テンプレ
昨日は1日中寝ていた。朝起きて女将さんに朝ごはんを貰いに行くと、昨日の分の夕飯代を渡してきた。別に良かったのだが。朝ごはんは野菜たっぷりのスープと目玉焼き、牛乳だった。あのスープめちゃくちゃ美味しい。レシピを教えて貰いたかったなぁ。女将さんに名前を聞いたらマリネだった。
1人で食べている時に考えた事は、目標を作る事だ。今の時点では色々目標が出てきたが、最終目標を元の世界に帰る事にした。シルヴィアも元の世界に連れて行けるなら連れて行きたいし。勿論シルヴィアが嫌がれば別だが。それをするにはシルヴィアに私の秘密を教えないといけなくなる。
伝えるつもりはあったが、まだ早い気がする。もう少し親密になってから教えよう。
1人で考えているとシルヴィアも起きてきたので、朝ごはんを一緒に食べた。シルヴィアは昨日よりスッキリした感じだ。
「今日はどうする?ギルドに行って仕事する?」
「精神が荒れていたら魔法は失敗しやすいから仕事は明日からにしよう。アンナも昨日泣いていたでしょ」
「ゲホゲホ、なんで知ってるの!?」
「見たら分かるわよ」
「マリネさんとかにもバレてたのか。恥ずかしい…」
「マリネさん?は知らないけど、他人は分からないわよ。分かるのは私だけ」
「よく分かるよね」
「いつも見てるじゃない」
何今の笑顔凄く可愛い…。惚れるってこんな感じなのかな。ダメだ、女子が女子に惚れてどうするんだよ。シルヴィアに失礼だよ。
「じゃあ今日は冒険者ギルドに行くのは予定してるから、行ってからはどうする?」
「街の散策でもする?」
ん〜ん、何かやろうと思ってたんだが…。そうだ!
「召喚魔法を使って呼び出す事ができるかやってみよう」
「クロワ達を呼び出すの?」
「出来るか分からないけど、私が昔飼っていた従魔を呼んでみようかと」
「記憶思い出したの?」
「うん、確か居たはずだから出来るか分からないけど」
「へーぇ」
これで今日の予定は決まった。
--------------------------------------------------------------------
〜アルーラ冒険者ギルド〜
昨日とは違い中は凄く賑わっていた。冒険者が掲示板に貼ってある仕事を見て、カウンターに行き、発行してもらう感じだ。
「人がいっぱいだ」
「あそこにソフィアさんいるわよ」
ホントだ、空色の髪だからすぐに分かる。
人を掻き分けて、ソフィアさんの所に行った。
「おはようございます、ソフィアさん」
「あ、いらっしゃいませ、アンナさんとシルヴィアさん。今日は仕事をするんですか?」
「今日はするつもりはないんです。ちょっと用事が出来て」
「そうなんですか。早くランク上げて強いの倒さないと」
「無理ですよ。はは「嬢ちゃん、邪魔だぞ」」
おっと、人が来たか。
「すみません。ソフィアさん、ではまた明日」
ソフィアさんはウィンクで返答してくれた。
「さてと行きますか…あんたらなに?」
振り返って行こうとすると見た感じ馬鹿みたいなバカどもが立っている。
「おいおい、ガキがこんな所で何やってんだよ。その武器使えねぇだろ、俺が有効利用してやるから寄越せ」
真ん中はバカだな。モヒカン野郎が。
「ホントだ。身長と同じ武器なんて使えるわけないだろwww」
ほら、こいつもバカだ。相手の力量を読めないなんて馬鹿丸出しだ……私、見た目子供だったな。
「お前ら、まさか冒険者になりに来たのか?プププ、そんなんでなれるかよw」
なってるよ。過去形だよ。てか煩いな、周りの人に迷惑だろ。
「はいはい、煩い煩い、分かったから、邪魔だから私達が通る道からどいてよ?」
「あぁ?舐めてんのかこのガキ」
「舐める?貴方の何処を舐めても美味しくなさそうだわ」
流石シルヴィアさん煽るのは超うまい。
「いいだろう俺が潰してやるよガキが」
真ん中のモヒカン馬鹿が片手剣を取り出す。
それを見てソフィアさんはたまにかかる。
「やめなさい、貴方達ギルド内での暴行行為は罰せられるわよ」
ほら、ギルドの人が言ってんだから引け、ほら。
「チッ、ギルドの外に出たらどうなるか分かっとけよ」
