レベラルでの数日
今は冒険者ギルドまで戻り、買取所で取ってきた真珠をカウンターに出している。
「な、何ですかこれ!?」
大量の真珠を見て、声をあげて頭を抱えているのは相手はナターシャさんである。
「真珠だよ」
「分かってますよ!けど、色々とおかしいですよ!まず大きさ、普通のサイズのもありますが、殆どが手の平より大きいじゃないですか!しかも色と照り、形も綺麗ですし、傷も全く見当たりません。もしかしたらと思ってましたけど、本物ですし」
ナターシャさんは手袋をした手で真珠を持ち、ルーペでじっくりと見ている。
「まぁ採れたてですし」
「どこでこんなに大きな真珠が取れるんですか!?しかもこんなに多く!あっ………失礼しました。個人情報になる事でした、すみませんでした」
ナターシャさんは頭を下げる。
冒険者一人一人で稼ぐ方法は色々あるため、冒険者ギルドは冒険者の個人情報を徹底的に守っている。そうしなければ、影で争いなどが起きることがあるからだ。
「別にどこで取れたかぐらいはいいよ、すぐそこのレベラルのダンジョンだし」
「えっと…………レベラルのダンジョンに真珠なんて……下層部ですか?」
「結構下まで行ったと思うよ」
「分かりました、ありがとうございます。取れた場所も分かれば値段が高くなりますので、期待しててください。買取料金はこの量ですし、この大きさの真珠は例にないので話し合いもするとなると……………一週間後以降に来てもらえれば払えると思いますのでご了承ください」
「分かったよ、それでまだあるんだけどいいかな?」
「え?」
私は自身で取ってきた方真珠を先に出し、アイテムボックスからシルヴィア達が取ってきた真珠と、途中で出会った魔物の素材を出していく。
その数、私達の1.5倍の9個も開けたらしい。
ナターシャさんはその光景に絶句している。まぁ1つで真珠200粒はくだらない、それが合計15もあるのだから軽く3000粒は超えている。
「えーーーと、買取料金のお支払日を二週間後に伸ばしてもよろしいでしょうか?」
「急いでないんでいいですよ」
「ありがとうございます!二週間より早くに終わればこちらから連絡いたしますので」
「うん、分かったよ。それじゃあまた来るよ」
「またお越しください」
私達はギルドから出るともう空が赤く染まってきていたので、宿屋に戻り今日1日が終わった。
今更だがシルヴィアに「昨日のこと覚えてる?」と聞かれたが何かあったのだろうか?
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数日間、ギルドとダンジョンor街の外の森と宿屋を毎日往復していた私達は、お金とレベルが大変な事になってきていた。
まずお金は初めに持って来た真珠の分だけでも予想で5億メルを軽く超えていて、ギルドの資本金を超えていると言うことで、この真珠を売りに出してから、その売れた分の7割を私達がもらう形になって、国のお偉いさん方に売りまくり、今私の手元には8200万メルある。
金持ちになるとみんな金銭感覚が狂い始め、昼ご飯だけでも1万超えるものばかりになっていたので、手元に100万メルだけ置いておき、残り全てアイテムボックスに収納した。
まだ真珠は沢山あるのだが………まぁ今後出すか。
次にレベルだが、貝を狩りまくったおかげで114レベまで上がり、ガウェイン、クズハ、スイゲツは224、シルヴィアは182まで上がった。しかし、ガウェイン達のスキルレベルがマックスの10からは上がらなかった。
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名前:アンナ
職業:魔法剣士
レベル:114
HP:15470
MP:23570
STR :8470
VIT :2670
