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太陽の騎士

「ウッドルーツ」


私は木から伸びた根の上を走る、老人の方も邪魔をしようと魔法を使う。


「スモッグアウト」


周りが一瞬で曇る、だが私には「探知」がある。向かっている方向から少し左に移動しているようだ。

無駄な事を。


「遅い!」


近づいて斬りかかるが、寸前で「縮地」で戻る。

これは偽物だ!



「ダミーって事は……後ろ!」


振り向き足元を大太刀で横払いする。斬れた感触があった。


「クソ!読まれていたか!」


「こういうのはやられまくってるからね!」


ASOでの乱戦ではよくやられたものだ、返り討ちにしているが。

老人に近づき首元に刃を向ける。


「終わり、大人しく捕まってもらおうか」


「捕まるとでも?」


「この状態で武器なしのあなたに何が出来ると?」


刃を向けているのに老人が笑い始めた。


「ふふふ、お主三つ勘違いしておるぞ」


「ホラでしょ」


「違うぞ、一つに私はさっきエルフの小娘が言っていた通り召喚師だ、魔法師では無い、二つ目に私は無防備なわけがなかろう」


「それでも私の方が速い、分かってるでしょ?遅延魔法は探したがこの周りには無い」


「ふふ、三つ目だがワシは1人では無いぞ?」


「今は1人、残念だね」


「あやつがそう簡単に死ぬと?」


コイツはなにを言っている目の前で起きた事を忘れているのか?それとも何か他にいるのか……。


「そう悩み混むな死ぬぞ」


「え…グハッ」


私は横からの攻撃に吹き飛ばされた。

横から何かが来た!大太刀で防いだが左腕が折れたな。腕から骨が出ていた。めっちゃ痛い!


「くっ…だれだ!」


「子供よ、私を忘れたか?」


「は?」


霧の中から出て来たのは、さっき頭が体から離れたはずの男がいた。首も元に戻っているし、傷も全くない。

なんだと!?再生能力が強過ぎるのか?


「子供よ、私を殺せたのは褒めてやる。だがあの程度では死なんぞ?」


「そうですか」


さて、どうする、絶体絶命ってやつだな。クズハはもうすぐ来ると思うが、この男を倒せるか……さっきの奇襲で警戒してるから無理か。しかも私の左腕は使えない、骨が折れてるし、剣を振れてもまともな攻撃が出来ないな。

男は悠々と大剣を構えている。


「子供よ、かかってこんのか、それとも他の奴を待っているのか?無駄だぞ」


どういう事だ?

男は霧の外の方を指差した。


「ここは結界を張っていたな、そこの隠者が外に魔物を数匹解き放っているのだ、来れるはずもない」


「なっ!」


クズハが遅いと思ったらそういう事か!クソ!面倒な!一旦逃げるか。

立ち上がり剣を構える。


「やる気になったか、では行くぞ!」


大剣を振り上げる。

速い!避けられない!

大太刀を当てて少し動く左腕を犠牲にして流す。


「うおぉぉ‼︎‼︎」


これでもう左腕は全く使えなくなった。

男から距離も稼いで、「神速」「消音」「気配遮断」を使い姿をくらます。


「ほう、逃げられたぞ、隠者どこにいる」


少し唸ったあと老人は左に指を向ける


「あっちだ、距離的に60mくらいだな」


「どうせ逃げられんが、追うぞ!」


男は地面を蹴る、私の神速と同じくらい速い。だが時間が稼げた、私は逃げれないのは分かっているそれならここである事をするしかないと考えた。


「ごめんね、こんな形で呼ぶのはしたくなかったけど。我の呼ぶ声に応えよ!我が部下よ!」


「あれは!召喚魔法だと!やめさせろ!」


「分かっている」


男はさらに速度を上げた

私の前には魔法陣が現れる。


「そして我の招集に応じろ!いでよガウェインよ!」


「終わりだ死ね!」


男が突進する様に大剣を振り落として来た。

あっ、終わった…。

私は目を閉じた。


ガギィィンーー!


「マスターに何をするか下郎!」


良かった間に合ったか。

私は目を開ける、そこには白銀の鎧を身に纏い、白銀の片手剣で男の大剣を受け止めている金髪の美男子、私の部下であるガウェインがいた。


「ガウェイン!ありがとう!死にかけてたよ」


「マスターを守るのは当然ですよ、まずはこの下郎を処断します」


「チッ、間に合ったかだがそのまま斬る!」


男は大剣を押し込んで来た、しかしガウェインはビクともしない。ガウェインは大剣を弾き返して、男に斬りかかる、男も大剣で応じ私の目の前で剣戟が始まった。


上段からの大剣をガウェインは片手剣ガラティーンを両手で持ち下段から上げて弾く、弾いて大剣の威力が弱まった時に左手を剣から離し鎧の左手甲の部分で大剣を横に流し、空いた胴斬り、男が後ろに下がって追撃に上段から剣を当てる前に男は大剣を横に構えて受け止めるが、そのまま押し込まれ吹き飛ばされる。

それからは終始ガウェインが攻めて男を逃さないようにすし、男もガウェインが強い事が分かり隠者に助けを求めている。


ガギィン!

