私の初めてのパートナー
「え………シルヴィア?」
私は周りを見る。ガウェイン、クズハもいなくなり、クサントス、ペーダソスも馬車から消えていた。
「え……………みんな?」
私はその場で崩れ落ちる、心臓の鼓動が早くなって、体中が震えが止まらない。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
周りに信頼してる人が居ないだけで私は壊れそうになっている。
私が恐怖に落ちていると、体が暖かくなる。体を見るとクロワが包み込んでくれて居た。
『マスター大丈夫?』
「はぁ、はぁ、ああ……………落ち着いたよ、ありがとうクロワ」
クロワが居てくれるだけで安心する。
仲間がいる事は素晴らしいなと再確認出来た。
「よし、ここで嘆いていても仕方ない。クロワ、分体の位置は分かる?」
『分からない、繋がっている感じはするんだけど位置が分からない』
「そう……」
どうする、これが妖精の仕業ならこちらも妖精で切り抜けるしかない。
他に方法は………無いかな、それかここで待つのも手だが、みんなは食料を持っていないから、私より先にみんなが死んでしまう可能性があるため無理だな。やっぱりあれしか無い。
「……よしスイゲツを召喚する」
『スイゲツ?』
「私の初めてのパートナーの妖精だよ」
私は草原の方に手を向け魔法を発動する。
「我の呼ぶ声に応えよ!我が契約妖精よ。そして我の招集に応じろ!スイゲツよ!」
魔法陣が現れ、輝き初めて周りが光に包まれる。目を開けるとそこには、空中に手のひら程度の浮かんだ水の塊があった。
「ええっと、入れ物入れ物」
私はすぐにアイテムボックスからジャムの空き瓶を取り出し、水の塊がそこに入る、すると水が動き出し女性の上半身のようになる。
そうこの水妖精が私の契約妖精、スイゲツである。
「ふぅ、お主の声がしたと思ったら一瞬で移動するのだから驚いたわ」
「ごめんね、急に呼び出して」
「別に問題ない、我を呼んだという事は何か用があったんだろ?」
「私の仲間を探して欲しいの」
「そのような事か、してその中に我が知ってる者は?」
「ガウェイン、クズハ、クサントスだね。他にもハイエルフと魔物の馬が居ると思う。それかこのスライムの分体が居るはず」
スイゲツは探知系では1番の実力がある、みんなを見つけてくれるだろう。
「分かったちょっと待っておれ、空間探知………ん?この周りは偽装されておるな」
「偽装?」
「待っておれ、解!」
スイゲツが草原に手を向け唱えると、ガラスが割れたような音が鳴り、一瞬で景色が草原から森に変わって馬車もその場から消えていた。
「ほれ、周りは全部森の中だ」
「あれ!?全然気づかなかった……」
「存外にお主の方が迷ってしまったかもしれんぞ」
「そうなのかな……」
私が周りを見渡して居ると、スイゲツは何かを探知したようだ。
「ふむ、お主が言っている者達は誰一人見つからんぞ」
「え!」
「まあそう焦るな、我の探知を一定距離で阻害しておるからこの森にはいるかも知れん」
「スイゲツの探知を阻害されるのか……」
「まぁ阻害元を潰せば探知できるぞ、それでな2つだけ探知できた者がいるのだ」
「それは私の言っていたみんなじゃ無いよね?」
「ああ、片方は死にかけの少女で、もう片方はフルプレートアーマーの奴で我らに喧嘩を売ってきていて、こちらに向かってきておる。さてお主はどちらを選ぶ?」
え?死にかけの少女と私達に喧嘩売ってきてる奴を選べと?そんなのもちろん。
「少女の方は何処に居るの?」
「やはりお主はそちらを選ぶか、場所はお主の右斜めまっすぐだ」
「それでもう片方は?」
スイゲツに聞くとスイゲツは少し困ったような顔になった。
「悪い知らせだ、其奴もそっちに向かっている。さっきまでこっちだったのにな」
「ヤバイね、クロワ戦闘になるかも知れないから前にやった準備しておいて、スイゲツは私のサポートね」
「了解した」
『あれですね分かりました』
私達は木々を走り抜け、すぐに少女の元へと向かったのであった。
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