そう言いながら馬鹿3人は歩いて行った。
「はぁーめんどくさ」
テンプレだけど、自分の身に降りかかるとめんどくさい事がわかった。
「シルヴィア、あいつらどうする?」
「放っておいていいわよ。じきに病院で寝てるわ」
「え?それって「大丈夫ですか!」」
ソフィアさんが割り込んで来た。
「そんな焦らなくても私達が無事なことぐらい分かるでしょ」
「違うんです。ギルド長にアンナさんとシルヴィアさんに喧嘩売って来そうな馬鹿に連絡しとけって言われてたのに、こんな事が起きてしまったので、すみません」
「まぁ今の所問題ないですし、あれぐらいなら簡単ですよ」
1番マシそうな真ん中のモヒカンのステータスを鑑定魔法で見た結果がこれだ。
--------------------------------------------------------------------
名前:ギール
種族:人間族
職業:剣士
レベル:15
HP:450
MP:30
STR :214
VIT :180
AGI :140
DEX :90
INT :30
スキル
身体強化lv1、恐喝lv1
パッシブスキル
剣術lv1
--------------------------------------------------------------------
いやこれで私に落として来たのが、逆に面白いわ。単なるカスだ。
けどソフィアさんは心配している。
「そうですか。えー今いる冒険者の皆様!この猫の獣人のアンナさんと、エルフのシルヴィアさんに手を出した場合、アルーラのギルド長、グラートさんが自ら処罰しに行くそうです!」
えーあの人過保護すぎない?まさかロリコン?
ソフィアさんの話を聞いていた冒険者達はざわめき始めた。
「マジか。あの鬼才自ら動くとは」
「鬼才に処罰されるのはごめんだな」
「おいおい、さっきの奴ら死んだぞw」
やはりギルドマスターは強いらしい。てか皆んななんでギルド長って言ってるんだろう?
それに合わせて冒険者達は、私たちの事にも興味が出てくる。
「彼女達は何なんだ?」
「鬼才を動かせるくらいだ。ヤバイ人達だろう」
「ちゃんと見たら、どっちもめっちゃくちゃ可愛いよな」
「エルフの方はもともと顔立ちは良いと思っていたが、あの黒猫の女の子も可愛いな」
「本当だ。可愛いな」
なんか凄い言われているな、背筋がゾクゾクする嫌な視線だ。てか目立っちゃったじゃないか!
「シルヴィア早く行こ」
「コイツら……やろうかしら」
「え?なに?」
「何もないわよ。アンナ早く行きましょ」
さや歩きで出口へ向かう。みんなどいてくれるから行くのが楽だ。あ!アイツら外にいるんじゃあ。
「シルヴィア、外にあの馬鹿どもいるかも」
「いても大丈夫よ。もう倒れてるから」
シルヴィアはそのまま外に出た。私も続いて出るとそこには馬鹿どもが泡を吹いて倒れていた。
「馬鹿は死なないと治らないのは知っているけど今回は殺してないわ」
(本当はアンナの事を馬鹿にしたから殺したかったけど)
「う、うん殺さない方が良いよね、それで何をやったの?」
「パラライズをディレイ効果でやっただけよ」
流石シルヴィア、付与魔法全く見えなかった。
私達は横倒れてる馬鹿どもを超えて歩いて行った。
その一部始終見ていた冒険者達が話し合っていた。
「何だあれは?いきなり失神してぶっ倒れたぞ」
「魔法だろうな、パラライズか?」
「ギルドの中から外にか?無理だろ」
「やってるんだがら無理なもんは無いだろ?」
「俺は魔法士だから分かるが、相手の事が見えてないと魔法は当たらないぞ。しかも魔法が見えなかった」
「マジックアイテムでやったのかも」
「それでも無理だろ」
「ギルド長が処罰に来るより先にああなってそうだ」
「彼女達に手を出すなって俺たちの身の危険の為か」
「ギルド長はただの牽制であって、彼女達に手を出したらもっと酷いことになるって事か」
冒険者達はアンナ達には手を出してはいけないと再確認した。
出来ればブックマークと下の評価ボタンを押してください。執筆が捗ります。不備な点があれば感想にて優しく教えてください。よろしくお願いします。