敵の正体?
投稿開始です
〜アンナ視点〜
「足りないものはないよね」
私は事前に用意していたアイテム、装備などを指定の場所にあるか確認していると、先程から耳に手を当てていたシラバスがこちらを向く。
「モノ達が敵の首魁、首謀者と思わしき者を発見しこちらに向かってきているようです。あと10分程でこちらに来るらしいですが、準備は万端出来てますか?」
「我は問題は無いな」
「私は……無いよ〜」
「私も無し」
『私は準備するものありませんから、元から問題無しですね』
クロワは周りのみんなに知らせるため、体から出た触手で丸を作って知らせる。
「問題無しですね、アンナ殿、作戦通りにお願いします」
「オーケー、じゃあやるよ」
私は腰のポーチから色とりどりの糸を出し、ある物を縫って作っていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アンナ達が迎え撃つ敵は、体長30メートル以上の大きさで、四足歩行、体の構成要素の殆どが鎧を繋げたような体で、動くとガシャガシャと鎧が擦れる音を盛大に鳴らしている。
その体の形は翼の無いドラゴン、地竜のようなものだ。
そしてその敵は10メートルの巨木を押し倒しながら、100メートル先にいるメイド2人、ペンタを背負ったモノを追いかけていた。
「巨躯の割に早いですね。ペンタ、お客様方の場所はここから残りどの程度ですか?」
「……残り3キロくらいですね」
「まだそんなに………このままでは追いつかれますし急ぎますか」
モノは足を上げた時に、自身の足裏に圧縮した空気を作り地面の方向に噴出し一気に加速させる。
先程より3倍ほど速くなっているが、モノは木々を風が通るように避けていく。
そして追いかけていた敵は速くなった獲物を逃すまいと、周りに10本程の剣を出現させモノ達に放出するが、モノは後ろから飛んでくる剣を振り返りもせずに、木々を避けるように全て避けていく。
相手との距離を離し、剣と木々を避けながら1分走ると、ペンタが肩を叩く。
「12時方向、もうすぐ目的地です、作戦通り『アレ』が見えたらすぐに隠れましょう」
「分かったわ」
会話をした直後に前方に目標が見えたので、モノは近くの木の裏に周り、空気を身に纏い周りに景色に溶け込んで、先程とは90度右に向きその場から走っていく。
「あとはよろしくお願いしますね、お客様方」
モノは少し後ろを見ながら小声で言うと、颯爽と走って行った。
一方モノを見失った敵は、目の前から消えた目標を探す為、その場で止まり長い首で周りを見渡し、右に向いた時に100メートル先の木の横に、人の影を見つける。しかし、その影は先程追っていた人とは違うものだった。
その人物は長い銀の髪をたなびかせ、6つの羽を生やしたイレイナであった。
そして、イレイナは敵の目的の人物でもあった。
敵はモノの事など後回しにし、まずは目的の1つの事をする為に、一直線にイレイナに突っ込んで行き、目の前で右前足をあげ一気に振り下ろし、イレイナを踏みつぶそうとする。
が、その直前に足元が揺らぎ、地面が陥没し、敵自身より大きな穴が開く。そして敵はもう止まれない為、イレイナと共に穴の中に落ちて行く。
しかし敵は落ちて行く中、数本の剣を放出し、イレイナを串刺しにする。が、刺されたイレイナの体が輪郭がブレていき、色取り取りの無数の糸となり、敵の巨躯に巻きつきながら穴の底に衝突し、糸を切ろうと暴れて雁字搦めになった。
暴れている時に頭上から数個の箱が落ちてきて敵や地面などに衝突し箱が壊れ中から粉末状の白い何かが散らばる。
敵の周りは粉で周りが見えなくなり、この粉は何かと暴れるのをやめて考えていると、ある1点でチカッと光った途端、一瞬で敵の周りが爆発が連鎖していく。
その光景を上から見ているアンナとシラバスは、爆破が収まると同時に穴を滑り落ち敵に向かい合う。
爆煙が晴れて出てきたのは、爆発前まであった敵の巨体はなく、その代わりに敵の部品が散らばった真ん中に全身を黒い霧に覆われた人型のナニカが立っていた。
よければブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。