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夜の惨状

私達はアールラの町に戻って、ギルドに報告しにきている最中である。

何故か目の前にいるソフィアさんは頭を抱えていた。


「えっと、アンナさん達は今日は仕事をしないんでしたよね?」


「外に行かないとは言ってない」


「まぁ言ってないですが、それでもです。スレイプニルを連れてくるなんてどこ行ってたんですか!」


「アルーラの町から出てペダソスで10分行った草原」


「ペダソス…サンダーホースですか。あれで10分と言われましてもどの距離か結局分からないですか」


「スレイプニルそんなに欲しいの?」


「まだ人に懐きやすい魔物ですからね。移動手段の内ではトップクラスの馬ですよ」


「それは残念、あそこに他のスレイプニルは居なかったわよ」


「まずアルーラの町の外の草原にスレイプニル自体いる事がおかしいんですがね」


馬ならそこが1番適所だろうに。


「スレイプニルは森の中に住んでいるんですよ。草原なんて殆ど出会さないですよ」


「私達、運が良かったんだね」


「アンナは運が良いからね」


「本当に凄いですよ…で、あなたは…」


「拙の名か?拙はクズハという。アンナさ…散策して居たら丁度草原であったのでな」


「クズハは私達と一時期一緒に住んで居た中です」


「そうなんですか…ギルドカードを持ってないんでしたよね」


「ああ、持っていないから作りにきたんだ」


そう、クサントスのギルドの登録とクズハのギルドカードを作りに来たのだ。


「模擬戦闘をしますが…アンナさん達と同じなら大丈夫ですか」


「私より強いよ」


「アンナさ…さっきは強いと言っていましたよ」



「ふふ、アンナさんは強いですよ。そうだ、丁度ギルド長が居ないんですよ、だから相手の方が居なかったのですが、アンナさんやってみませんか?」


「え?クズハと戦えと?」


「はい、ある程は私も見れますので、強さが大体分かればいけますよ?」


「私とギルドマスターが戦った時見えてた?」


「あんなの見れる訳無いですか!」


「じゃあやめといた方がいい。違う人を探して来て」


「そうなんですか…それなら………あっ、ローガンさん今暇ですか?」


後ろのテーブルにいたおじさんに声をかけた。


「俺か?暇だが…おいおいお嬢さん方はあのアンタッチャブルじゃねぇか」


え?なにそれアンタッチャブルって、触れるな危険って意味だったよな。


「そうですよ。そこにいる彼女の模擬戦闘をして欲しいんです」


ソフィアさんはこの人を模擬戦闘相手にするようだ。


「ギルマスは?」


「ギルド長は只今お出掛け中です」


「ねぇ?今更なんだけど、ギルドマスターとギルド長ってなんで呼び名2つもあるの?」


ずっと気になってた。どっちかに搾れよ。


「大体はギルド職員がギルド長で、冒険者がギルドマスターですかね?」


「最近は冒険者でもギルド長って言ってるがな」


「へぇー」


結局どっちでもいいのか。


「で模擬戦闘相手は誰なんだ?」


「拙でございます」


ローガンさんがクズハをじっと見る。10秒ほど見てため息をする。


「はぁ、俺より強いだろあんた?」


「あなたがどれくらい強いのか知りませんが、拙は勝てると確信しています」


おぉー凄い!初めて相手の力量を見れる人を見つけたぞ。ローガンさんやるな。ソフィアさんはやっぱり驚いてる。この人最近驚きすぎでは?


「えぇーどうするんですか!ローガンさん以外でBランク以上って誰も居ないんですが」


「ローガンさんBランクなんだ」


「お前さんは………分からんな」


「え?」


何が分からないんだ?


