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マールの町奪還前日

バーでの騒ぎあと、アリアさんが明日の準備をする為私達と別れた。クズハには此処での話は誰にも話さないように言っておいた。

私とクズハは冒険者ギルドに行き、昨日の残りの素材の買取金をもらいに行った。ソフィアさんはやつれた顔で渡してくれた総額は195800メルだった。高かったのはワイバーンとクサントスとクロワが仕留めて来たハイドスネークだった。このハイドスネークは前にペーダソスを襲った個体で、ペーダソスがキレ気味で教えてくれた。

これの結果私達のランクが上がったそうで、FからEになった。

もう夕方に差し掛かる所だったので仕事は受けずに宿に戻っている途中で、私を探していたシルヴィアと会い、知らない人について行ったら〜〜と怒られながら宿に帰った。


今は1日経った朝の西門の所にいる。アリアさんがマールの町奪還に行くのを見送りに来たのだ。西

西門の周りは冒険者だらけで、人1人探すのだけでも難しい。赤髪だから直ぐにわかると思っていた私が愚かだった。


「はぁ、アリアさんどこにいるかな」


「アンナこの付近には居ないと思います、探知に引っかからないので」


「えぇー、宿には居なかったからどこにいるんだろう?」


宿でアリアさんの部屋をノックしたが反応がなく、ここにいると思って来たのだが。


「拙が探して来ましょうか?」


「ここで待ってたら来そうだけど」


ここから出発の筈だ。時期に来るだろう。


「アリアさんを見送る必要あるの?」


「私の性分なの」


昔から家の方針などできちんとしていた。知り合いが出掛けるのにやらなかったらモヤモヤする。

後ろにいるシルヴィアに目線を向ける。

クズハと喋っているようだ、小さい声で話しているから分からないが、喧嘩はしてないからあの時私が怒って良かったと思う。


(ねぇ、アリアって人はどんな人だった?)


(詳しくは言えないですが、性格は悪く無く、強さは私より少し弱い程度でしたね)


(クズハ程度ってなかなか強いわよ)


(あと主人に脈ありかと)


(え!それを先に言いなさいよ!なんでそう思ったの?)


(主人がかくかくしかじか…)


(そういう事…それで襲っていたからそう考えたと)


(拙はシルヴィアと同じ匂いがしたのでそう考えただけです)


(対処したいけどアンナはアリアの事を悪くはないと思ってる筈だし…)


(拙も主人に殺るなと言われしたから)


(いや殺す以外で考えなさいよ)


(主人の邪魔になるなら排除するのみ)


(それは良い事ですけど、ちゃんと判別しなさいよ)