AGI :7770
DEX :5470
INT :6970
スキル
身体強化lv6、空歩lv2、探知lv6、豪腕lv4、鷹の目lv3、神速lv6、気配遮断lv3、消音lv3、偽装lv6、予知lv1、縮地lv3、念話lv6、魔力操作lv6、並列思考lv4、魔法吸収lv3
魔法スキル
火魔法lv6、水魔法lv6、土魔法lv4、木魔法lv3、雷魔法lv4、結界魔法lv1、時空魔法lv1、付与魔法lv1、生活魔法lv2、召喚魔法lv3【4/6】、鑑定魔法lv3、影魔法lv1、線魔法lv1
パッシブスキル
剣術lv8、槍術lv3、鍛治lv1、斬撃lv6、自動HP回復lv2、言語理解lv-、魔力量増大lv6、獲得経験値3倍lv-、魔法威力増大lv3、魔力自動回復lv3
ユニークスキル
柔軟lv5、全魔法適正lv-、再生lv2
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このままレベルを上げていくと以前の私よりステータスは高くなりそうだ。魔法剣士はハズレ職では無さそうだ。
あとダンジョン内で他の冒険者達を助けてあげたこととかもあり、ギルドに行くとテーブルで片手を上げて呼んでお礼を貰ったり、その後から友達感覚で挨拶したりしてくる人も居たり、アルーラの町同様、シルヴィア達に告白する奴などいたが、まぁ当然だが玉砕である。テトラとヘプタにもアタックするのも居たが、お嬢様命を掲げているので、拒否しているのだが、前に私のことをディスる奴がいて、凄い笑顔のテトラとヘプタが何処かに連れて行き何事もなく戻って来て、翌日以降からそのディスった奴は見ることが無くなっり、私にディスる奴はさっぱり居なくなった。
その為か唯一男のガウェインに声をかけて、知り合いになってから私達にアタックする奴が現れたが、ガウェインは自身とマスターと仲間のことしか考えてないので、赤の他人(男性)が話しかけても素っ気なく返すばかりで、はっきり言ってガウェインから攻略しようとするのは無駄なのである。
私達に直接も無駄だが。
そして今、私達は外周近くの森の中にある開けた場所で、誰を召喚をしようと話し合っていた。
「テル、カル、ショウヨウ、セッカ、ガヴィアルのうちの2人で誰を召喚すればいいかな?」
「………1人抜けているのはほっときますね。私は調理役と物理攻撃役が多いといいと思うのでショウヨウ、セッカか諜報役のテル、カルでしょうか」
「我もガウェインと同じ考えだが、まずは諜報より攻撃面を上げた方がいいからセッカとガヴィアルだな」
「拙はセッカがいて欲しいですね、他は誰でもいいですね」
「ふむふむ………じゃあ、セッカとショウヨウかな。ガヴィアルもいいけど、ここじゃあ目立つから無理かな。今後呼ばないといけないけどね」
「ねぇ?セッカって前に言ってたエルフの?」
「そうだよ、まぁ今から召喚するから見てみた方が早いかも」
私は手を開けた方へ向ける。
「我の呼ぶ声に応えよ!我が部下よ。そして我の招集に応じろ!いでよセッカ、ショウヨウ!」
開けた場所に魔法陣が現れて、淡い光とともに2人の影が現れる。
1人は金色の髪を伸ばしたエルフの女性のセッカ、もう1人は猫が二本足で立ったような姿をしているケット・シーのショウヨウだ。
「うぅ…ここどこ?」
「ありゃ?ニャンはさっきまで料理の支度を……」
「セッカ、ショウヨウ久しぶり!」
私が声をかけて手を振ると、するとセッカが気付いて私の元に走り寄り抱き締めてきた。
セッカは背が高く、胸も大きい為、私が抱き締められると丁度顔が埋もれてしまう。
「……………………………アンナね」
この抱き締める行為は、セッカが私と確認する行為で、たまに数時間ほど合わなかった時によく抱き締められた。
てか、死ぬ!ギブ!ギブ!
