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魔術学院生の付き添い③

家族の入院の準備で色々と忙しくなったので少し更新遅れます。乱雑に打ったため誤字脱字が多いと思います。



私達はダンジョン前から宿屋に戻って、お風呂を先に入ってから4人で食事をしている。ここの宿屋のレストランはブュッフェで、みんな色々な物を取りに行っている。

私は小食なので先に料理を取り終わり、窓側の席が空いていたのでレベラルの夜景を見て待ち、みんなが3皿の上に山盛りの料理を乗せて持って来た。


「はぁ、またそんなに取って来たの?マイラはともかく貴方達は無理でしょ?」


「アーチ、止めるな。俺らは男の意地があるんだ」


「そうだ。今日はかなりお腹が空いてるからマイラに勝つ!」


マイラは大食家であり、男子が食べる量の2倍以上はいつも食べていて、馬鹿2人は毎回食事の時にマイラに大食いで勝とうとしているのだ。はっきり言って無謀だ。


「私は止めたんだよ?」


「分かってる。いつものことだし」


私は呆れながら料理を食べ始めて、ゴングが鳴ったかの様に3人が一斉に食べ始める。

初めの方は口が小さいマイラが少し遅れて、馬鹿2人は素早く順調に料理が口の中に入っていく。

しかし料理が半分くらいの量になると、馬鹿2人は水を飲んだりしながら無理矢理入れていくが、少しすると食べるスピードも落ちてうつ伏せになりダウンする。

だが、マイラはスピードが落ちる事は無く。馬鹿2人がダウンする前には皿の上には1つの料理の欠けらすらも残っていなかった。

それと同時に私も食べ終わる。


「ふぅ、ご馳走様。やっぱり無理だったわね。もうギブでしょ?」


「………無理」


「すまん、食ってくれ」


「分かった。勿体無いから食べるよ」


いつも通り、マイラが2人の残った分を全部綺麗さっぱり食べる。

何故あれだけ食べたマイラがまだ食べれるのかと言うと、マイラは毎回2人が最後に残す分を考えて自身の食べる分の量を変えているのだ。

それでも、腹八分目以下にしているらしい。


私はマイラが食べている間にデザートとジュースを取りに行き、取って戻って来る頃にはマイラのお皿の上は無くなっているのでマイラの5皿分も取って来てあげる。私は1皿である。


「はい、1種類ずつ持って来たわよ」


「ありがとうアーチ」


「まだ食えるのかよ…」


「デザートは別腹だよ」


これだけの量を食べているがマイラは太ってはおらず、身長、体重共に私とほぼ同じである。

私は小食なので余りダイエットなどは気にしないが、他の女子はマイラの事をかなり羨ましく思っているらしい。


マイラが少しずつ食べながらデザートを堪能している間に、ガダルとショルクも飲み物を取って来て一服している。


「そうだ、さっき2人を待ってる間に町で色々話を聴いて来たんだよ」


男子の方がお風呂が早いため、少しレストラン前で待って貰っていた間だろう。


「何聞いたの?」


「アンナさんの事だよ。冒険者とかに聴いてみたら色々凄い事が分かった」


「そりゃ、あれだけ凄かったら色々と話はあると思うけど…何があったの?」


「まずは今日行ったレベラルのダンジョン、あれの最深部をほぼ週に毎日行ってたらしい」


私は飲んでいたジュースを吹きそうになる。

ダンジョンそれぞれ深さは異なるが、どのダンジョンでも最深部が、そのダンジョン内でも無数の罠、強力な魔物が大量に居て、A.Bランクでも危険な場所で有名である。


「………嘘でしょ?」


「聴いた冒険者も又聞きだから確証はないって言ってたけど、他にも聴いたらみんな知ってた」


「凄いわね…」


「まだ終わりじゃ無くてな、そこで取って来た魔物の素材で今レベラルで一番稼いでいて、冒険者ギルドの方が買取料を1回で払えなくて毎日少しずつ渡してるらしい」


「レベラルのギルドが払えない額っていくらよ。ここ貿易の街でしょ?」


「私達が想像出来る範囲では無いね」


軽く考えても1億……流石に1000万メルぐらいか。


「そう考えてみたら、なんでCランクなんだ?それぐらいの腕前があればランクはAでもおかしく無いと思うし」


「……ギルドの方が止めてるとか?」


「……まず私達が考えても意味ないわね」


「そうだな。あと二つ名もあって「赤眼の黒猫姫」とか「魔法剣士の反転強者」や「風神怒濤の黒猫戦車」なんて呼ばれてるし、パーティー全員が美男美女ばかりで告白する奴が多かったらしい」


「シルヴィアさんとか綺麗だもんね」


「セッカさんも綺麗だし、アンナさんは可愛らしいしね」


「そうだよなぁ……シルヴィアさんに告白してみようかな」


「「「無理無理」」」


ガダルが言った馬鹿らしい事に3人とも同じ事を言う。


「ま、まだやってないんだから無理なんて分からないだろ!」


「はぁーー、普通話を聴いて来て無謀だと分かるでしょ?まぁそんな事より、今日はさっさと寝て明日に備えないといけないから、先に部屋に戻るわ。マイラはどうする?」


「私も一緒に帰る」


「俺らはコレ飲んだら戻るわ」


「じゃあまた明日。ちゃんと疲れ落としときなさいよ」


「分かってる」

「ベッド入ったらすぐ寝れる」


流石に体力を付けている2人でも目が半開きで眠たそうだ。

私達も部屋に戻って寝巻きに着替えてベッドに入るといつの間にか眠っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



