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起床


目が醒める、やっぱり知らない天井だ、ベッドで寝かされてるのかな。

私は起き上がり周りを見ると、真後ろに私が知らないメイドさんが居た。


「うわっ!」


「アンナ様大丈夫ですか?」


「う、うん大丈夫」


「そうですか、少しここで横になって居てください、すぐにマスターを呼びに行きますので」


「わ、分かった」


「では」


足音を立てずにメイドさんは部屋から出て行った。

ビックリした、私が寝てる間ずっと真後ろにいたのかな?しかもオートマタなんだよね、見た目普通の人間だよ……。


メイド凄い、と思って居るとドアが開く。

先程のメイドではなく、テトラが入ってきた。

私は少し身構えるが、テトラがすぐに頭を下げる、下げるより一回跳んで土下座している。

初めて見た、ジャンピング土下座だ。


「アンナ様、先程はすみませんでした。まだアンナ様の前で、正式に謝っていませんでした、それで謝ろうと思っていた時に食事を持って行くのを聞いて私が来ました」


テトラの柱には食事の乗ったワゴンを持ってきていた。


「私めが不愉快ならすぐにこの家からも出て行きます、ですが私達の親、マスターを責めないでください」


「え」


責める?どういう事だ?

テトラは土下座のまま話を続ける。


「マスターはお門違いです、ヘプタは私同様悪いですが、どうか私だけにしてください、お願いします」


「ちょ、ちょっと待って、私何か責めたりしたかな?」


私はテトラに聞き返す。

やった覚えもないから何でた?


「私達の件でマスターと喧嘩されたのでは?」


「喧嘩!?」


「その時におった怪我で寝込んで居たのでは?」


「イレイナと戦ったのは、喧嘩じゃなくて私がどれだけ通じるのかを知りたかっただけだし、寝込んで居たのは私が自滅しただけだから」


私はテトラに説明する。

何でイレイナと喧嘩しなくちゃいけないんだ、一瞬で勝敗がつくよ。

テトラも納得したようで頷く。


「そうなのですか………とんだご無礼をいたしました」


「いいって、あとテトラとヘプタは私の部下になったからよろしくね」


テトラは驚きを隠せなて居なく、顔はショックを受けたような顔だった。


「…………私達はマスターに捨てられたのですか?」


「…………テトラとヘプタが今後潰れる可能性があるから間違っては無い………………けど、イレイナはあなた達のことは好きだよ」


それを聞きテトラは笑顔になり、こちらに向きスカートの端を持ってお辞儀をする。


「製造No.4、遠距離型戦闘メイド、テトラと申します。これからよろしくお願いします、アンナお嬢様」


「お、お嬢様!?」


私が何でお嬢様なんだよ!?

テトラは不思議そうに顔を傾げる。


「マスターはマスターですし、アンナ様と呼ぶのは少しアンナ様との間の距離が広い気がしますので、お嬢様とお呼びしました。他に呼び方があればそうしますが」


「アンナ、そのままアンナだけでいいから」


テトラは顎に手を置き考えて言う。


「ではアンナお嬢様で」


「話聞いてた!?」


「はい、アンナだけでは流石に不敬ですので、アンナお嬢様にします」


「今、決めつけたよね!します、って言ったよね!不敬とか関係無くそう言いたいんだろ!」


「おぉ、流石アンナお嬢様です、話を聞き逃しませんでしたか」


「聞き逃さないよ!」


「まぁ落ち着いてください、体に響きますよアンナお嬢様」


「むむむ………分かったよ」


私はベッドにもたれるに、少ししんどいのは事実だしカルミナが来るまで食べながら待つか。

テトラがワゴンを押してベッドの近くまで来る。

料理はお粥のようなものだ、匂いも良いし少しお腹も減ってきたので食べたい。

テトラはベッドの上に座り、スプーンでお粥をすくい私に向ける。


「はい、あーん」


「いや、1人で食べれるよ」


「アンナお嬢様、無理をしちゃダメですよ」


「無理でも無いし、お嬢様でも無い。ほら貸して1人で食べれるから」


「嫌です、このあーんは今だけ私の特権なのですから」


そんなに私にあーんしたいのか…………仕方ない奥の手使うか。

部下にたまに使う言葉を言う。


「はぁ、主人の言う事も聞けないなんてダメな部下だね、失望したよ」


「!?」


ふふふ、私はこう言うのは言わないと思ってただろ。まぁあんまり言いたくないけど。

私が勝ったと思っているとテトラは驚いた顔で言う。


「アンナお嬢様、気づいてないのですか?」


「え?何が?」


私何か聞き逃したかな?別にテトラは何も言ってなかったよね。


「アンナお嬢様は『お嬢様』です、決して主人ではありません」


テトラは勝ち誇った顔で言う。

言い方違うだけじゃん!


「な!?い、言い方が違うだけじゃん!」


「ふふふ、お嬢様は主人のご子息ですので、命令権はありません、よって私が自己で考えてこうするしかないのですよ」


それを聞き私は冷静になって思う。

……私はカルミナから譲り受けたんだよね、だったら………。


「カルミナから譲り受けたから、私が主人だよね。言い方はテトラが勝手に決めただけだからお嬢様は関係ないよね」


「…………」


「あれれ?おっかしーぞ?私に命令権があるはずなのに何でテトラは言う事を聞いてくれないんだろうなぁ〜」


「…………」


「ほら、スプーンを貸して」


「…………分かりました」


顔を暗くなって凄い悔しそうな顔でスプーンを渡す。


「ふふふ、ありがとうね、あれ?」


テトラからスプーンを受け取る、が指に力が入らず、スプーンはそのままベッドに落ちる。

あれ?手に力が入らない?