私は急いでセッカの体を叩く。
「ああ、毎回ごめんね」
「すぅーはぁー、助かった……」
「ニャスターは毎回死にかけとるにゃ」
「久しぶりね、セッカ」
「セッカ、ショウヨウ、ご久し振りです」
クズハとガウェイン、他のみんなも近寄ってくる。
「あら、お久しぶり?さっきまで一緒にいたでしょう?」
「あー時間軸がちょっとズレてるんだよ、ここ異世界なんだ」
「へぇーそうなの………異世界?」
「異世界ですとにゃ!それにこの人達は誰にゃ?」
私は2人にみんなの事を紹介していき、みんなにも2人のことを説明した。
セッカは年齢が200歳を超えるハイエルフであり、主要武器は魔法弓という遠距離の武器で本来は援護用で攻撃力はないのだが、セッカの魔法弓は破壊力バツグンの威力を誇る。
セッカはイベントの樹海で敵として出てきて、ガウェインと私二人掛かりでも悪戦苦闘しながら戦った、場所もセッカが有利な樹海だったのも影響したのも原因だ。数分戦ったのちに仲間に入った。
仲間になる経緯をセッカに聞くが、すぐに逃げられて全く教えてくれない。
ショウヨウはクサントス、スイゲツと同じくガチャで当たったのだ。
ガチャでケット・シーごとに見た目の模様や職業がそれぞれ異なっており、ショウヨウは三毛猫の背が私より低い料理人である。
ケット・シーで料理人はかなり珍しく、他にショウヨウと同じタイプのケット・シーを見たことないぐらいだ。
殆どのケット・シーは後衛支援型の魔法職である。しかも、ショウヨウは前衛型で二刀流使いである。
2人のステータスはこんな感じだ。
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名前:セッカ
種族:ハイエルフ
年齢:295
職業:魔法弓兵
レベル:200
HP:17500【2000】
MP:17400【2500】
STR :10180【4500】
VIT :2470【2000】
AGI :7230【2000】
DEX :10000【2000】
INT :12060【3000】
装備
装飾:風鳥王のネックレス
頭:風樹の髪留め
胴:緑龍の上衣
右腕:緑龍の手袋
左腕:緑龍の手袋
脚:緑龍のスカート
靴:緑龍の靴
武器:魔法弓【ティンクルスター】
スキル
投擲lv10、魔力操作lv10、神速lv10、気配遮断lv10、消音lv10、探知lv10、技量lv10、偽装lv10、鑑定lv10、
魔法スキル
森林魔法魔法lv10、暴風魔法lv10、水流魔法lv8、火炎魔法lv6、土石魔法lv8
パッシブスキル
短剣術lv8、剣術lv8、弓術lv10、魔力量増lv10
ユニークスキル
千里眼lv10、樹木掌握lv-
装備スキル
緑龍の加護lv-、弱体耐性lv6、妖精の加護lv、透明化lv6
武器スキル
星の導きlv-
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名前:ショウヨウ
種族:ケット・シー
年齢:1
職業:調理師
レベル:178
HP:14700【2000】
MP:1400【2000】
STR :8400【2000】
VIT :7420【2000】
AGI :5470【2000】
DEX :16780【10000】
INT :1400【2000】
装備
装飾:調理全集
頭:白のコック帽子
胴:白のコックコート
右腕:無し
左腕:無し
脚:白のズボン
靴:白の靴
武器:バリオウス ツイン ナイフ
スキル
瞬速lv8、気配遮断lv8、消音lv8、探知lv8、技量lv10、偽装lv10、鑑定lv10、料理lv10
パッシブスキル
短剣術lv8、剣術lv8
装備スキル
猫精の加護lv-、弱体耐性lv6、清潔lv-
武器スキル
万能料理器具lv-
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一通り説明が終わると、セッカとシルヴィアは同じ種族だからなのか、すぐに打ち解けあって話し合っていた。
「56歳なんてまだ若いわ。その頃は色々遊び倒していたわ」
「遊び倒していた………どんな感じで?」
「そこらじゅうのエルフ、男女関係なく誘ってたわ。そうよ、あなたアンナと付き合ってるのよねぇ?」
「………はい、お付き合いさせて頂いてます」
「そんなに畏まらなくていいわよ。アンナが決めた事だから、とやかく言うつもりはないわ。しかもクズハも付き合ってるとは思ってもいなかったわ」
「セッカはアンナと………付き合いたいと………は?」
「んーーーーとね、アンナは子供みたいなものだから考えたことなかったわ」
「ガウェインと似たような考え方なんだ」
「ガウェインはザ主従関係よね、ガウェインに恋愛は難しいかも」
「ガウェインに恋愛は無理だと思うわ」
「そうよね!」
シルヴィアとセッカの笑い声を後ろでショウヨウと話しているガウェインはショウヨウに宥められていてかなり可哀想だった。
こうして無事に召喚し終わった私達は宿屋に戻り、ショウヨウに料理作ってもらい堪能したのだった。
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