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財宝箱




朝目が覚めてシルヴィアが先に身支度を終えて朝食を食べているのを見て急いで起きた私は、初めはアカネの所に行こうと思ってたがみんなに止められたので辞めて、昨日調べてもらった情報でこの街の近くにダンジョンがある事が分かったので、そのダンジョンに向かっている。

ダンジョンは海の近くの洞窟で、その洞窟は海の方向に進んでいるので「レベラルの海底ダンジョン」と呼ばれている。

レベラルから近いので冒険者が沢山おり、ダンジョン入り口は冒険者で賑わっていた。


今回向かうメンバーはアリスちゃんとテトラを除いた全員で、私とガウェインとヘプタ、クズハとシルヴィアとスイゲツの2チームで入った。


「このダンジョンは下に行く程強いらしくて、私が知ってる魔物もいると思う」


「お嬢様はここに来るのは初めてじゃないんですか?」


「みんなからの話を聞いて多分アレだろうと思ったのが、昔に違う場所でいたのを覚えているんだ」


「へぇー、それを狙っているのですね」


「そうだよってガウェイン!ちゃんと付いてきてよ」


私は後ろを振り返り、少し遅いガウェインを叱咤する。そのあとヘプタが近づいてきて耳元で小声で聞いてくる。


「ガウェインさん、どうしたんですか?」


「ガウェインは負けたら負けたで、負けた相との戦闘をシュミレートして勝つ方法を考えてるから少し遅いんだよ」


「それって戦闘時に危険じゃないですか?」


「まぁガウェインだし大丈夫だよ、今は日中だしね」


ヘプタと話しながら途中で出てきた魔物などを倒して30分、かなり深い所まで降りてきたと思っていた時に目的の獲物を見つける。

私達は近くの岩陰に移動して、人より大きくて人工物のような綺麗な四角形の岩に指を指す。


「アレが狙っていた魔物、「ターシェル」だ」


「ターシェル?ですか?うーん、どっかで見た覚えがあるような……」


ヘプタは何かを思い出そうとしていて、ガウェインは見てすぐに気がついていた。


「確かアレはかなり硬い貝ですね」


「かなり、どころじゃないよ、超硬いよ。現地では貝じゃなくて「ハードロック」なんて呼ばれているよ」


「ああ、思い出した!マスターが持っている本で見た気がします」


「へぇー、イレイナの家はなんでもあるなぁ」


「それでマスター、いつも通りにするんですか?」


「そのつもりだよ。まずは準備をしないと」


「何をするんですか?」


「あの貝を開けるから、まずは水をぶっかける「水流弾」」


私の足元から水流が飛び出し、上から落ちてきた水が貝をビシャビシャにする。

貝は全面が濡れている状態になったと確認したら、ガウェインが「火事」を発動し、貝とその周りが燃え始める。


「うわ!暑い」


「これは序の口だよ。この熱し方も順番があって初めに30度くらいで30秒、60度位で30秒、90度くらいで1分熱すれば開けれるようになる」


「凄く厳しい条件ですね……」


私とヘプタは貝から離れて遠くから見守る。

ガウェインは次に「火獄」、次に「炎獄」を使っていきだんだと温度を上げて、時間ピッタリに火を収める。


「ここからはスピード勝負だよ、ヘプタも壊すの手伝ってね」


「は、はい」


私達は貝に近づいて、私はこれの為用のハンマーを持ち出して一心不乱で貝殻を破壊していく。ガウェインは周りに熱を出さずに本気になってガラティーンで叩き切り、ヘプタは両腕にガントレットを嵌めて殴りまくっている。

破壊する事1分、少しヒビが入るだけで時間切れかと思っていたが、ヒビが横一直線に入り、パカリと貝殻が開いて、私達は喜びと同時に疲れて座り込んでしまった。


「はぁ、はぁ、やった!」


「ふぅーー、疲れました」


「はぁ、はぁ、めちゃくちゃ硬いですね」


私は息を整えて立ち上がり、釣られてみんなも立ち上がり貝殻の中を覗く。


「うわぁー!綺麗ですね!」


中は大小色とりどりな真珠が入っており、目が眩みそうなほど輝かしい光景だ。


「綺麗だよね、開けれてよかっよ」


「そう言えばなんで急がないといけなかったんですか?」


「1分ちょっとすると、一気にしぼみ始めてちっちゃな石ころになってしまうんだよ。そうなってしまったらもうお終い、何も出来ないから捨てるしかないんだ」


「へぇー、それならもっと人数増やせばよかったんじゃないんですか?」


「増やし過ぎたら逆に邪魔になるんだ。多くても最大4人だね、地面と床に一面ずつひっついてるから、側面3人、上に1人だね。しかもこの貝、魔法は貝殻に通らないから物理で殴るとかしないといけないしね」


「凄く面倒くさいですね」


「けど、これ経験値が多いし、お金も稼げるから一石二鳥なんだよね」


私はステータスを見ると、ダンジョン入る前は40レベルだったのに、もう56までレベルが上がっている。やっぱりこの貝はうまいよねぇ。

私が1人ニヤニヤしているとガウェインが近づいて来る。


「マスター、あの、1つ報告が」


「どうしたの?」


「あの………私は最大レベルの200ですが、レベル202になったんです」


「おぉ、おめでとう!…………えぇぇ!」


私は驚いて尻餅をついてしまった。すぐに立ち上がり、ガウェインにステータスを見せてもらうとレベルが最大レベルの200から2増えていた。


「えぇ………上限でも増えたのかな?」


「分かりませんが、これでまだ私は強くなれると分かりました。これは大きな発見です!」


ガウェインがここまで喜んでいるの久し振りに見るかもしれない。

ガウェインは自身を鍛える事が好きだから上がるようになればモチベーションも上がるのだろう。


「レベルの謎は帰ってから考えるとして、まずはこの財宝は全部回収するよ」


私のアイテムボックスに真珠を片っ端から全て入れて、ホクホク顔でその場を去り、少し歩いてまた見つけたので調理をして、アイテムボックスにまた入れている。


「もうレベル64だよ、ホントに美味しいやつだよ」


「マスター質問なのですが、前はこの貝の取り合いが起きていたのに、ここでは全くないですね」


「ここの冒険者はこの貝の開け方を知らないから仕方ないと思うよ。普通に叩いてもただ単に硬いだけだし」


「そういう事ですか。今更なんですが、クズハ達にもこの事は伝えたのですか?」


「シルヴィアのレベル上げで見つけ次第開けて行ってって言ってあるよ」


「それは効率が良いですね」


「だからじゃんじゃん取っていこう!」


それから私達は貝を開け続け、4時間で合計6個を開け終わり、ダンジョン前でシルヴィア達と合流するした後、冒険者ギルドに向かった。



出来ればブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。


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