大図書館の主とメイド
「なぁ!?」
私が驚いている以外はみんな頭に?マークを付けているような表情だ。
なんでだ!?ステータスにも現れないしどうやって分かった!?
私は警戒をあらわにして少女を見る。
少女もジト目のまま私を見て頷くと同時にその場から消える。
瞬間移動!?なら後ろか!
私が後ろを振り向く前に背中を押され、小屋に向かって行く。押しているのは当然さっきの少女だ。
私も縮地を使い横にそれ、押されるのから脱出する。そこにかなりの速さでアリスちゃんが走ってきて抱きつく。
「ちょ、ちょっといきなりなんですか!」
「…………怖がってたから、私が、運んでようと、思ってた………」
「はぁ………」
「そんなに、怖がらなくていい、私、怖くない」
少女はそう言い胸を張る。
そこにシラバスが近寄り、私に笑いながら言う。
「主はあなたと話したいだけですので来てくれませんか?」
………本当に害が無さそう、ただ私に興味があるだけか。
私は警戒を解き、少女に近づく。当然アリスちゃんは抱きついたままだが。
「分かったよ、私もあなたに興味あるので話し合いましょうか」
それを聞き少女は目を見開いて笑顔になる。
「じゃ、じゃあ、招待する、付いて来て!」
少女に手を掴まれて私は引っ張られながら小屋に向かう。
アリスちゃんは私に抱きついたまま少し怖がっているようだが、私が居るので少し安心して居るようだ、スイゲツは少し警戒しとくようにと合図された。
後ろにはシラバスがいて、少女が小屋に着きドアノブに手をかける前に私に体ごと向ける。
「私の名前、言ってなかった、イレイナ、私の名前はイレイナ」
「イレイナね、私は………知ってるよね?」
「アンナちゃん」
言いたい事を言い終わってのか前を向き、ドアを向いてノックを3回して開く。
カルミナに引っ張られて中に入り、私はそこで唖然する。
私は入る前はただの小屋だと思っていたが、中に入っていきなり目に入いるのが本だ、ただの本ではなく数が多すぎるのだ。
まずこの部屋の広さも高さも外で見た小屋とは比べ物にもならないくらい大きくて、見える範囲でも野球場くらいはあると思う、高さも2階、3階、4階と吹き抜けにして何十mあるのか分からない。
その大きい部屋に壁一面に本が入っている、本だけでも何冊あるのだろうか、軽く100万冊以上はありそうだ。
しかもそこには入りきらないのか全面本が入った四角形の本棚が無数に宙に浮いていて、本自体もそこら辺に沢山置いていたり浮いている。
私達は固まってその光景に食い入る。
ここまでの本の数を目に入る事などあるのだろうか、地球に住んでいたら絶対に無理な光景だろう。
私は感動で固まっていると、カルミナが手を引っ張って私を連れて行く。
歩いている最中も私達、スイゲツ、アリスちゃんは顔をあげたり、横を見たりして、周りの風景を見て歩いていった。
イレイナに連れられて行くと目の先にダンジョンと同じ大きさぐらいの扉が見えてくる。
イレイナは扉からかなり離れた所で、私を引っ張っている左手ではなく右手で指を張る。
すると扉は少しづつ開いて行き、私達がついた時には私達が楽に通れるくらいに開いていた。
扉の先に進むとそこの部屋も同じく本で覆われていた。
ここだけで何冊の本があるんだろう………。
私が価値的にヤバいと考えたいると、ずっとまっすぐ歩いていたイレイナが右に曲がる。曲がって奥を見るとさっきの扉とは違い、普通の大きさのドアがあった。
私は引っ張られて進み、イレイナはそのドアを開けて中に入る。
中は先程までとは違い、ホテルの広間ぐらい広さがあり、周りは高級そうな家具が置いてあり、真ん中にはかなり大きい真っ白な縦長の机があった。そしてその机に数人のメイド服の女性達がせっせと食事の用意をしていた。
イレイナは私を引っ張ってその机に行き、私達に座ってと言って、椅子に座らせる。
アリスちゃんはすぐに私の左横に来て、スイゲツは私の横の机の上に置く。
目の前の料理も良い匂いで、見た目も高級レストランで出てきそうなものだ。
私は改めて対面の席に座っているイレイナを見て思う。
