初仕事①
やっと戦闘シーンです。戦闘と言っていいのか…
私達は今冒険者ギルドの受付に来ている。
登録してから3日経ってから初仕事とはこれいかに。
そう思いながらもソフィアさんの話を聞いている。
「では、ゴブリン五体の討伐の依頼を受注しますね」
「ちょっと緊張して来たよ」
「ゴブリン狩るだけじゃない、アンナはもっと強いの狩っていたわよ」
「アンナが緊張する要素は皆無です」
「緊張なんてしないでしょうに」
なんで!私の初めての仕事だよ!緊張しなくてなにが私か!
「皆さんは東門から森に入るんですよね?」
「その予定ですが?」
「そっちなら大丈夫です。反対の西門に向かわれる人は止めなければいけないんです」
「何かあったんですか?」
「はい、アルーラの町から西に行くとマールの町があるんですが、そこが魔物に占領されました」
「それってヤバいじゃないですか」
魔物が占領!?町が無くなったのとほぼ一緒じゃないか。だから西門からの出入りを厳しくしてるのか。
「いまこの町にAランクの冒険者達を招集しています。その方達とB、Cランクの冒険者達でマールの町の奪還をします」
「じゃあ、私達じゃ無理だね」
「ギルド長が最悪呼ぶかも知れないとは言ってましたが」
そんな事は聞いてない事にしておこう。けどAランクの冒険者は見てみたいな。
「凄く嫌そうな顔ですね」
「アンナは顔に出やすいわよ」
私って顔に出やすいんだ。ポーカーフェイス鍛えよう。
「そ、そんな事よりなんで魔物が町を襲ったの?」
「今のところ判明していません。スタンピードが発生した可能性が1番高いですね」
スタンピードか…久しぶりに聞いた。魔物が一斉に襲ってくるのなんて、ASOで乱獲祭をやった時くらいだな。今じゃ一瞬で踏み潰されそうだけど。
そんな変な事を考えていると、シルヴィアが話を続けた。
「それってこっちにくる可能性があるから、今のうちにあっちで処理するのよね?」
「はい、そうですね。町を狙って襲っているならこちらにもくる可能性がありますので」
「狙って?」
あっ、言っちゃった。みたいな顔になってるけど、ソフィアさん?
「そんなに睨まないでください。言いますから」
「誰かが操ってるの?」
「いえ、さっきも言った通り分からないんです。けど、ギルド長がそれは考えておけって言われたので」
「過去にそんな事例があったの?」
「あったらしいです。私もよく知らないんですが、違う町を魔法士が魔物を操って襲ったらしいです」
「今回もそうかも知れないか…」
「襲う意味が分からないね」
意味が分からない。やってもメリットが無い気がする。
それにシルヴィアが答えた。
「人のやる動機なんていっぱいあるわよ、恨み、嫉妬、復讐、支配、欲望、数えたらきりがないわ」
「そう言われればそうだね」
今更だが人ってなかなか怖いな。幽霊とかより実態ある分現実味が増す。
「今のところは大丈夫なので、何も気にせず仕事に行ってらっしゃい」
ソフィアさんが私達を追い出すように言って、カウンターの奥に入っていった。
「逃げられちゃった」
「まぁ行きましょ、ゴブリン五体なんてすぐでしょ」
「常時以来の方でゴブリンのツノ×100メルでやってたよね」
「あまり美味しく無いわね。違う魔物も狩って行きましょ」
私達はカミーユさんの所に行き、クロワ、クサントス、ペーダソスを回収して今は東門のところに来ている。
「久しぶりだな。ずっと来ないから再入場料払ってもらうところだったぞ」
「アルノルトさん!久しぶりです。これお返しします」
3000メルを返した。
借金は残したく無い。あとあと面倒くなりそうだ。
「早いな!3000となると結構働かないといけないが」
「持ってたグリーンウルフの素材売ったら返せる料金になったんです」
「そうなのか。そういえばその装備はグリーンウルフのだったな」
「今からゴブリン狩に行くんですがね」
「グリーンウルフより弱いゴブリンか、余裕だろうな」
「他にも狩ってくるつもりですが」
「そうか、頑張って来てくれ」
そのまま森の方向にクサントスに私とシルヴィアが、ペーダソスにクズハが乗って移動した。
「木が自動で避けてるみたい」
「森をこの速さで走っても木に全く当たらないなんて…」
『ははは、主人は前から乗っていただろう』
「前から乗ってたけど森は走ったことないよ」
普通無理だと思うもん。このスピードで森を走るなんてあり得ないよ。
あっ、ゴブリンがいた………汚ねぇ花火だ。
何が起きたかというと、クサントスが風の弾を高速で打ち出し、ゴブリンの頭を吹き飛ばしたのだ。
『あれで良かったのだろう、主人よ』
「ツノ残ってるかな?」
良かった残ってた。結構硬いから残るのな。
「クロワに解体してもらった方がいいと思うから、今度からは体に当てて」
『了解した』
「主人、ここからは手分けして狩りましょう」
「そうしようか、クズハはアイテムボックスじゃなくて、アイテムバッグ持ってる?」
「はい、いると思い持ってきました」
アイテムバッグ、NPCキャラが自分のアイテムなどを代わりに持ってくれる為のバッグ。容量はアイテムボックスの方が多いけど。
「それはいいことだけど、みんなと同じ様に、普通に喋ってよ…」
「くっ…,頑張ります」
「クズハはちゃんと出来る子なんだから」
褒めれば出来る様になるかな?
