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アンナ

クロワとの契約を結んだ後、ボス部屋内では魔物が湧かない事をクロワに教えてもらったので、そこで一泊する事にした。


『マスター、魔物が今まで湧いてこなかったけど今は私が、ボスじゃ無くなったから湧くかもよ?』


「大丈夫だと思うぞ。扉が開かれて閉まってから魔物が出てくる様になってたから」


ASOもボス部屋に誰か人がいたら、モンスターは一向にリスポーンされなかった。ASOではボス部屋に誰もいず、2時間後にリスポーンだったか。

まぁいずれにせよ、さっきまでクリティカルを連続で出しまくってたせいで、肉体と精神的に疲れが出ていた。


「流石に疲れたからもう寝るか。5時間経ったら起こしてほしい」


『分かりましたマスター、そうだ私の上で寝て見ては?』


眠いから上手く思考が働かない。


「じゃあ…そうするか……」


そう言い、クロワの上にダイブした。ひんやりしていて肌触りも良く体を包み込んでくれる感じで俺はすぐに瞼が落ちていった………。


『マスターはもう寝ましたか…。マスターに上に乗ってもらっても、流石に快感を得られませんですか…。ハァァ………。』


やはり変態は変態か…。


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『マ……ー………くだ……』




何か聞こえてくる…。今はただこの気持ち良い布団の中にいたい……。



『マス………おき………さい』



この微睡みの中で今はいたい……。



『マ…ターお…な……お、そ、い、ま、す』


「うぉおい!?」


『やっと起きましたかマスター』


「襲う」と言う単語で起きれたのは、一瞬で今異世界にいるのを思い出したからだ。少し恐怖心があるのだろうか…。


「起こしてくれて、ありがと、さっきの起こし方はビックリするけど…」


『マスターが一向に起きようとしないからですよ。聞こえてなかったら襲ってましたけど』


「どう言う意味で襲ってくるのよ…」

テイムした魔物は主に危害を加えられない様になっている。


『それは………想像にお任せします』


なんだその間は寒気がするわ。


『マスターは先程から、出会った当初と口調が少し変わりましたね』


「え、そんなに変わった?」


『はい、男性口調だったのが、少し女性口調に変わった気がします。まぁマスターは女性ですがね』


それが本当なら「アンナ」の体に、俺の魂が引かれていってるのかもしれない。そうしたらどうなるんだ?………変わらないか、「アンナ」も「俺」もどちらも『自分』なのであるから。どちらになろうと、結局は『自分』なのであるから変わらない。


「さて、まずは腹ごしらえをしましょうか」


とアイテムボックスから食料を取り出す。ASOでは空腹ゲージなる物が存在する、それが空になると急速に体力が減っていき、ステータスが全てダウンし飢え死にする。それを防ぐ為にアイテムボックス内には結構な量の食料がある。


「今食べるのは………ハンバーガーとポテトにしようかな、クロワは何か食べたいものはある?」


『マスターと同じものでお願いします』


ハンバーガーとポテトを山盛りで取り出した。ASOでは食べ物を食べるとその食べ物によって色々なバフがかかる様になっていた。こっちではどうなのだろうかと、思っていたらバフはかかった様だった。


『マスターこの料理美味しいですね。しかも力がみなぎる感じがします!』


「賢者のモノクル」でステータスを見ると、体力上昇が付いていた。ここで疑問に思ったのは「この世界で食べ物を食べるとバフがかかるのか」か「自分が持っている食べ物」だけなのか気になった。


「クロワは他の料理を食べたことはあるか?」


『料理といって良いものか分からないですが、人間が残していった干した肉や、パン?などですね』


「それらを食べて、ハンバーガー同様力がみなぎったことはある?」


『無いですね。まず料理がこんな美味しいものだとは知りませんでしたもの』


「ん?どうやってそんな色んな情報知ってるの?パンのことも知ってる感じだし」


クロワは何かと知っているのだこのボス部屋から出て無い感じだし。


『それはマスターと契約して色々な情報が入って来たんですよ。だから念話で喋れる様にもなったし、感情と言う物がどの様なものかも分かりましたし』


「え?こっちには何も情報来てないんだけど?」


『マスターは私のステータスをアイテム無しで観れると思いますよ』


と言いまたハンバーガーを食べ始めた。


「えーと、クロワのステータスオープン」


目の前にウインドウが出て来た。


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名前:クロワ

種族:エルダースライム

レベル:300

年齢:634

HP:3000【+500】

MP:3000

STR :300

VIT :80000

AGI :300

DEX :300

INT :240

ステータスポイント:12000


主従:マスター【空欄】


スキル

完全防御lv4、体積調整lv6、念話lv1、


パッシブスキル

一定防御lv6、ガッツlv3


ユニークスキル

痛覚変換lv4


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ステータスポイントで使ってないのが結構あるな。ステータスポイントは、ポイントを割り当ててステータスを強化出来る。これは後で入れるとして、種族が変わっている。ハードスライムだったのがエルダースライムになっている。


「クロワ、種族が進化してるよ」


『それもマスターと契約したかでしょうね』


それもか!スキルの方は……俺のせいだな。念話は契約したから仕方ないとして、痛覚変換って初めて聞いたぞ。どう言うスキルなんだ?


【痛覚変換】痛みを違う感覚に変えることが出来る。ただし感覚が変わるだけでHPはちゃんと減っている。


クロワに初めてダメージを与えたのが俺だろうから、それをどうにかする為にこうなったんだろうなぁ………。とポテトを、食べながら思っていた。


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「お腹も膨れたし、準備も出来たし、これで下の階層に行きますか」


ご飯を食べてて予想外だったのが、クロワがハンバーガー6つでお腹一杯ということだ。スライムは暴食と、ラノベとかで読むから大量に出したのに6つだけでいけるとは思わなかった。ポテトの方を沢山食べていたから変わらないのか?と考えていたら、


『今更だけどマスターの名前は何なの?』


「私は…」


見た目や口調まで変わって来たのだ。もう名前は決まった様なものだ。


「私の名前はアンナよ。アンナ」


そう私はもうこの世界に生きているアンナだ。加藤奏人はもう死んでいる。


『マスターの名前は見た目同様可愛らしいね』


「ふふ、ありがと」


私は「アンナ」として生きていこう。このセカンドライフを楽しむ為にも。

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