この人ヤバイ。感だけど戦闘も出来そうだし金も持ってる、そんな人に私は多分異世界の事を話すんだろうけど、私の話で満足するかな、それにカルミナには聞きたい事があったけど……。
私が考えているとイレイナは手を叩き注目させる。
「さぁ、ご飯食べよう、アンナちゃん」
「あっ、はい、いただきます」
私はフォークを手に取りサラダを食べる。
美味しい、この人ドレッシングは何使ってるんだろ、野菜もシャキシャキしてて美味しい……。
私はサラダに舌鼓していて気になる事がある。横を見るとアリスちゃんがジーとこちらを見ている。対面にいるイレイナとその横のシラバスもこちらを見てくる。
「ど、どうかしたの?」
「いただきます、はなんなの?」
アリスちゃんは頭を傾げて聞いてくる。
前の2人も同様で気になったのらしい。
「えーと、私の母国のご飯を食べる前に言う言葉かな」
「へぇーそうなんだ!じゃあいただきます」
アリスちゃんもフォークを持ち食べ始めた。
それを見てイレイナとシラバスも、いただきますと言い料理を食べ始める。
食べ始めて少しするとカルミナが声をかける。
「アンナちゃん、ご飯を食べた、後で、2人で話せない?」
「は、はい。分かりました」
「堅苦しく、ならなくていい、いつも通りで、話して」
「分かり、えーと………分かったよ」
「うん、それでいい、気になってた、その子、吸血鬼の、さらに上、真祖、じゃない?」
イレイナはアリスちゃんを見て言う。
真祖?ASOではない種族だ、私は知らない。
私がアリスちゃんを見ると、先程までのアリスちゃんとは違いイレイナを睨んでいる。
「なんで分かったの………」
「見たら、分かるから?」
見て分かる……鑑定をしてるのか?
それにスイゲツがイレイナの目を見て言う。
「一種の魔眼だと思うが、お主の目はデタラメだな」
「あなたの事も、知ってる、スイゲツでしょ?」
「なぁ!?」
「えぇ!?」
私とスイゲツはスイゲツの名前を言った事に口を開きフォークを落とすぐらい驚く、何故驚くかと言うとまだスイゲツの名前はイレイナの前では言っていない、と言うことはイレイナはスイゲツのステータスを見たと言う事になる、それが普通は不可能なのだ。
スイゲツのステータスを私は見た事がない、見た事がないよりは見れない。
何故ならスイゲツのユニークスキル「鑑定不能」があって鑑定レベルが10でも鑑定出来ない、私がスイゲツのステータスを知っているのはスイゲツ自身に教えてもらったからだ。
それなのにイレイナはスイゲツの名前を言ったので私達は口を開けてフォークを落とすぐらい驚いているのだ。
「鑑定不能は、無駄、私の目は、そんなスキルをすり抜ける」
「なんだって………」
スイゲツは絶句する、今まで絶対の自信があったスキルが通用しなかったのだ、誰だってそうなる。
スイゲツはビンの中に入り水の塊となって動かなくなった。
仕方ないしそっとしておくか。
私がスイゲツから目線をカルミナに変える、イレイナはアリスちゃんにまだ睨まれたままだった。
流石に気まずいのでアリスちゃんをなだめる。
「アリスちゃん、イレイナも悪気が無いと思うよ、気になって聞いたんだと思うよ」
「…………分かった」
少しアリスちゃんは不貞腐れながら料理を食べ始めたが、まだ少しイレイナの事を警戒しているようだ。
これは仕方ないか、と考えて私はカルミナに向くとイレイナは真剣な表情で私を見ていて口を開く。
「話が、逸れるけど、私と、話す前に、1つ質問、アンナは、女神の事を、どう思ってる?」
「女神をどう思っているか……」
私は女神について考える。
女神、スティファ様か、どうだろうか、私は転生してもらったのはありがたいと思っているが、
「一度有難いことがあったんだけど、そのあと変な事になったからあまり良し悪しは分からない。それに私は無宗教だから、まだ宗教的なものには入る気は無いかな」
どうだろう、このどちらでもあまり怒られなさそうな返答は!完璧とは言い難いがどちらかによるよりマシだろう。
しかしイレイナから返ってきたのは淡白な返答だった。
「そう…………分かった、それじゃあ、食べよう」
「え?あ、うん」
え?それだけ?何か言わないの?
