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アカネ邸①



アカネを追いかけ人混みの中で時々見失いそうになりながら走って、ようやく追いつけそうになると左の細い路地に入った。

私達もうねうねとした細い路地を進んでいくが行き止まりに来てしまった。

途中で他に曲がる所はなかったはず、家の裏口から入ったのか?

そう思い急いで振り返ると真後ろにアカネが立っていた。


「人の後をつけてくるなんて誰かと思えばアンナ君だなんて、まさかこんなに早く会えるなんて思わなかったよ〜」


笑顔のアカネは私と握手して上下に振りまくる。


「痛い、痛い!」


「ああごめんね」


手を離してもらい、少し離れるといつの間にかアカネの横にはグシュタードさんが居た。


「アカネちゃん、彼女達は誰?」


「いや〜こっちに来る時にお世話になった人だよ」


「ふぅーん、でこの子達どうするの?」


「そうだ、何で後を付いてきたの?」


「えーと、ちょっと話をしたいなぁって思って」


アカネとグシュタードさんは顔を見合わせる。


「えっとそれだけ?」


「………そうだよ」


「………ぷっふはははは、私と話したいだけで追いかけてくる人初めてだよ。いいよ、何を話したいかは知らないけど、落ち着ける場所で話そうか」


アカネはまだ少し余韻が残っているのか、少し笑いながら来た道を歩いて行くその後を付いて行く。

暫くすると一軒の裏の何も無い壁の前で止まり、アカネが壁に手を触れると壁が縦に裂ける。アカネは裂けた壁の中に足を入れて中に入って行く。

私達が驚いて固まっていると後ろからグシュタードさんに押される。


「入っていいですよ、勝手に閉まったりはしないので」


グシュタードさんに押されたまま私は決心して中に入るが全くの杞憂だった。中は炉や金床などがあり、私はここが鍛冶場だとすぐに分かった。


「ようこそ、私の友のグシュタードの家へ」


「え?アカネの家じゃなかったの!?」


「うん、違うよ」


あんなに自然に入っていったからアカネの家だと思った。


「そうなのよ、私の家なのに勝手に入って来るのよ」


「グシュタードがパスワード変えてないから簡単に入れるよ。ここはある意味私の家、別荘かな」


アカネとグシュタードさんが話しながら机と椅子を持ってきているうちにみんな入る。


「さて、何のお話しをする?」


椅子に座り腕を机の上に乗せてアカネは聞いてきた。私もアカネの席の反対側にすわる。


「さっきのは何だったの?」


「あれ?あれはグシュタードが変なのに絡まれてたから助けただけだよ。………それともスキルの方知りたい?」


「まぁ………そっちもかな」


「さっきのは「神言」って言うスキルだよ。まぁカスぐらいしか洗脳出来ないから戦闘で使う所はないね。実際、アンナ君達には効いてないみたいだし、このスキル効果範囲が曖昧なんだよね」


私達は「酔夢覚醒」で効いてなかっただけだと思うが。


「アンナ君達は強いけど、何も考えずに誰これ構わず話しかけたら駄目だよ。アンナ君より強いのは沢山いるからね」


「流石に話す相手は選んでるよ」


「私はお目にかかったってことか。ふふふ、結構嬉しいよ」


「ダメだよアカネちゃん、そんな獲物を見つけたような目をしたら嫌われるよ。アンナさん、お茶をどうぞ」


「ありがとうございます」


お茶碗を受け取り、お茶を飲むが熱いので飲めなかった。私はかなり猫舌である。


「熱っ」


「アンナさんは可愛いわね、羨ましいよ」


「そうかな?グシュタードさんは可愛いより綺麗だよ」


グシュタードさんは髪は菫色でつやがあり肌も綺麗で美形である。


「そ、そうですかね、あまり言われたこと無くて……」


「私は前から言ってたよ、グシュタードは自覚してないし、自身の価値を下にしがちだ。まぁ嫉妬体質は治らないと思うけど」


「それならアカネちゃんは、ずっと慢心してますよ」


「そりゃ私より強いの居ないし」


「凄い自身だね」


「そりゃね、強さ的にはアンナ君達で1番強いと思うそこの君を楽に倒せるよ」


アカネは私の後ろにいるガウェインに指を指す。


「ほぅ?私より強いと」


「そうだよ、なんならやってみる?」


一瞬であたりの空気が変わる。ガウェインはこの中で1番キレさせたらダメな人だ、止めるしかない。


「ガウェイン、挑発にのるな」


「マスター、私は自身を侮られるのは別にいいのです。それよりかは、マスターが侮られるのが癪に触ります」


「ん?私が侮られた?」


「私がマスターより強いと言ったことです。私はマスターには敵いません」


「いや、ガウェインの方が強いでしょ」


「いえ、マスターです」


「ガウェイン!」

「マスターです!」


「何の言い合いしてるのよ、アンナとガウェインはそれぞれ強みが違うでしょ」


私とガウェインが言い争ってるのを、私の横に座っていたシルヴィアが間に入り止めてくれた。


「仲間思いでいいけど、どうする?やる?」


アカネは少しワクワクしてる気がする。やはり戦闘狂か。


「マスター、やらせていただきませんか?」


「………いいけど、何処でやるの?」


私も少し気になっていたので見てみたい。だが、ガウェインが戦うなら広い場所がいる。


「グシュタード、あの部屋でお願い」


「はいはい」


グシュタードさんは近くの壁まで行き壁に手を当てると、魔法陣が私達の足元に広がり、いつの間にか私達は正方形の部屋の真ん中に立っていた。


「ここならある程度暴れても問題ないよ。アンナ君達は後ろの方で待っててね」


そう言いアカネは中央付近まで歩いて行く。


「では、マスター行って参ります」


ガウェインも歩いて行きアカネと向かい合う。アカネは腰の刀を2本抜き、ガウェインも炎剣ガラティーンを構える。

どちらも構えたまま動かず静寂な場所となっていたが、2人同時に目にも映らぬ速さで激突した。


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