの血も無くなり、マスターが完全に復活した様だった。マスターは起き上がりベヒモスをじっと見て、


「身体損傷4%、身体機能に不備なし、身体の回復に成功。…22に連なるの邪を発見、これより邪の者の処理を開始する。スキル、時空魔法、獲得。転移」


『えっ!?』


マスターが目の前から一瞬で消え、ベヒモスのいる方向を見るとマスターが宙に立っていた。


「あなた、回復したの!けど危険ですからスライムさんの所に戻って!」


エルフの少女の言葉を無視して、マスターは手のひらをベヒモスに向け、


「亜空間封印」


空間に亀裂が入りベヒモスを吸い込もうとしているが、ベヒモスの巨体がデカすぎるため、詰まっていた。


「対処を封印する為に時空魔法lv6が必要、スキル、魔力量増大、獲得経験値10倍、獲得」


先程までと違い亀裂の大きさが徐々に大きくなって来ている。だがベヒモスの重さが地面にめり込むくらい重くなり、動かなくなった。


「対処を封印する事は不可能と判断、亜空間封印解除。スキル、並列思考、魔法威力増大、火炎魔法、水流魔法、土石魔法、森林魔法を獲得。条件達成、雷魔法獲得。雷魔法を雷撃魔法に進化……成功。龍撃乱舞」


ベヒモスの周りを囲う様に、火、水、土、木、雷で出来た龍が現れ、ベヒモスに、属性毎のレーザーや、突進などをして攻撃している。

ベヒモスもやられてばかりでは無く、地面から槍を発射して攻撃しているが、マスターが張った結界で全ておとされている。


「…残り20秒後、魔力量が枯渇、スキル、魔力自動回復、魔法吸収、獲得」


龍の攻撃はより激しくなっていき、槍の攻撃も結界に触れると吸収されら為、ベヒモスが逃げる様にマスターとは反対側に走り始めた。


「対処が逃走を開始、対処可能と判断、樹海降誕、転移」


ベヒモスの下から太いツタが生えて、ベヒモスの体巻きつけ、足掻かなくなった所をマスターが大太刀を構えて、ベヒモスの首元に転移して、刀を振り下ろした。


「空間切断」


ベヒモスの首が綺麗に斬れて、顔が地面に落ちた。その光景を私とエルフの少女は唖然と見ていた。マスターが空から私達の近くに降りて来た。


「対象の生命活動停止による処理を完了、アカシックレコードとの接続解除………完了。この体は休止状態に移行……」


「ちょっと待って!貴方は誰何ですか?さっきまでの人とは違う様ですけど」


『身体はマスターだけど中身が違うのかな』


「…………」ふらっ


『おおっと、寝てしまったか…』


何も喋らずに寝入ってしまったマスターを体で受け止めて、さっきのは誰なのか分からず仕舞いでベヒモスとの戦いは終わった。



いや〜、ベヒモスはこの世界でトップクラスの化け物にした結果、モン○ンのガノ○トスと同じ感じになってしまった…。作者は本当にあのタックル嫌いです。

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