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マール奪還①

〜アリア視点〜

今はマールの町に向かっている。話によるとマールは門番の入れ替わりが北門であり、丁度北門から魔物が攻めて来て侵略されたと言う。

タイミングが良すぎる。やはり裏で何者かが操っているのだろう。魔法も万能では無い、操れる範囲があるはずだからマールの中にあるはずだ。この町だけで無く他も襲うとなると今止めるしか無い。北と言えば王都ソリヤテルかある。あの街は難攻不落と言われているから大丈夫だと思うが、アルーラの町は別だ。マールと同じ悲劇になるだろ。

こちらの戦力はAランクが私たちA級パーティー「赤の旅団」、Bランクに8名、Cランクが24名、Dランクが50名となる大所帯だ。もっと言えばAランクが私たちだけと言うのが気にくわない。Sランクも居ないとなると少し厳しいかも知れない。

ああ、アンナが来てくれたら心強かったのに、クズハさんも来てくれたらなおだ。



アンナ「赤眼の猫剣豪」

有名になったのは初めて行われたトーナメント式の1対1での試合である。対人戦で不利と言われる大太刀を身長と同じ長さのを持って現れる黒猫の少女は初めは馬鹿にされた。その少女の1戦目相手は両手銃、はっきり言って分かりきった結果になると思われた。しかし結果は少女の勝利に終わる。

戦闘は相手が撃った銃弾を大太刀の刃の根元と先を器用に使って切り落としながら相手に近づいて、誰も見たことの無い武技を発動して相手を倒すと言う結果になった。

初めは誰も訳がわからなかった、あの長さの刀をあんなにも自由に扱えるのかと、銃弾を斬るなど普通の刀でも不可能だ。

それに全く見たことの無い武技を使ったのだ、それすなわち自分で作り出す他ない。武技を作り出す事は出来るとは説明で書いてあったが、同じ動作をずっとしなければならないのでほぼ不可能と言われて来た。

その試合が終わり、一斉にプレイヤー達はアンナの事に調べ始めた。今まで全くの無名だったプレイヤーだ、ネットの掲示板でアンナについて色々話されていた。こうして、アンナというプレイヤーはASOで名を広めた。

2戦目は片手剣の相手だったが、アンナの武技を使う技量が違い過ぎて全く相手にならなかった。

2戦目を経て大太刀は使う人によって化けると広まった。どの武器でも言えると思うが、やはり使い易さがある。大太刀など好んで選ぶ人以外は選ばない。

アンナはその後、3戦目、4戦目も順調に進み準決勝で、優勝候補の一人、今は世界最強のムテンと戦う。

その試合は正に圧巻の一言、剣戟は音を後に残して斬り合う状態。観客のプレイヤー達は理解する、私達とは次元が違うと。

圧巻の試合は30分に及び、アンナの負けとなる。

試合が終わり、掲示板では大きくあの試合の事が書かれて、その圧巻の試合を「巌流島の戦い」と名前を付けるほどにもなった。その試合を見て、アンナのファンサイトも出来たりもしたらしい。

その後も、イベントでは上位に入り込んで来る猛者となる。アンナの部下としてクズハなどはイベントなどで、殺戮のクズハなどと名前を付けられ有名となった。


アンナにもう一つの通り名がある、それは「ストーリークラッシャー」だ。

一人でやるストーリー方式のイベントが結構ある、そこでアンナはストーリーとは違う事をして、ストーリークラッシャーと名付けられた。

一人づつのストーリーなのになんで他のプレイヤーがその事を知っているかというと、普通にやるとその時に出てくるNPCとはそこでお別れをする。がアンナはその話で出てくるNPCを自分の配下としているのを他のプレイヤーに発見されたのだ。

その時も掲示板が荒れまくった、プレイヤー達はどうやったらそうなったのかを考えまくった。しかしやり方が分からず、アンナの事をストーリークラッシャーと名付ける事で納得して終わったのだ。