イレイナは黙々と料理を食べている。私も別に後で聞けばいいかと思い料理を食べる。
やっぱり美味しい……この魚はなんて魚なんだろう?料理の事も聞けたら聞こう。
私がグラスを取ろうとすると水が入っていなかったようで、後ろに居た金髪眼鏡メイドさんが水を汲んでくれた。
「ありがとうございます」
「いえ、お客様を持て成すのもメイドの仕事ですから」
「モノ、私のも、入れて」
「はいマスター、分かりました」
そのままモノさんはイレイナの所まで机を回って歩いて行った。
流石メイド、お盆の上の水が全く揺れない、洗練されているな。
私はモノさんのメイド技術を見て感心して居た。
しばらくして全ての料理を食べ終わって、私はアリスちゃんにデザートをあげて、私は1人でメイドさん達が料理を作っているのを見ている。
さっきイレイナに厨房で作っているのを見てもいい?と聞いて許可を得たので見ている。
メイドさん達の料理の腕は凄まじく私には理解出来ないほど早く、正確に料理して居た。
凄かったなぁ………シルヴィアが料理を作ってるの見たことあるけどそれよりも凄かった、一言で圧巻だ。
私は満足し、厨房から出て行こうとすると後ろから抱きつかれる。
抱きついてきたのは茶髪を短くして、活発そうな外見のメイドさんだ。
「ふぇ!?な、何ですか!?」
「いや〜丁度癒しが欲しかったのよね、こんなに可愛い子が来たら抱きつかずには居られないでしょ!」
「こら!ヘプタ!お客様に抱きついたらダメでしょ!」
「えーダメですか?お客様?」
目をウルウルして私を見下ろさないで…………仕方ない。
「私達の料理を作ってくれましたし少しだけなら…」
「やった!ありがとうねお客様」
ヘプタさんは手をぎゅっとして抱きついて来た。ヘプタさんの胸はかなりの大きさなので背中に柔らかい感触がする。
女子特権の感触を楽しんでいると前に先程ヘプタさんを叱ったメイドさんが居た。
「あの、失礼だと思いますが撫でてもいいですか?」
「え、えーと良いですよ」
「ありがとうございます」
満面の笑みを浮かべて私の頭を撫でて来る。私もかなり気持ちいいので満更でも無いのである。
前世では撫でられるのは好きじゃなかった気がするけど、アンナになってからは撫でられるのが好きになったように思う、猫だからかな?
「テトラ姉、私も頭撫でたい」
「あなたはそこでいいでしょ」
「別に変わってもいいですけど……ふにゃ〜」
顎を撫でられるのはヤバイ、凄くゾクゾクした、怖い方ではなく気持ちいい方だが。
そして私は足に力が入らずその場へたり込んでしまった。
私を見ていた2人は固まる、そして2人はニヤリと笑い私を撫で始めた。
後ろに居るヘプタさんは尻尾やお腹をを触って来るし、テトラさんも耳や顎を触って来る。
私も横に倒れてしまい、もう2人には猫を撫でて居るようにしか見えていない。
「ほらこことかどう?」
「ふにゃ!も、もうにゃ、にゃめ」
「じゃあ尻尾はどうかしら?」
「ふにゃうぅ…尻尾はそんなに、こ、擦っちゃダ」
「耳もいいよね」
「にゃー!にゃ、にゃめて、も、も、う」
「確か尻尾の根元も気持ちいいかったはず」
「そ、そこはダメふにゃゃゃあぁん!」
「ふふふ、可愛いわ、お腹もいいはずよね」
「じゃあ私がやろっと」
「や、やめふぁにゃゃゃぁあ」
だ、だめ、もう疲れた、私もう力入らない……。
私が地面に大の字になって倒れて居るのを手を止めずに2人は見ながら話す。
「ヤバイ、この子可愛い良すぎ!お持ち帰りしたい」
「ごく………私も欲しいわ」
「マスターもずっと相手してくれないので襲っちゃっても仕方ないよね」
「仕方ない………仕方ないわ!私が食べちゃうわ」
もう2人のメイドは壊れて居る、お客様の事を考えていないメイド失格のダメイドである。
しかしそんな事も分からなくなるくらい暴走してる2人は私に襲いかかって来る。
や、やめて、もうこれ以上したら、
「だ、ダメにゃぁ…」
「「…………」」
私はそのまま暴走メイド2人に口を奪われて、意識が遠のいていき、キスした後も色々された私は意識を失ったのだ。
周りが騒がしいと思い目を覚ますと、私は布一枚の姿で横になっていた、そして私の目の前にはイレイナが半泣きで謝ってきて、その後ろでは暴走メイド2人が正座させられて数人のメイド達とモノさんに怒られていて、アリスちゃんとスイゲツがすごく心配して慰めてくれて、アリスちゃんは私に膝枕してくれていたのだ。
勿論私の体はシルヴィアと同じように体中にキスマークがついていたのだった。
なんでエロ方面に走っていくのだろうか………まぁ作者の趣味ですけどね。
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