2日目、今日は昨日とは違い外壁付近の芝生で覆われた広場に行き、今はアンナさん達と集まっていて、アンナさんは1枚の紙を見ていた。


「今日はチーム毎に冒険者から実技を鍛えて貰うか……実技って冒険技術って事だよね?こういうのって学校で習わないの?」


「……習いますね」


思い返したら課外授業などでテントの張り方や食べれる食材なども教えてもらっている。


「じゃあ……昨日教えた事の続きでもする?」


アンナさんがみんなに質問すると、ガダルが手を挙げる。


「あ、あの!俺に剣技を教えてくれませんか?」


「あ!俺もいいですか?人数多いですけど…」


ショルクも急いで手を挙げる。


「うん、2人なら別にいいよ。けど、ここらは人が多いから移動しようか」


他の生徒や冒険者のチームが居るためこの場から離れて壁沿い付近まで来て、アンナさんは背中の長い剣を鞘から抜き出す。


「まずは2人の対人相手でどれだけの実力を持つか見せてもらうよ。まずはガダル、剣を構えて打ち込んできて」


「は、はい!」


ガダルは走ればすぐにアンナさんが間合いになる辺りまで近づき片手剣を構える。

一方アンナさんは剣を下に降ろしたままで構えは一切しておらず剣を習ってない私でも分かるくらい隙だらけである。

ガダルは息を飲むと同時に、飛び出して剣を振り上げアンナさんに一気に振り下ろす。

しかし、アンナさんはいつの間にか両手で剣を持っていて、ガダルの上からの振り下ろしは横にいなされていた。

ガダルはそのまま前に倒れる。だが、すぐさま起き上がり斜めに振り上げるが、それもいなされる。


ガダルは攻めて、攻めて、攻めまくるが、アンナさんは全て剣でいなし続けている。

身長程の長い剣を両手で器用に使い、ガダルに剣が当たらないようにもしている。


その光景を私は少し離れた所から見ていると肩を叩かれる。後ろを向くとシルヴィアさんがいた。


「コレ見てても暇だと思うから、私とセッカで貴方達の魔法の練習をしようと思うの、どう?やらない?」


シルヴィアさんの提案は願っても無かった事だ。


「や、やります!」


「私もやります!」


私とマイラは目を輝かせてシルヴィアさんの提案に頷く。

その後からは地獄だった。まず自身の魔力量は分かっているので、ステータスを見ずに魔力量ギリギリまで魔法を発動する練習をし、魔力量ギリギリまで使うことが殆ど無かったので毎回魔力が無くなって倒れてしまいシルヴィアさんにポーションを大量に飲まされお腹が膨れてしまっている。流石に大食家のマイラでも飲み物ばかりでは厳しいらしい。


その後も魔法の精度を上げる為に、私は火魔法で出来るだけ小さな火を維持し続けることだ。

これがかなり難しく、シルヴィアさんが指定した日の大きさが小さ過ぎて少し力を入れ過ぎると火が大きくなり、逆に力を弱めると消えてしまう。

マイラは火魔法を使えないので、付与魔法をどれだけ長い時間付与し続けることが出来るかをやっていたが、一つの付与でも保つのは30秒程で連続でやっていると段々と時間は短くなって行っていた。

しかし、シルヴィアさんは初めに両方の魔法を意図も簡単にやり続けていて、改めてシルヴィアさんも凄いと思う。


その練習をし続けて昼になり、練習を中断し昼ご飯を食べる為に元の所に戻っていた。

私とマイラも魔法を使っていたので疲れていたが、ガダルとショルクもかなり疲れているようで汗だくである。


「はぁ、はぁ……アンナさん……めっちゃスパルタだった…」


「大丈夫…じゃ無さそうね」


「……まだマーカス先生の方がマシなレベル」


マーカス先生は剣技の授業の教師であり、スパルタで有名だがそれより酷いとは…考えるだけでも身震いがする。


「そっちはどうだったんだ?」


「初めに魔力量ギリギリまで使う練習、その後に魔法の精度上げる練習をしたんだ。結構疲れたわ…」


「よく分からないけど疲れそうだな…為になりそうだけど」


4人で歩いていると一緒に向かっていたアンナさんが近づいて来る。


「じゃあ私達はこっちだから、また昼食食べ終わったら会おうね」


そう言いアンナさんは私達とは違うテントに向かって行った。私達も疲れ切ったままご飯を食べに仮テントに向かった。

他の学生も集まっており、昼の時点で疲れている私達を見てかなり驚いている。


「大丈夫かお前ら?」


「……大丈夫じゃない、ご飯は?」


「あそこだよ、取ってこいよ。早くしないと見逃すかも知れないぞ」


「見逃す?何を?」


多分ガダルの友達であろう男子生徒が気になることを言う。


「ん?知らないのか?この後、俺らが昼食中に冒険者と教員との模擬戦闘するんだよ」


「へぇー誰が出るの?」


「教員からはラディウス先生とミリア先生だ」


名騎士の家系の1つのカーサル家の次期当主であるカーサル・ラディウス先生、水流魔法の使い手であるミリア先生だ。どちらの先生も学校内でも実力はある人達だ。

ミリア先生の授業は受けた事があり、得意の水流魔法を巧みに操るのは凄かったのを覚えている。


「じゃあ後でな、急いが無いと良く見える場所がなくなるからな」


そう言い男子生徒が昼食を持って走って行った。しかし、私達はそんな事よりしんどい方が上回り、ゆっくりしながら昼食を取り男子生徒が走って行った方へと向かった。

向かうと人だかりが出来ていて、生徒はロープが張られた外側に座り食べながら見ている。みんなが見ているロープ内側には2人の人物が向かい合っていた。


1人は細い体だがしっかりとした筋肉がある金髪のイケメンであるラディウス先生で、対面しているもう1人は面倒くさそうに頭を抑えて溜息をしている猫の獣人のアンナさんであった。



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