落ちたスプーンを拾おうとするが、力が入らずに拾えない。

私が困惑しているとテトラが真剣な目で見ている。


「アンナお嬢様、手が怪我されたと聞きましたが回復魔法で手を治したのではないのですか?」


「確かそうだけど」


「どれ程の怪我だったんですか?」


「多分腕が吹き飛んだ」


「そ、そうなのですか。それなら腕を生やした副作用でしょう」


「え!?すぐに治るかな?」


「1日もかからずに元に戻りますよ」


「よ、よかったはぁーーーー」


このままずっとなのかと思った。

前に使った時は「再生」で治したから、副作用がなかったのか。

多分副作用有る無しの違いは、回復魔法は新しく腕を生やすから、神経が馴染んでないのだろう。

再生は1時間前の状態に戻る事なので、神経など繋がったままだ、だから副作用がなかったのだろう。


私が1人納得していると、テトラが満面の笑みでこちらにスプーンを持ちこちらに向けてくる。


「アンナお嬢様、あーん」


「………………………あーん」


これは仕方ない、仕方ない、と思いながらスプーンを食べる私と、テトラはあーんが出来て顔がとろけそうになって居た。


「これ私が作ったんです、美味しいですか?」


「…………美味しいよ」


「ありがとうございます、はいあーん」


「はぁ……あむ」


うん、悔しいくらい美味しい。

最後にあーんってしてもらったのいつだろうか。

テトラはこちらを笑顔で見てくる。


「……………やっぱりアンナお嬢様は可愛いですね」


「……………どこが可愛いの?」


「先程の仕草や食べ方、笑顔なども可愛かったですよ?」


「などもって言う事は……」


「はい、全部可愛いですよ」


「……………………」


「あの、そんなに身構えないでください、襲いませんから」


「前科があるでしょ」


「そうですが………そうだ!口移しで食べませんか?」


「嫌」


「ストレートですね」


「嫌だし、これでも私付き合ってる人居るからね」


「えぇ!?だ、誰ですか!そんなロリコン野郎は私が誅伐します!」


「いや、ロリコンじゃない………ロリコンなのか?」


「アンナお嬢様にゾッコンならロリコンかと」


「相手が私より少し大きいくらいの身長の女性でも?」


「……………私達以外にも同性恋愛者が居るとは」


「2人居るよ」


「ハーレムですね」


「そうだね、それでロリコンなのかな?」


「………同性なら関係ないかと」


「だよね、だから誅伐しちゃダメだからね」


「分かりました。私もその方々のように愛でてくださいね」


「えー、今のところ相思相愛なのは1人だけなんだよね」


「お二人では?」


「1人はね、もう1人の女性が彼女と言うより娘みたいと思ってたんだ。最近付き合う事になったんだけどまだ振り切れてなくてね」


「じゃあ私が入り込む隙はあるんですか」


「それはない」


「酷い!」


「そうだ、私達の仲間になるんだし仲間の説明しようか。あー、ヘプタ居ないかった」


「あの子には私が後で伝えておきますよ」


「ありがとう、じゃあまずは私の恋人のシルヴィアから」


「アンナお嬢様を食らった恋人ですね」


「………まぁそうだけど、それでシルヴィアは……………」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「アンナお嬢様の周りの方々は特殊な人ばかりですね」


「まぁね」


話しながら食べて居たので、皿の中はもう無くなっている。

手も力が入るようになり、途中からは私がスプーンを持ち食べて居た。

テトラに仲間の事を話し終わり、この大図書館での話をしているとノックが聞こえた。


「はーい」


「アンナ、入る」


この声のトーン、喋り方、確実にイレイナだ。


「どうぞ」


テトラはドアの前に行き、ドアを開ける。

イレイナはさっきと変わらず、靴を履かず裸足で宙を浮いている。

イレイナはテトラに向く。


「アンナと、話し、出来た?」


「はいマスター、この機会をくださりありがとうございます」


テトラは頭を下げる。

あーやっぱりイレイナの計らいだったのか……。


イレイナ達を見てると、ドアの方に人が見えた。

あの銀髪はアリスちゃん!


アリスちゃんと肩に乗ったクロワ、両手で持っている瓶、スイゲツを持ったの姿があった。

アリスちゃんはそのままイレイナの横を通りベッドまで走ってくる。


「アンナお姉ちゃん、大丈夫?」


「お主!大丈夫だったか!」


『マスター!傷を負ったと!』


「同時に喋らないで!分からないよ」


『「「…………」」』


よし、じゃあ順番に聞いていくか。


「はい、アリスちゃんから」


「え、えっと、大丈夫?」


「大丈夫だよ、どう聞いたか知らないけど全快してるから」


「それならいいが、腕が無くなったと聞いたぞ」


「あー自分でやったんだ」


『「「は?」」』


アリスちゃん、スイゲツはコイツ何してんだ?って驚いた顔をしている。クロワは驚いてそうだが分からない。

まぁ驚くよね。


「まぁ自分の技で自爆しただけ、最悪再生で治せたから」


「してどんな技だ?」


「えー聞く?」


「気になるだろう」


「まだ言わなくていい?完成してから言いたいんだよ」


「戦略に入れるなら早く聞きたいところだが、その様子だと本番では使う気は無しか」


「完成したら使う予定だよ」


「完成を楽しておくか」


スイゲツと喋り終わると、イレイナがこちらに来て居たのでそちらに向く。


「ちょっと、頼み事、していい?」


「頼み事?」


イレイナからの頼み事?なんだろうか。

私は少しドキドキしながら聞く。


「森にいる、鎧、妖精、操ってる奴、の討伐、出来る?」


イレイナは少し真剣な顔(目は半開き)で言ったのだった。





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