「はぁー、思い返したら凄いなぁ」


「どうしたんだ、もうすぐ特攻をするんだぞ」


横にいるジョーに突っ込まれた。

ジョーは私がこっちに来た時、冒険者となってパーティーを組んだ時からずっと一緒だ。彼の槍は凄まじく、ASOで見たトップランカーと同じ感じがする。


「分かってるわよ」


「なんだ?彼女の事でも思い出してたのか」


「ち、違うわよ!アンナの事なんて一回も考えてないわよ、ただ戦力がもっと欲しかったなって思ってただけよ」


「俺は彼女の詳細は言ってないはずだけどな?」


嵌められた!ジョーに嵌められるのはなんかムカつく。


「さ、最近の事で彼女って言ったらアンナがでたからよ!悪い?」


「俺らが何年一緒にパーティー組んでると思ってる」


「たったの3年でしょ」


「う、そう言われたらそうだが…」


「そんな事より、あれがマールの町ね…」


今はかなり離れているが町の上空には飛行型の魔物が飛び回っている。それだけでも異常だ。


「飛んでるのは面倒ね」


「あれは遠距離部隊に任せるしか無いな、それともアリアが行くか?」


「私は下を掃除するわよ、まずは地盤から」


私は乗っている馬ごと振り返り指示を出す。


「町に出る前に作戦は言ったはずだけど、まずは特攻組が門から入り後ろの迎撃部隊が一斉掃射、上空にいる魔物は遠距離部隊に任せるわ。一度攻撃したら門の所まで下がって数匹づつ倒すわよ。全員突撃準備‼︎‼︎」


「「「「「ウオォォォオオオ‼︎‼︎」」」」」


士気は良い、あとは徹底的に潰すだけよ。


「全員突撃!」


私が馬を走らせる。みんなも後ろから続いて走らせる。こういうのは最も強い者が先頭を走るのが良いのだ。

走らせる事1分、初めに気づかれたのはワイバーンだ、あんな雑魚容易い。

私は馬から飛び上がり、「空歩」で走りワイバーンに近づく。


「片手剣五ノ型「一閃」、七ノ型「落花」」


ワイバーンの首をはねる、そのまま横にいるワイバーンも斬り落とした。そのまま私は下に降りて、目前のマールの町に突撃する。

町の中は魔物だらけだ、入った直後横からグリーンウルフが襲って来る。


「分かってるわよ!」


武技を使うまでも無い!続けて周りにいるグリーンウルフ供を倒し終わる。それ後は違う魔物が次々と襲いかかってくるが全て返り討ちだ。

軽く30匹は超えても、まだまだ奥から出て来る。鬱陶しい!

後ろからのハイドパンサーが襲いかかって来たが、私は反応が遅れて迎撃出来ない。

しまった!

だが私に攻撃する前にハイドパンサーの横腹には槍が深々と刺さって居た。この槍は…ジョーの槍だ。ジョーが走って来て、ハイドパンサーから槍を引き抜く。


「1人で突っ込むな」


「ごめんジョー、さっきはありがと」


「ああ、それよりこっちに魔物が気づき始めてる、門の所まで戻るぞ」


「分かったわ」


まだ始まったばかりだ、これから正念場だ。

そう思いながら門の所まで戻って行く。

門の所まで戻って来ると同時に地響きが響いた。


「何!大型の魔物でもいたの!」


「偵察隊はそんなものは居ないと言ってましたが」


いや、十分にあり得る。このマールの町も冒険者ギルドはあった。こんな魔物だらけで、そう簡単に町を落とす事は出来ないはずだ。なら強いのが数体居てもおかしくない。

すると奥から大きな人影が出てきた。


「あれはサイクロプス!?」


「Aランク相当の化け物じゃねぇーか!」


ASOでも出てきたフロアボスだ。あれは私1人では無理だ。


「いや大丈夫だ!私達とBランク全員で行けばなんとかなる」


一体だけなら行ける!この戦力で倒せる範囲だ。

そう一体だけなら倒せるだろう。

奥から次々と巨人の影が見えてきた。


「なに!?サイクロプスが4体!」


まずい!どうする。

すぐに思いついたのはアンナに助けてもらう事だ、私より圧倒的な強い彼女に。


「アルーラの町に早急に連絡をしろ!今の現状と人手がいるから応援を頼むと」


「はっ!」


1人の冒険者が早馬を走らせて、知らせに行った。

これで行けるだろう。後はこちらが耐えるのみ!

周りの冒険者達は肩が震えたりして居たため、もう一度、士気を上げる。


「全員!気を引き絞れ!応援が来るまで耐えるぞ!」


周りの冒険者達は武技を各々構え始めた。

マールの町の奪還はまだ始まったばかりだ。





出来ればブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。

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