封印されしもの
題名を変えてみました。似たような題名の物があったので変えておいた方がいいと思いまして。あとプロローグを少し書き直しました。よければ前に戻ってみてください。
ベヒモスが目の前にいる状況から20分前…
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「降りても降りても1番下まで着かないね」
『けど早い方だと思うよ』
今私達はクロワの居たボス部屋から6層も下の階層に居た。
え?その間の階層ボス?クロワと比べると全て雑魚すぎた。ステータスはこんな感じだ。
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名前:ツインアームグリズリー
レベル:240
HP:50000
MP:240
STR :24000
VIT :24000
AGI :9800
DEX :240
INT :240
スキル
豪腕lv3、威圧lv3、暴走lv3
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名前:ペサードインセクト
レベル:250
HP:35000
MP:15000
STR :9000
VIT :9000
AGI :250
DEX :500
INT :12000
スキル
突進lv3、重量操作lv3
魔法スキル
火属性魔法lv4
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名前:グリーンキャンサー
レベル:250
HP:45000
MP:250
STR :25000
VIT :25000
AGI :25000
DEX :250
INT :250
スキル
豪腕lv6、縮地lv4、鉄壁lv4
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名前:エルダーリッチ
レベル:300
HP:15000
MP:40000
STR :300
VIT :300
AGI :12000
DEX :18000
INT :35000
スキル
詠唱破棄lv4、魔力操作lv5
魔法スキル
火魔法lv4、水魔法lv4、木魔法lv4、土魔法lv4
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クロワと協力して戦うとものの数分で終わってしまう。
前までは魔物を解体出来ないから、そのまま死体を捨てていたが、クロワのステータスポイントをDEXに9700、AGIに2300を割り振ったため、クロワは死体を体の中に取り込んで、解体する事が出来る様になった。素材は全てアイテムボックスの中にしまえるので、これで素材を無駄にする事が無くなった。
そしてエルダーリッチと戦ってる時に気づいたのだが、俺のスキルで1つ死んでいるスキルがあった。
それはスティファ様に貰った「全魔法適正」だ。職業侍だから全く魔法系スキルが使えないんだよね。今ではあっても意味がないスキルだ。
しかもこのスキル、俺が選んだのは「『全属性魔法』適正」の筈だ。それが「『全魔法』適正」に変わっている。
スティファ様が与えるスキル間違えたのかな?
けど強いかもしれないけど使えないからなぁ…。
「この世界でも職業を転職出来るのかなぁ…」
ASOでは神殿で転職出来たが、こちらでは神殿自体も無いかもしれないのだから。
歩きながら考えてると、目の前に大きな空間が広がっていた。
「ここはやたら広い空間ね。何か起こりそうなんだけど…」
静寂な空間が広がった。
「…………」
『…………何も起きないね』
「こんなに広かったら何か出て来そうなんだど…」
本当に何も起きない……。
「何かあるかも知れないし探索して見ようか」
『了解です!私探せませんけどw』
何かあるかな〜。ダンジョンなら宝箱とかね〜。
一応ボス部屋でモンスターを倒すと貰えたんだけど、ポーションは消費アイテムだから良かったが、他は素材ばかりで、「賢者のモノクル」で調べても、出てくる名前の魔物の事を知らないのだから、喜べばいいのか分からない。
「ん?探知で何か引っかかった…」
引っかかったのは壁の向こう側だった。
『お宝ですか?』
「いや違う、この反応は…人?いや違う、これはエルフか」
「探知」レベルが10まで行くとそこに何がいるのかが具体的に分かる様になる。非生物でも探知は出来るが、何でも反応してしまうので探し物がある時以外は切っている。
「まずは、この壁をぶち抜こうかな」