「はっ!弱いですね、この程度で私のマスターを怪我を負わせる事は出来ないでしょう、あなたは影から隙を突いてマスターに怪我を負わせたのでしょう!」


「くっ!隠者コイツは強過ぎるぞ!」


「馬鹿な!召喚魔法は自分より下のものか、従属したものしか無理なはずだ!」


「当たり前でしょう、私はマスターよりも弱いですしマスターの部下ですよ!」


ガギィィン!

男の方は焦り始めた。こんな者と戦うなど計算外だったのだろう。


「クソ!隠者俺では抑えるのは無理だ、撤退だ!」


「分かっておるわ」


「やらせるとでも!」


ガウェインが男を弾き返し老人に一瞬で移動する。

だが斬る前に男に掴まれる。


「隠者俺ごとやれ!」


「ヘルファイヤ」


男とガウェインが火柱に飲まれる。男は超再生能力があるからガウェインだけが負けるだろうと踏んだのだろう。だがそれは間違いだ。


「無駄です、私に炎系の攻撃は無効にしますから無駄撃ちですよ、この男も邪魔です!」


ガウェインは男を薙ぎ払いその場に捨てる。

そのまま老人に近づく。


「クソ!シャットアウト!」


目の前が全く見えなくなる。しかしガウェインは老人を見失う事はない。


「グハッ!」


「無駄です、気配遮断をしている様ですがレベルが低すぎですね」


ガウェインは老人に近づき剣を構える。


「我が剣、ガラティーンに斬られるのです光栄に思いなさい」


「くそっ………」


ガウェインが剣を振り下ろす、しかし当たる事はなかった。

上から突如魔法の雨が降って来たのだ。

ガウェインはすぐに私の所まで戻り、剣で魔法を斬りはらう。

上には同じ仮面をつけた女性がいた。


「全然ダメじゃない、死にかけてどうするのやら、貴方達は戻っておきなさい」


すると老人と男が一瞬で消える。

あれは転送魔法……時空魔法を使えるのか。

女性はこちらを向き話しかける。


「貴方強いわね、どうその子を捨てて私に着いてこない?」


な!?誰だか分からんが私のガウェインを取ろうとするとは!

私が内心でブチ切れているとガウェインが礼儀よく答える。


「すみませんが私はもう忠誠を誓ったマスターが居ますのでお引き取りを」


「ガウェイン……」


やばい、かっこよ過ぎる!


「あらそう、なら死になさい!」


女の周りに50はあるあらゆる魔法が現れる。それが雨の様に私達に向かって落ちて来た。しかしガウェインは剣を横に構える。


「先程頂いた炎が有りますのでマスターはここでお待ちを、ガラティーンよ全てを焼き払え!」


ガウェインが剣を魔法の雨の方向に横に降ると、剣から炎の斬撃が出て魔法と衝突し爆発する。それは連鎖していき全てが焼き払われた。

女の方も驚きを隠せない。


「なっ!あれを全て弾きましたか」


「あんなお遊びみたいな物は簡単です、ですが貴方はまだ本気を出してない様ですがどうするので?」


ガウェインは剣を女に向けて構える。

女の方は何かかんがえているようだ。


「ふふ、私は下がるわ。もともとアイツらを回収しに来ただけですし」


「そうですか、私が逃すとでも?」


「ふふふ、貴方も本気じゃないのは分かるけど、今はやめましょ、スペースムーブメント」


アンナはその場から消え、霧も少しづつ晴れて来た。ガウェインはこちらを向き膝をついた。


「我がマスターよ、すみません遅れましたがここにガウェイン招集に伴いここに仕りました」


ガウェイン

私の部下の一人である白銀の鎧の騎士だ。これはクズハとは違い、ガチャでもなく。ストーリーイベントで仲間になってくれたのだ。

内容は、ASOでの大国ブリテンの円卓が主な話である。初めは騎士であるガウェインとパーシヴァルと一緒に行動する。そこにブリテンの王アーサーがいない事を使って、モルドレットとモーガンが城を征服、それを奪還する為に私達は城に突入する。そして話が進むとパーシヴァルとは別れて進むとモルドレッドとガウェインの戦いが始まる。しかしガウェインは1人でモルドレットは兵と一緒に戦っているのだ。そして私は周りを兵に囲まれて全く動けなくなってしまう。