「強さだよ。この3人の中で1番弱い気がするがリーダーって事は強いんだろ?」


ああ、なんだそんな事か。


「強くなくてもリーダーは出来るよ」


「「「アンナは強い、です」わよ」に決まってます」


「はもって言ってるが?」


「弱いよ」


装備整えたら勝てる確率が出てくる。それ以外は無理だな。


「はぁ、もういいです。クズハさんは仮ギルドカード作ります。ギルド長が帰ってきたら模擬戦闘しましょう」


「クズハがいいならいいけど?」


「アンナに時間を割いてもらう必要はありません。仮のカードで良いですから早くください」


「はい、分かりました。クズハさんは付いてきてください」


そしてクズハのカードが出来て、草原の行きで狩ってアイテムボックスの中にあった魔物の素材を買い取ってもらい、ソフィアさんをまた驚かせてた。買取金額は15000メルで昨日の倍近くなった。クロワとペーダソス、クサントスをカミーユさんに預けて宿に戻った。カミーユさんに預けた時に「君たちは凄いよ!私の好奇心を毎日刺激してくれる!」と言っていたなぁ。

宿に着いてマリネさんに私達の部屋を3つに分けてもらった。シルヴィアは凄く嫌そうな顔をしてたけど。

そのまま1階で皆んなでご飯を食べて個室に戻っていった。

そして今は1人でベットの上で考え事をしている


「不思議な事が多すぎるんだよな…」


1つ目に私が死んだ直後のクラス転移。タイミング良過ぎない?まぁこれはタイミングが良かったと考えてるが。


2つ目に女神スティファ様が言っていた転生場所と全く違った事だ。普通女神様が間違えるかな?


3つ目にこの体だ。女神様が私に合った体に転生すると言っていたはずだ。普通なら男性の体だと思うんだが…まぁこれは私がVRMMOやっていて、慣れていると言えばそうだが…。


4つ目にもう1人の私、アンネだ。アンネはいつから私の中に居たんだろうか…奏人の時からか?

それに多分だがアンネはこちらの住人だった可能性が高い。全部終わらせてって言う事は、こちらの世界で何かあったのだろう。分からないが。


5つ目に深淵のダンジョンについてだ。ソフィアさんに聞いたところそんなのは知らないと言われた。私が知らないだけで他の人が知ったいるかもと言っていたが、それはあまり無いだろう。シルヴィアの話では森の中の塔らしい、そんなのが目立たないはずがない。ギルド職員のソフィアさんが知らないとなると存在事態あるのか怪しくなってくる。


6つ目が召喚の事だ。クズハ達は掃除して居て、私がログインするのを待っていた感じだ。ゲームの中だけ時間が進まない事は無いと思う。ASOは現実と殆ど一緒の時間を過ごせるゲームだ。イベントで現実で1時間をゲームで1日にした事はあったが。それらを踏まえて考えたらこっちのミドアと、地球とでは時間の進み方が違う可能性がある。こっちの方が早い感じだ。ミドアでの1日が地球での何時間になるかは知らないけど、早く地球に戻る方法を見つければ、私が死んだ数時間後の地球に戻れるかもしれない。

だが、死んだ私が地球に戻っても良いのだろうか。それを考えてなかった!どうしよう、スティファ様に止められるかもな。それはそれでいいか、ミドアでシルヴィア達と一緒に暮らせば。


「あーもう、頭疲れるからもう寝るか」


ベッドに横になる。

今日も色々な事があったな…。

シルヴィアとクズハは仲良くやっていけるかな。私が注意したらいけそうだったけど…。

マリネさんの料理は今日も美味しかったなぁ。

明日も朝からマリネさんの料理を食べれる。

今日の晩ご飯は牛のステーキとサラダ盛り合わせに特性ドレッシングだった。あの特性ドレッシング美味しすぎるんだけど…。ステーキも柔らかくて美味しかった。異世界的に美味しく無いものだと思っていたが、以外に美味しいものだ。他の店は違うのかも知れないが。