シルヴィアとクズハはアリアをどうするのかという物騒な事を、アンナに聞こえない小声で話しているのだ。


アンナをそんな事をつゆ知らず、アリアを探していると前から見慣れたおじさんが歩いて来た。


「あっ、ローガンさんこんにちは」


「ん?嬢ちゃん達はまだFじゃ無かったか?」


「マールには行きませんよ、けど昨日Eランクにはなりましたが」


「おぉ早いな。だからか、昨日ソフィアさんがやつれてたの…」


そんな事をローガンさんと話していると、冒険者達の中からアリアさんが出て来た。


「アンナ、朝はごめんね。呼びに来たみたいだけど居なかって、昨日の夜からこっちの宿に移動したの」


「アリアさん、別に良いですよ」


「もう、さん付けは辞めて、私達友達でしょ」


「うん、分かったよアリア」


「ありがと、それでなんで此処にアンナが居るの?」


「アリアを見送りに来ただけだよ」


「そうなのありがとう。着いて来てくれたら良いのに」


「私はまだEランクだから無理だよ」


「またまた、中身はもっと強いでしょ」


その言葉に周りの冒険者達がざわめき始めた。


「あのアリアが認める強さだと!」


「?、どうしたんだみんな?」


「アリアはかなりの自信家なんだ。そのアリアが強さを認める事がこれまでなかった事だ」


「じゃああのちっこい猫の獣人が?」


「あれってアンタッチャブルの少女じゃないか?」


「ギルマスを落としたっていう少女か」


「見た目によらないって事か…」


「だがなんでアリアがEランク奴の事を知って居るんだ?」


「古い知り合いとかかもな」



周りの冒険者煩いな。目立つのはまだ嫌なのに…。


「ごめんねアンナ、じゃあもうすぐ行くと思うから、また今度会いましょ」


「また後日」


さっさと離れよ。めんどくさくなりそうだ。

私達は西門の付近から離れて、そのまま冒険者ギルドに向かった。

道中シルヴィアとクズハがまた小声で話していた。仲良くなったのは良いけど、私も混ざりたいな〜。


(あれがアリアか…)


(主人も好意を持っていますし、あとあと大変になるかもしれませんね)


(対策をどうするかね…)


(殺すのは無理ですしね…)


アンナには話せない事を話していた2人であった。


ギルドに着くとカウンターでソフィアさんが書類の整理をしていた。


「ソフィアさん、何か良い仕事ある?」


「アンナさんですか、アンナさん達に会う仕事ですよね、あるかな………今の所は無さそうです」


「無いんだ」


「そうですよ、アンナさん達が得意な仕事は魔物討伐とかですから、一昨日に狩りまくった人のせいで無くなったんですよ」


「すまぬ」


「すみません」


「ごめんなさい」


それ私達だよね、ソフィアさんまだ怒ってたのか。


「良いですよ、魔物の討伐依頼がない事は逆に平和な事ですから」


流石ソフィアさん優しい。


「だからオススメする仕事は薬草の採取ですね。Gランクの仕事ですが」


「仕方ないし行ってきます」


「はい、行ってらっしゃいませ」


ギルドを出て、クロワ、クサントス、ペーダソスを引き取り、草原へと向かった。


〜草原〜


「いや〜楽だ、鑑定魔法様様ですよ」


「本当にね、どれが何かすぐにわかるわ」


私達は鑑定魔法を使って薬草を取りまくっている。

この薬草は一度に出す量を考えて買い取ってもらおう!


「クズハは鑑定を使えるのね」


「暗殺者としても当たり前の事です」


「クズハは博識だからなんでも知ってるけどね」


「主人より拙は知らない事だらけでまだまだですよ」


「そんな事ないよ、私より知ってると思うよ」


お世辞とかそんなの関係なく。


「主人、拙は主人にそこまで褒めて頂いて嬉しく思います、どうか拙とい「はいはい、早く詰みましょ」」


クズハが喋って居る途中にシルヴィアが話してきたので最後の方何言ってたのか分からなかったな。

クズハは凄く悔しそうな顔をしてシルヴィアを睨みつける。


(抜け駆けしようとするなんてビックリしたわ…、けど止めれたから良かったけど)


(シルヴィア………抜け駆けをしようと思ったのに)


「よし、こんなけ集まったら良いんじゃないかな、一般に売るつもりも無いし」


「良いと思うわ」


「よしそれじゃあ、クサントス、ペダソスこっちに来て」ピィーイ


遠くにいたクサントスとペーダソスを呼ぶ口笛を吹いた。前は出来なかった口笛もこの体だったら簡単に出来る。

2体とも遠くから物凄い勢いで走って来た。


『どうした主人?』


「前からやりたかった事をしたくてね」


『なんなんですか?』


「ふふふ、これを見たまえ」


そう言いながらアイテムボックスからある物を取り出す、この大きさ的にアイテムボックスに入りそうに無いものを。


『これは…』


「これは戦車だよ」


そうアイテムボックスから出したのは戦車だ。戦車と言っても大砲などを打つ方では無く、馬が引く戦闘用の馬車だ。


「これを使ってみたくてね。これの条件が馬型のモンスター二体以上って言うやつだったから前は出来なかったんだよね」


『それで今は2体居るからやると』


「そうそう、しかもこの戦車凄いんだよ!まず引いている馬の属性魔法を戦車に付与出来るだよ!それにスキルも付与出来るんだ、凄いだろ」


この戦車はガチャで当たったもので、引いて嬉しかったが条件が合わない為ずっとお蔵入りされていたものだ。クサントス以外で馬型の魔物は持っていない………当たれよ!


