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メイドの実力


第4セクターを率いているテトラは高さ15メートル程ある木の幹の上で魔撃銃を構えていて、その横には別のメイドが双眼鏡で標的を見ている。

標的は距離3キロ程の所にいる妖精である。


「はぁーーーーーー」


息を吐き呼吸を整えて魔撃銃の引き金を引く。


銃声が轟き銃口からは青白い煙が出る。

銃弾は道を通るように尾をかいて飛んでいき妖精の頭を吹き飛ばし、その背後にいた妖精も貫通する。


テトラは反動で少し仰け反り、すぐにスコープを覗き込む。

その間に横に付いているメイドが双眼鏡で状況を伝える。


「ヘッドショット、ツーキル」


「背後に居たのね、次」


「東南に500メートル」


ペンタからの連絡はテトラの集中を邪魔しないようにテトラではなく横に居るメイドに送られている。

テトラは銃口を向けて標的を見つけ再度銃を放つ。


「ヘッドショット」


「次」


「北に200メートル」


テトラは作業のように妖精を完璧に撃ち抜いていく。

テトラはいつも集中する時、その標的の事や今の状況、又はマスターの事など、一つの事を考えて集中をする。

今回の場合は、


(はぁ…………アンナお嬢様に早く会いたいなぁ……)


やはりアンナの事であった。


(はぁ………さっさと片付けてアンナお嬢様の勇姿を見たいのに妖精多過ぎますよ!)


そしてアンナの事を考えて妖精にキレているのを、横に居るメイドはテトラがピリピリしているのを感じているので、いつも通りにやっているはずの自身の連絡で何をやらかしたのかと悩みながらまた連絡するのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「はぁー、テトラ姉は怒ってそうだなぁ」


「ヘプタ、さっきからため息ばかりでどうしたのよ?」


「うーん、トリア姉は分からないかも」


「?」


第3セクターを率いているトリアは隣にいる自身の妹、ヘプタがため息ばかりで、この後はお客様の所に行くのに大丈夫なのか?と思っている。


今はペンタからの連絡された場所に向かっている。人数は15名と多いが、森の中でもかなりの速度で走っているため、1キロでも1分はかからない。

目的の所から50メートルの所まで来て止まる。

トリアは手に何も持たずに両手を目的地に向け、ヘプタに確認を取る。


「鎧9、妖精14よね」


「その通りだよ」


「全員戦闘準備!」


ヘプタは両手に魔撃銃を持ち、残りの14名のメイドも銃、剣、槍などを構える。


「行くわよ、ヘルファイヤー」


トリアが両手を向けた先の所から広範囲に火が勢いよく立ち上るが、すぐに火は収まる。

それを合図にメイド達が一斉に動く、焼けた場所では鎧は少し溶けて動けなくなって、妖精も火傷を負って動けていない。

メイド達は容赦なく、鎧は火魔法で溶かし、妖精は銃で撃ち抜いていく。

全て倒すのに1分もかからなかった。


「よし、終わった終わった」


「次に行くわよ」


トリアはペンタから来た情報を元にすぐに走り出し、その後をヘプタ達は追いかける。

少しするとトリアが急に地面に跡が残るほどのブレーキを足でかけて止まる。


「ヤバかった、モノ姉さんのスキル圏内に入る所だった」


「おお、怖い怖い、早く離れよう」


「少し時間かかるけど回り道するわ」


トリアは少し冷や汗をかきながら、進行方向を少し左に向け、走っていくのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ペンタがスキルを発動してから10分、その間に鎧と妖精は100体は超えるほどの数がペンタが居る場所に来ている。

何故かと言うと、ペンタが敵の事を分かるように相手も索敵用のスキルがあれば逆探知をされるのだ。

しかし、ここに来た全ての妖精と鎧の姿が無くなっている。


「ふぅ、結構来ましたね」


モノは1人周りを見渡しながら呟いていると、横に居たペンタが余裕が出来たのか独り言に返答する。


「毎回思いますが、モノ姉さんの「風力」が強いですよ」


「射程内に入ればですが」


「射程距離は確か半径150メートルですよ?普通に入りますよ、それに遠距離から狙撃してもモノ姉さんは当たりませんよね」


「まぁ、どこから来てもある程度は避けれる自信はありますね」


「それなら近づくしか無いですよ、けど風壁を突破出来ないですよ」


「マスターは突破出来ますよ?」


「…………」


「ほ、他にも居ますよ、確か前に訪れたお客様も体に衝撃来てるはずなのにずんずん歩いてましたね」


「凄いですね、そのお客様は誰だったんですか?」


「何処かの王様でしたね、護衛もなしに1人で来てましたが」


「300年前に来たお客様か…」


「ここに来るお客様はあまり居ませんしね、すぐに分かりますか」


「それにあのお客様は印象が強かったですから…」


「そうですね………また来ましたか」


モノは探知で引っかかった方向に向き、スキルを発動させる。

標的は150メートル先の鎧と妖精二体づつがこちらに来ていたが、急に周りを風で覆われ動けなくなり、そのまま風の球体に閉じ込められ、球体は縮まって行き、球体はそのまま消滅する。


モノは敵の消失を確認するため、ペンタに顔を向ける。


「いつも通り消えましたよ」


その返答にモノは少し唸る。


「うーん、手応えがありませんね」


「まぁ弱いですし」


「はぁ、敵の首謀者はまだですかねぇ…」


モノがペンタの返答が遅いと思い再度横を見ると少し真剣にスキルを使っているようで、少しの笑みを浮かべながらこちらに向く。


「…………そんな事言ってるから出て来ましたよ、そこらに居る妖精や鎧と違う反応ですから当たりですね」


「やっとですか、それでこっちに来てますか?」


「はい、こっちですね」


「では、このまま計画通りに行きますよ」


モノが真剣な目つきになりペンタに指示する。


「了解、全セクターに報告します」


ペンタがスキルを発動しているので、モノはペンタを背負い目的の場所まで首謀者を誘い込むために移動するのだった。




よければブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。


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