……………………………って、


「全然寝れない!」


最近普通に寝るのが無かったから、普通に寝るのってどうするんだったか忘れたよ。

うぅ〜どうしよ、一昨日までの事思い出したら、少しせつなくなってきた…………。


「…はぁ……はぁ……はぁ…」


どうしよう………。


--------------------------------------------------------------------


〜シルヴィア視点〜

はぁ、今日からアンナと別々のベッドに寝ることになったわ。アンナの抱き枕が欲しい。アンナの事を抱きしめて寝るのは本当に気持ちいい。耳や尻尾はフサフサで、髪もサラサラしてるしなぁ〜。


「アンナが欲しいなぁ…」コンコン


だれ!?、この部屋をノックする可能性があるのはアンナとクズハだけね。アンナが良いけどなぁ…。もう寝てると思いし。

そう考えながら開けると、ドアの先には枕を持ったアンナがいた。


「どうしたのアンナ?一緒にトイレでもいって欲しいの?」


トイレは1階の奥にあるはずだ。

アンナは首を横に振った。アンナを見ていると息遣いが少し荒いのが分かった。


「大丈夫?」


アンナの顔を覗き込む。顔が赤くなってる。


「風邪でも引いたの?」


そう聞いたらアンナに手を掴まれて、私の部屋の中に引き込んで、ベッドの上に倒された。

アンナはこんな事しない。どうしたの?


「アンナどうしたの?」


アンナはベッドの上で私の上に馬乗りになり、私の腕を掴んできた。

え!嘘、引き剥がさない!力はこっちの方が上のはずよ!


「あなた誰!前に出てきたベヒモスを倒した方かしら?」


あれがアンナじゃないのは分かっている。それでもステータスは同じはずなのに、引き剝がさないなんて。


「違うよ…私は私だよ」


「……アンナ?」


今のアンナの赤い目は肉食動物が獲物を見据えた目をしている。この感じ何処かで聞いた気が………。あれか!


「まさか発情期!?」


獣人族は月に一度に発情期があるらしい。今のアンナはそれか!


「ふふ、シルヴィア美味しそう。私もやられたんだからやっても良いよね」


え、あの事バレてた?


「ごめんなさい、あれは出来心でついやっちゃったのよ。アンナの顔が可愛くてつい」


「へぇ〜。私は何のことか言ってないけどね」


あっ、騙された。


「ふふふふふ、あれはワザとだったんだ。じゃあやられても文句は言えないね」


どうしよう!アンナに初めては奪われるのは嬉しいけど、こんな感じは嫌だわ。


「落ち着きましょ!あなたは冷静じゃないわ、まずは水でも飲みましょ」


「………そうだね水でも飲もうかな ………」


あれ、結構行けますわね。水を飲んでくれたら落ち着くでしょう。


「そこの取っ手の所に水がありますから行きましょうむ〜〜〜!」


えぇぇえ!?いきなりのキス!?水ってそっちですか!あっ、口にアンナの舌が入ってきた。凄い吸われている感じがする、舌で口の中に舐められるの感じる!ジタバタしてもアンナ全く動かない、あぁ力が抜けていく…。


「シルヴィアの水美味しいね………ペロリ」


「…それは……どうも……」


全然力が入らなくなった。ヤバイですわ、アンナがキスだけでもここまで上手いなんて。


「次は下の水でも飲もうかな…」


「下!?だ、ダメですわ。アンナ、ダメですわよ!」


今の状態でやられたら絶対にヤバイ事になる。


「大丈夫……私が全部飲んで、あ・げ・る」


獣人族の発情期ってヤバイですわね。仕方ない。付与魔法で眠らせますか!


「スリーピング」


これで終わりだ。あとはアンナを元の部屋に持っていくだけよ。


「さてアンナを退けて………」


あれは腕の外れない?眠ってても握力強過ぎない?まさか…。


「今の私に状態異常は効かないよシルヴィアちゃん」


「マジですの…」


「マジだよ」ニタァ


今の顔でその笑顔はただの恐怖の顔ですわ!


