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奈々美サイド〜もう1人のアンナ〜


私は目がおかしくなったと思い、目を擦ってもう一度見るが変わらなかった。

女性は気づいていないのか、池の水面を見つめている。

私は高ぶる鼓動を抑え、歩いて近づいて勇気を出して声をかける。


「アンナ、なの?」


「ん………君は……」


女性が気づいてこちらを見る。

やはり、正面を見る程アンナそっくりだ。見間違える筈がない、全くの同じ、瓜二つだ、どういうことだ?アンナはレベラルという街にいる筈なのに。

私が困惑していると胸が急に苦しくなるり、私は胸を抑えるがそれよりも前に胸元から何か黒いものが服を突き破って出てきて、一直線に女性に向かい、先端の形が鋭くなり女性の体に突き刺さると私が思った瞬間、黒いのが女性の脇横を通り抜けて行った。

避けたと同時に女性が一瞬で私のそばに移動して私の胸元を張り手で吹き飛ばした。


「がはぁっ!」


飛ばされて意識が朦朧とした時に、誰かに後ろからキャッチされて、意識が戻ってくる。

目をしっかり開けるとアンナ似の女性が私をお姫様抱っこしていた。

恥ずかしくなり急いで飛び降りる。


「ご、ごめんなさい、私が変な事をして」


「…分かってる…アレは…自動式の魔法発動のだと知ってる…から…謝らなくて…いい…」


「そ、そうなんですか?」


「…あなたが…関係ないのは…知ってる…」


「そうだな、さっきのは小娘のではないな」


この声は!

私は振り返ると、金の装飾品をつけた豪華な服を着たアギルバルト王が居た。


「お、王様!何でここに!?」


「ん?ここは我の王城だぞ?居て悪いか?」


王様が目を細めて威圧してくるが、前にされた時よりもまだマシに感じる、これも特訓の成果なのか。


「ほぅ、前よりかはマシになったか。ではお遊びでもやるか?」


王様の後ろから魔法陣が10現れて、全てを私を襲おうとする。

私は慌てて魔法で防ごうとするが、間に合わない。ダメだ、当たる。

そう思ったが、女性が私の前に出ると魔法が全て横を通り抜けていった。

私は何が起こったのか訳がわからないでいる中、女性は王様の所に歩いて行く。


「アギルバルト…お遊びはそこまで…また今度にして…」


「………仕方ない。また今度だ小娘、楽しみにしているぞ」


2人はそのまま歩いて行こうとするのをまだ色々聞きたい私は急いで声をかける。


「あっ、ちょっと待ってください!あなたは誰なんですか?」


女性は立ち止まり振り返る。


「…私はアンネ…アンナとは…違う…」


アンナじゃなかったのか……別人だったか……。

アンネは進行方向に向き歩き始める。


「…アンナに…会いたいなら…時期に来る…」


「………え!?今なんて……」


私は落胆と安心がごちゃまぜの状態で下を向いていたので急いで顔を上げるが、もうその場には2人とも姿がなく、ただ私の声が薄暗い通路で響いているだけだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



王城内の地下、蝋燭の光のみで照らされた地下道の中を、背の高い男とその半分以下の背の女性が歩いている。アンネとアギルバルト王である。


「あんな別れ方で良かったのか?知り合いじゃなかったのか?」


「………問題ない…」


「そうか……今更だがなんだその喋り方は?」


「…変える…11010010101001000111010101010011110110010110101100111…………うぁあううあう……これでいい?」


「……どっちでも変わらんと思うが、聞きやすくはなったな。さっきのは誰の真似だ?」


「さっきのは怠惰の声帯、今は…………一般人の声帯」


「あのダラけた本好き馬鹿か。名前もアンネ、だったか。本名を言えばよかろうに」


「………まだ名乗る気は無い、自身の方が本名を名乗った方が良いのでは?」


「今更名乗ったところでだ、あの勇者供なら知ってるかも知れぬな」


「100%知ってる、私もあっちで貴方の名前何回も見てるし」


「ほぅ?我も中々に有名なようだな。当たり前ではあるのだがなフハハハハハハハ」


「笑い方もそっくりで煩い」


笑い声は通路に反響して煩いので、アンネは耳を両手で抑える。


「ところで、さっき出てきたアンナが計画の奴か?」


「………そう、アンナが元々の依代だった。アイツにやられる前にアイツをやる……」


怒りで手を握りしめたアンネからは強烈な覇気が全方向に飛んで行く。


「おい、抑えろ。奴らにバレるぞ」


「バレてもいい、掛かってきたやつから全員殺してやる……」


殺気が溢れて来た瞬間、アンネの周りにあらゆる魔方陣が全方向に現れる。


「作戦が狂う、そうなったら我はお主に勝手に呼び出されただけになるだろう?」


「………すまない」


「これでは元々世界を納めていたとは到底思えんな」


「そっちも世界を納めていたでしょ、暴君のくせに」


「暴君だと?今我がなんて呼ばれてるか知っいるのか?」


「永劫王、貴方は生き過ぎね」


「ほぅ?お主もアイツらも同じくらい年をとってるだろ」


「そうね、そろそろあの子達もこっちに呼ばないとね」


「面倒になるな……」


2人はそのまま歩いて行き、ある部屋に入っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



翌日から数日、王都内では馬が何かに怯えて馬車を引けなかったり、鶏が謎の死を遂げていたり、王都の外では魔物が一切見当たらない謎の怪奇現象が起こり、王都内ではその話で持ちきりとなっていた。




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