大太刀「春光」を背負った状態で、刃の部分を鞘に押さえたまま構えをして武技を発動する。
武技とは武器の種類毎の技であり、基本は習得しないと出来ないが、自分で作り出すことも出来る。だが自分で作り出すのは凄く大変だ。作り出すにはその同じ型を繰り返し練習する以外に無いのだから。
大太刀の武技で居合は無いため、自分で作るしか無かった。大太刀は150cmと自分の身長と同じ長さの太刀だ、凄くやりにくいかった…。そして何回このやりにくい動作をするのだろうかと思ったぐらいだ。
武技を発動するのと、自分でするのとでは、大きく違い補正と威力アップがあるため武技を作るのは惜しまなかかった。
そしてこれが私が作った1つの武技だ。
「アンナ流居合三ノ型、乱角線」
ネーミングセンスは元々無い。これは仕方がない…。
大太刀を一瞬で振り下ろした様にしか見えないが、壁に1つの線が付いて、その線の端からまた新しい線がつき、それがまた次々と起きていくのが、一瞬で起こるため壁がいきなり細切れ状になる。
私はただ言っただけで、体が自動的に動き、一瞬で切り裂いてくれる。私が頑張っても、一瞬で細切れには出来ない。補正効果は凄いとしみじみ思う。
『おぉ〜、本当にマスターは凄いね』
「ふふふ、これは努力すれば出来る様になるんだよ?」
『私、刀持てないよね?』
茶化しながら隠し部屋に通じた道を通って行くと、中に入ると人が1人入るくらい大きな水晶があった。
『中に人が入ってる…』
水晶の中に眠る様に入っていたのは、薄手の服を着ていて、翡翠色の髪の自分と同じくらいの大きさの、エルフの少女だった。
「これは…。封印されている?」
そう思い、「賢者のモノクル」で見てみると
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名前:シルヴィア・アポカリプス【封印中】
種族:ハイエルフ
レベル:154
HP:19640
MP:22050
STR :4000
VIT :6500
AGI :9800
DEX :11400
INT :14250
スキル
投擲lv4、魔力操作lv4、気配遮断lv3
魔法スキル
火魔法lv3、水流魔法lv2、森林魔法lv5、地魔法lv8、光魔法lv5、付与魔法lv7
パッシブスキル
弓術lv4、魔力量増lv5
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やっぱり封印されてる…。
これが悪い事をして封印されたのか、誤って封印されたのかで、封印を解く事が大きく変わる。が、
「封印解いても戦うのなら、対処可能だし問題ないか」
そう考え、アイテムボックスから一本の鍵を取り出す。
「キャンセルキー」
日に5回全ての状態以上の解除や、トラップ解除や宝箱の解錠も出来る超便利な鍵だ。
それを水晶に突き立てて、
「封印解除」
と言いながら、鍵を回す。
すると一瞬で水晶が砕け散った。それに合わせてエルフの少女が倒れてきて、慌てて受け止める。
「おぉおうっと、これで大丈夫かな?」
「賢者のモノクル」でもう一度見てみると封印中は消えていた。
「あとは起きるのを待つか」
『マスターと同じ様に襲うぞって言ったら起きるかもしれませんねw』
「いやそれは無いしょ」
『それもそうで「うっ…」あれ、起きちゃいました…?』
「え?」
本当に起きちゃったよ!?襲うって言ったら誰でも起きれるの!?そんなことより
「大丈夫ですか?」
「うぅ……貴方は…誰?」
「私はアンナと言います。貴方は先程まで封印されていたので、解除しました」
「そう…。封印…..封印....封印..封印を解除しました!?」
エルフの少女が驚いた顔で叫んだ。
「そ、そうですけど」
さっきまで瞼が半開きになってたのに、大きく目を開いていきなり私の肩を掴んで、叫ぶのだからビックリした。
エルフの少女は叫んだあと、いきなり体が震え始めた。
「大丈夫ですか!?ど、どうしたんですか?」
「大変…大変…世界が滅びてしまうわ!おしまいだわ、おしまい…」
「世界が滅ぶって…。まずは落ち着いて下さい!そしてどう言う事なのかちゃんと説明して下さいね!」
「ご、ごめんなさい。私は自分を封印して相手を強力な力で封印していたの…。そして今私の封印が解除されたから、アレも目覚めるわ!」
「世界を滅ぼせるアレって何ですか?」
これはマズイのを引き起こしてしまったかも知れない。
「それはー「ゴゴゴゴゴォ」キャッ」
「うわっ」
いきなり地面が揺れ始めた。揺れはだんだんでかくなっている。
探知で引っかかった。何だこれデカすぎるだろ!探知で引っかかった影でも全長50mはある!