「そうか!下よりまだ真ん中があったね」


「え?」


「シルヴィアのは私より大っきいし、いっぱいお水出そう」


それはマズイ。てか出ませんわ!


「出ないですから!早く手を離さないと魔法を打ちますわよ」


「私の事そんなに嫌い?」


うぐっ、それを今言いますか!あっ、私も同じことしましたね。


「じゃあいただいきます、あーパク」


「んんっ!!」


何でこんなに上手いのよ!舌使いが上手過ぎるわ、もうダメ!


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


「ご馳走さま、あーあ、こっちが漏れちゃった…けどまだまだ時間あるからいっぱい飲めるね」


「…もう…やめて……」


「ダメ、私もやられたんだからその分やり返さないと、ね」


こうして私の長い夜が始まった。



--------------------------------------------------------------------


〜アンナ視点〜


「ふぁ〜、勝手に寝てたか…」


昨日は色々考えてる内に寝てしまったようだ。久々の熟睡で体が軽いな。


「さてシルヴィアはまだだと思うからどうしよっかな。クズハにでも会いに行くか」


ドアを開けて出て行く。確か私の右隣だったな。一応ノックしておこう着替えてるかもしれないし。


コンコン「アンナだけどクズハ起きてる?」


反応がない?あっ、こっちに来る音が聞こえる。

ドアが開くとそこには、赤色の髪の綺麗な女性が薄着の格好で出てきた。


「え?」


誰?この人、クズハの知り合い?


「どうしたの?ここはクズハって人はいないけど?」


「え?」


「部屋を間違えたと思うわよ。ふぁ、昨日は騒がしくて寝れなかったから今から寝る所なの」


「すみません、間違えたようで。もう一度見てきます」


「じゃあね」


え、えぇ?何で?私部屋を間違えたの?私の部屋から左だったかな?

考えていると、私の部屋の左斜め前の部屋からクズハが出てきた。


「主人どうかしましたか?」


「あれ?今どこから出てきたの?」


「?、私の部屋からですが?」


んん?斜め左だったよね………この向かいの部屋ってシルヴィアの部屋だよね。

そう思いドアを開ける。


「………私の部屋だ」


じゃあ私はシルヴィアの部屋で寝ていたという事?じゃあシルヴィアは?

ドアを開けるが私が起きたベッドの上には誰も居ない。


「シルヴィア〜どこにいるの?」


反応がない。やっぱりいないよね。そう思い出て行こうとすると物音が聞こえた。


「……っ……」


「シルヴィア?」


どこだ?あっ、ベッドの裏か!


ベッドの上を通り上から見てみると、シルヴィアが倒れていた。しかも裸でだ。


「シルヴィア!?どうしたの?何があったの?」


凄いシルヴィアの体中キスマークだ。誰が………まさか私?


「え、ちょっと待って私シルヴィアの部屋に来た覚えがないんだけど!?」


「主人よ、これは主人のですね。間違いなく」


そう言いながらクズハは一本の毛を持っていた。


「髪の毛?」


「いえ、違います。これは猫の獣人の尻尾の毛です」


クズハは暗殺者の為色々な事を知っている設定にしてある。


「それは本当に?」


「えぇ、見慣れてますからこれは主人で間違いないです。しかもここで起きられたんでしょ?」


「シルヴィアが抱き枕として、私を持ってきた可能性があるよ」


「主人よ、昨日の夜の事覚えてる所はどこまでですか?」


「昨日はならないと思ってたら、一昨日までの事思い出して………せつなくなってから思い出せない」


あれ?何してたんだっけ、なんか夢で水が…何だろう。


「主人、まずは服を着せて、ベッドで寝かせないといけません」


「そ、そうだね」


急いで服を持ってきて、シルヴィアを着替えさせてベッドに寝かせた。


結局シルヴィアは今日丸一日起きることはなかった。





一応ですがアンナは元から目が赤いです。


出来ればブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。


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