まぁそれはさておき、どう分けるか。
この森は初心者の森と呼ばれるくらい出てくる魔物が弱い。私達が別れても問題ないだろう。
「私とペダソス、シルヴィアとクズハ、クサントスとクロワで分かれるのでいい?クズハとシルヴィア以外は意義を申しても良い」
「そんな!主人、何故ですか」
「そうよ!なんでよ」
「仲悪いから」
「「うぐっ…,」」
2人とも痛い所を突かれた様な顔をしている。
まぁこれで仲良くなってほしい。
「2時間後にここに集合ね。さて、別れて狩りを始めよう。ペダソス行くよ」
『分かりました主人よ』
さっきまで進んでいた方向より少し左の方へ進んで行く。みんなも別々の方向に行ってるようだ。
ペーダソスと2人っきりはあまりないと思うし、いい機会だからペーダソスとお喋りしよう
「ペダソスはクサントスと走ってどうだった?」
『凄まじいですね。先程も私の速度に合わせてくれてましたし』
あっ、ホーンラビット………焼け焦げた。
回収、回収っと。
「やっぱり凄いのかクサントスは」
『そうですよ、主人はもっと凄いと思いますが』
横からゴブリンが出てきた。邪魔!
私の前に現れたゴブリンは頭と体が別れた。
「そうかな、こんなちっちゃい女の子だよ」
『その女の子が一瞬でゴブリンの頭と体を分けたりしますからね』
回収、回収っと。
またゴブリンが出てきた………焼け焦げた。
回収、回収っと。
「それはみんな出来るよ」
『クサントスさんに主人の事を色々教えてもらいましたし』
あっ、ジャ◯ーだ。首を落とす。
回収、回収っと。
「えっ、なんて言ってたの?」
『主人の戦歴を教えてもらいました』
私の戦歴?ゲームでのか。けどそんなにクサントス連れて行ってないよね?道中までは一緒だったけど。
ドス◯ャギーも出てきた………焼け焦げた。
回収、回収っと。
『ドラゴンをお一人で倒したとは本当ですか?』
「そんなこともあったな〜」
言ってもあのドラゴンは雑魚かった。面倒なのは竜王クラスだ。あれを単騎で行くのは厳しすぎる。
『本当に倒したのですか!』
「倒したのはただ火を噴くしか脳がない雑魚ドラゴンだよ」
あのドラゴンは体力が半分以下になったら、ブレスばっかりになるから逆にパリィしやすくて楽だった。
おっと、ゴブリン五体か…もう二体が焼け焦げてる。さてやるか(大太刀五ノ型「一閃」)っと、これで頭無しの出来上がり。
回収、回収っと。
『それでも凄いですよ。ドラゴンなんて普通は倒せませんから』
「そうかな?シルヴィアとかでも倒せると思うけど」
『シルヴィアさんですか?』
「クズハなら余裕だと思うし」
影が通り過ぎた。
空に何かいるのか?
あれってワイバーンか。狩るか。
空を悠々と飛んでいた5mはあるワイバーンだ。
私は居合の状態で膝を曲げる。
「身体強化、豪腕、神速、空歩、消音、サンダースピード、アンナ流居合五ノ型「空覇」」
ワイバーンが飛んでいる真下から一直線に飛んで下から首を切り落とす。
ワイバーンは何が起こったか分からずに、頭と体が別れて行った。
「あ〜、ちょっと欠けちゃったかも」
あのワイバーン少し硬かったな。初期装備の大太刀じゃダメだね。
空歩を使いながら降りる。
すんな事を思っていたら地面に着いた。
それより先ににワイバーンの死体が私の後ろに落ちていた。
『主人!ビックリしましたよ。いきなり空に飛んで行くんですから、これって空飛ぶトカゲじゃないですか!』
「さっき話してたドラゴンの劣化版のワイバーンだよ」
『一瞬でしたよね』
「不意打ちで楽だったけど刃が欠けちゃった」
『強いと思うんですがねこれ。飛んでたの30m以上はあったでしょうに…』
それからはペーダソスの質問に答えながら狩りを続けていった。
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