「ベヒモスが復活したんだわ!」
「ベヒモス!?」
ASOの中でレイドボスと呼ばれている化け物だ!確かにベヒモスがなら世界を滅ぼす事は出来そうだな。よしそれなら、
「逃げるしか無いね、クロワ!」
「えっ?」
『スタコラサッサだね』
エルフの少女をお姫様抱っこし、クロワを肩に乗っけて走る。最悪なことに、この隠し部屋は入り口から最も遠い所だった。
走り出して直ぐに、前方の地面の下から何かが出て来た。そして地面からツノが出てき、体の全てが出てきた。
見た目はサイを巨体にしたもので、体がとても分厚くなっている。
「あははは……。そう簡単に逃してはくれないのね」
エルフの少女を下ろし、「賢者のモノクル」でステータスを見た。
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名前:ベヒモス
レベル:650
HP:6500000
MP:20000
STR :160000
VIT :200000
AGI :45000
DEX :2000
INT :20000
スキル
威圧lv7、突進lv9、鉄壁lv7、重量操作lv8
魔法スキル
土石魔法lv10、水流魔法lv7
ユニークスキル
装甲爆破lv10
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ASOとほとんど同じステータスだった。
HPは600万越えていて、
VITもSTRもクロワより多いが、レイドボス系統では普通だ。VITで表記されているのは体の中で1番硬い所のなので、ちゃんとVITが少ない所もあるため攻撃は通じる。STRも最高威力の一撃が表記されている。一応クロワはスライムのため、核以外が流動体のため全てあの防御力だ。6人組の1パーティーだけで勝つ事は不可能に近いだろう。
そうなのだが、この体に馴染んでいきながら階層ボスを倒していると、すぐに倒れてしまう事が、少しずつだが何故かモヤモヤしていた。
そして今、目の前に自分より圧倒的に強い化け物がいる事でこのモヤモヤが何なのかが分かった。私は強い相手と戦いたいと、衝動に駆られるのに気づいた。
「ふふふ、…やっと本気で戦える相手だね…」
『(え…。マスターって戦闘狂だったの!?)』
クロワの心の声は聞こえず、すぐに私は巨獣対応装備に変えたいのだが、そんなのを相手が待ってくれるはずもないので、応急処置で装飾品「精霊石の指輪」と「暴食王の指輪」を付ける。
今の私のステータスはこれだ。
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名前:アンナ
職業:侍
レベル:200
HP:21690【+20000】
MP:−4800【+10000】
STR :11680【+35000】
VIT :−5000【+15000】
AGI :9890【+25000】
DEX :8580【+25000】
INT :−4800【+10000】
装備
装飾:静謐のペンダント、精霊石の指輪、暴食王の指輪
頭:雷竜の逆鱗髪留め
胴:弥生鎧の胴
右腕:弥生鎧の手甲
左腕:弥生鎧の籠手
脚:弥生鎧の脛当
靴:弥生鎧の草鞋
武器:春光
スキル
身体強化lv10、空歩lv10、危険感知lv10、探知lv10、豪腕lv10、鷹の目lv7、神速lv10、気配遮断lv10、消音lv10、偽装lv10、予知lv7、縮地lv10
パッシブスキル
剣聖lv10、上剣術lv10、剣術lv10、槍術6、鍛治lv10、斬撃lv10、自動HP回復lv10、言語理解lv-
ユニークスキル
柔軟lv10、【全魔法適正 lv-】
装備スキル
状態異常耐性lv-、疾風迅雷lv-、武士道lv-、自動HP回復lv5、防御力低下lv5、ステータス上昇大lv-、暴食lv-
武器スキル
重量操作lv-、空気抵抗無視lv-、風圧無効lv-、魔力吸収lv-、時空操作lv10、吸血lv10、破壊不能lv-
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指輪の効果は凄まじい物が多いが、それに見合った分のバッドステータスも付与される。
「暴食王の指輪」の効果は「ステータス上昇大」と「暴食」で、この「暴食」スキルが食べ物をどれだけ食べても空腹状態でいるので、ステータスダウンが起きる。が、「ステータス上昇大」でそれは帳消しになる。がHP減少はどうやっても消せないので、「精霊石の指輪」の「自動HP回復lv5」と「自動HP回復lv10」で対応しても減る方が多い為、これで戦う場合、短期決戦型になる。
だが今の私はベヒモスと戦う事しか頭になく。
「神速」と「疾風迅雷」を使い。一瞬で近づいて、武技を発動する。
「アンナ流居合四ノ型、死眼」
《グオォォォ!?》
ベヒモスの目に「春光」を突き刺して戦闘が開戦した。