少しズレるが私は実は「アーサー王物語」を読んだことがある。筆者ごとに内容は違うがガウェインの死に方は色々だ、ランスロットに殺されたり、ただの兵士に殺されたり、普通に死ぬこともあった。

そして先程の状態に戻るがこのASOでのガウェインの死に方はどうなるのだと。まさかここで死ぬのではと思い行動に移る。大太刀を使い兵を薙ぎ払って、空歩で一気に跳躍しモルドレットに一撃を入れる。そのまま戦い続き、モルドレットは不利と感じて兵を使って逃げて行った。

こうしてガウェインとの共闘は終わりストーリーが進むとアーサー王とモルドレットは共倒れになり、両方が死んでしまう。

その後は王は王妃であるグィネヴィアがなり、国は穏やかに進む。しかしガウェインは王を守れなかったと円卓を出る、そこで私は声をかけると何の事か分からないが、私の事をマスター扱いしてくる様になって仲間になった。

あとで掲示板などで調べてみると、プレイヤーそれぞれ一緒に行動する騎士は違うらしく、あるプレイヤーはランスロット、あるプレイヤーはトリスタンなど色々だったが、途中のモルドレット戦で死んでしまうらしい。私はあそこで救えたから良かったなと思い、調べるのをやめた。

あとあと知ったのだが、誰もそこでは救えず終わっていたそうで、そこで救えた私だけがガウェインを仲間に出来たそうだ。私がガウェインと町を歩いているとプレイヤー達がスクショを撮ってくるんだよね。なんで!?と思って直ぐにネットで調べたら掲示板で大騒ぎになっていたので、私は説明をそこに打ち込み、みんなが出来るように終止符を打とうとした。

しかしその後にやった人達はイベントが終わるまで誰一人として成功することは無く不可能だとか無理と言われた。

その後からだろうか、私の呼ぶ時ストーリークラッシャーと言われ始めた。初めはなんの事か分からなかったが、友達の奈々美に聞くとすぐに分かった。赤眼の猫剣豪よりマシかなと思って、結局何も言わずに終わった。


ガウェインは円卓の一員でありステータスはこの様なものだ。


--------------------------------------------------------------------


名前:ガウェイン

種族:人間族

職業:太陽騎士

レベル:200

HP:28650【+6000】

MP:12400【+6000】

STR :16500【+7000】

VIT :3400【+6000】

AGI :14500【+6000】

DEX :1240【+6000】

INT :13500【+6000】


装備

装飾:炎陽の腕輪

頭:銀翼のヘルム

胴:銀翼のキュイラス

右腕:銀翼のガントレット

左腕:銀翼のガントレット

脚:銀翼のグリープ

靴:銀翼のソールレット


武器

ガラティーン


スキル

身体強化lv10、探知lv10、豪腕lv10、神速lv10、偽装lv6、予知lv10、縮地lv10、魔力操作lv8


魔法スキル

火炎魔法lv10


パッシブスキル

剣術lv10、上剣術lv10、剣聖lv10、斬撃lv10、自動HP回復lv10


ユニークスキル

太陽の加護lv-、円卓の騎士lv-、忠誠lv10


装備スキル

火属性攻撃強化lv10、全魔法耐性lv6、一体防御lv10、騎士道lv10


武器スキル

火属性付与lv10、火属性攻撃吸収lv-、鋭利lv6


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まぁはっきり言ってガウェイン強過ぎる。

ユニークスキル「太陽の加護」がえげつない、効果が日の出から正午までが3倍、正午が過ぎて日の入りまで3倍と言うチート能力だ。

今さっきのでも強いのにまだ強くなる、公式NPCは強いのが殆どだが。けど私だってガウェインと戦って勝つ事はある、五分五分だけど。

てかそんな事より立たせないと!


「立っていいよ、丁度いいタイミングで来てくれたよ」


「マスターの為なら即座に」


流石ガウェイン、かっこいい。


「ありがとねイッツツツ」


「大丈夫ですかマスター!腕が折れているではで有りませんか!移動するには私が持ちましょう」


え?ちょちょちょっと!?なんでお姫様抱っこしてるの!?


「待ってガウェイン、これ凄く恥ずかしい」


「はは、マスター、レディはこうして運ぶのですよ」


そんな笑顔で見ないで!私今は女だからかっこよく見える!前からかっこよかったけど!


こうして私はお姫様抱っこされながらシルヴィア達と合流した。




どうしよう、主人公負け過ぎてる気がする。

主人公よりも配下の方が強い気が……………まぁ主人公は成長系ですので気長に待ってください。

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