「今日は試しでやってみるよ、あとクロワも後で試したい事あるんだ手伝ってくれる?」


『本当ですかマスター!最近マスターが構ってくれないから寂しかったんですよ』


「ごめん、ごめん」


そのあと戦車を使って色々試して、クロワとの新しい試みも上手くいき、帰るのは夕日が沈む頃になっていた。


--------------------------------------------------------------------


〜???〜


老人が机の上に資料を置いてブツブツと言っている。


「マールでの失敗は指揮官がいない為だな。それで良い!コイツをマールに転送して指揮させるとしよう」


老人は喜びながら資料を直し始めた。


「次はアルーラの町か…冒険者達がこっちに来ているはずだったな。丁度いい、見せしめには使えるな、ふははは」


そう言いながら老人は影の中に消えていった。


--------------------------------------------------------------------


〜王都ソリヤテル〜


この街では夜でも光で満ち溢れている。それでも闇はあり、裏道などでは殆どが闇で染まっている。その一角では剣戟の音が響いていた。


ガギィリリリ


「はっは!いいね、お前!」


男は両手剣を持ち、相手に斬りかかっている。

相手は大太刀で総対して両手剣を弾き返した。


「おおっと、弾き返されるか、良いね。お前マントとって顔でも見せてくれよ」


相手の格好は全身をマントで隠した格好だ。こっちの男の方は一見普通の服に見えるが、全てがなかなかの素材で出来ている。


「…対象18…『月』と思われる….」


「やっぱり分かってるのか、尚更その顔を拝みたいよな!」


男は圧倒的速さで近づき腹を斬ろうとする。


(とった!)


剣を振るう時に、相手は小声で何かを言った。当たるその瞬間、相手は消え男の腹から刀が生えていた。


「なに…がふっ」ドサッ


男は片膝をつき、後ろを見る。そこにはさっきまで前にいた相手がいた。


(単位系の魔法か!侍じゃねぇーのかよ)


「…他の奴の事…言う…」


「テメェ女か?」


「…質問に質問で答えるな…他はどこ…」


「おいおい、舐めんじゃねぇーぞ」


男は振り返りながら剣を振り回し上から振り下ろして相手に当てようとする。

が、受け流され剣は地面に直撃する。


「…煩い…」シュインッ


「なっ!」


相手が大太刀を振るった直後、男の体から腕が離れた。


(見えなかったぞ!コイツはヤバイ!)


男は立ち上がり後ろに少しずつ下がりながら投げるタイミングを計った。


「…逃げるな…」


直後男の動きが止まる。


(これは、時空系統の魔法!?こんなの使える奴は殆どいねぇーぞ!)


全く動けない状態で相手が近づいてくる。


「…他の奴ら…どこ…」


「すまんな知らんガハッ」


男は腹を思いっきり殴られたのだ。


「…もう一度言う…どこ…」


「はぁ、はぁ、知らねぇゴハッ」


「…どこ…」


「………知るか」


「…もういい…死ね…」


相手は男の首を瞬時にはね、一瞬にして命を刈り取った。大太刀から血を拭き、鞘に戻して男の死体に近づく、その目は冷え切っていた。


「…残り20…」


相手は男の死体を担ぎ闇の中へと消えて行った。





次の日の朝

川に自体があったと大騒ぎになった。その死体には顔が無く他殺として、騎士団が動いているが、犯人はまだ捕まっていない。


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