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マール奪還②

私は昨日採ってきた薬草を売りに冒険者ギルドへと来ている。相手はソフィアさんだ、そのソフィアさんは私達が出した薬草を見て、目の前で項垂れている。


「はぁー、アンナさん……薬草詰みすぎですよ!しかもハズレが無いなんて……アンナさん達は凄いと思ってましたが、薬草取るだけでもこれですか…」


ハズレとは薬草モドキの事だ、初心者はこれを必ず持って来るらしい。

まぁ私たちは鑑定あるからすぐに分かるけど。


「前にも言いましたが、常時の仕事でもやり過ぎると無くなるんですよ!次からはもっと少なくやってきてください」


「分かりました!」


「前もこんなに良い声で言っていたはずなんですけどね…」


ごめんさい。てか、どうしよう。アイテムボックスに99スタックが3つあるんだけど。

ちょっとずつ出すしか無いか。


どうするか考えてると上からギルマス、グラートが降りてきた。


「ソフィア君はまた荒れてるね、どうしたの」


「ギルド長!アンナさん達がこんなに薬草を持ってきたんです」


ソフィアさんは籠に山盛りになっている薬草を指差す。


「あはは、アンナ君程々にしてね」


「すみません」


グラートに謝ってると、ギルドの入り口の方が騒がしくなった。1人の冒険者が息を切らして飛び込んできたようだ。


「はぁ、はぁ、ギルマスはいるか!大変な事になった!」


「どうしたお前、てかお前マールに向かってなかったか?」


「そこで問題が起こったんだよ!あっギルマス!」


「はいはい、どいたどいた、どうしたんだ君」


「マールでサイクロプスが出たんです!応援を頼みにきました!」


「サイクロプス!?偵察隊での資料を見たが、サイクロプスは載ってなかったはずだ…けどアリアやBランク冒険者達もいるから大丈夫なはずだが」


「4体も出てきたんだ!」


「4体だと!?」


「今はアリア達が抑えていますが早く行かないと手遅れになる!」


ギルマスであるグラートは考える。

(サイクロプス相手でこの町にいる冒険者で敵うのが居ないと分かっている。まだ戦えるとしたら………アンナ君達か)


グラートは振り返ってアンナに話そうとするが、その場にアンナはおろか、シルヴィアとクズハさえもいなかった。

すぐにソフィアに聞く。


「アンナ君達はどこ言ったんだ」


「今さっきの話を聞いた途端にダッシュでギルドを出て行きましたよ」


(逃げたのか、アンナ君が!?)


グラートは驚きを隠せない、アンナ達が逃げるはずが無いと思っていたのだから。

他に行ける冒険者はいない、数でかかるのも手だが被害が大きい過ぎる。


(僕が出るしか無いか)


「どうするのだギルマス!」


「僕が出るよ、Dランクの冒険者は少し残ってたな、全員集めてマールに向かう早急に準備しろ!」


グラートは準備をする為にギルドの外に出る。出た途端、目の前に戦車が止まっていた。

乗っていたのはアンナ達だ。アンナは戦車の上からグラートに言うことを喋った。


「ギルマス!私たち先にマールに行くね。じゃあ!」


「え!?ちょ、ちょっと!」


アンナは戦車を凄まじい速さで走らせて行った。

グラートは他の冒険者が来るまで、ポカンとしたままその場で立ち尽くしていた。


「どいたどいた!私の戦車が通るよ!」


「あ、あん、アンナ、速過ぎるわ、こ、これ」


「流石主人です、前に門が見えて来ました。開けて来ましょうか?」


「な、なんで、そん、なに、クズハは、ちゃんと、喋れる、のよ!」


結構この戦車は揺れる、シルヴィアは舌を噛みそうである。

それより門が問題だな。


「あーけーてー!突っ込むよー!」


門から200mは離れているが、戦車が止まるつもりがない事が伝わっているようで、大急ぎで門を開け始めた。


「さぁ行くぞ!クサントス、ペーダソス」


『了解だ!主人』


『承っています』


凄まじい速さで門を通り抜け、そのままマールへと向かう道を爆走する。


「アリア待ってて今助太刀に行くよ」


アンナの戦車は草原の草を焼く勢いで走って行った。





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