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意外なメンバー



今日やる8試合全てが終わり、観客達が帰って行く観客席でアンナとスイゲツはみんなが帰ってくるまで待つ事にした。


「まぁ、予想通りアリアが勝ったね」


「あやつが持つ「混沌」が強いからな。お主は持ってないのか?」


「持ってはいたけど……あのコレクターに取られたよ」


「あぁ…あいつか」


2人は迷惑わがままボクっ娘少女を思い浮かべて、色々あったと溜息が出る。


「あいつは呼ぶのか?」


「………みんな呼んでるのに1人残すのはねぇ……」


「だが、あいつなら呼ばなくても次元を超えて来そうではないか?」


「………出来そうだから怖い」


「流石にあいつでも無理だろな」


「そうかな……」


簡単にこっちに来る光景が思い浮かぶ。

今後呼ばないでいると本当に想像通りに来そうだ、早めに何とかしないとな。

そう思いステータスで召喚魔法の空きを見てみると、何故か封印状態になっていた。


「あれ?何で?」


「どうした?もう敵が来たか?」


声を出して驚くとスイゲツが周りを警戒し始める。


「待って敵じゃないよ、 私のスキルが封印されてて……」


「リヴァイアタンの能力でスキルが封印されたんだろ?」


「それか…」


あれ?この召喚魔法とか使った覚えがない。何でだ?

1人で頭をひねっているとスイゲツが何かを思い出したようだ。


「そうだ。お主の眼はどうなんだ?」


「眼?……ああ、左目のことか」


以前の赤い眼と違い、金色で瞳が奥に続いていっている特殊な左目になっている。


「そう、その眼だがお主は能力を使えるのか?」


「さっきスイゲツがクロワを助けている間、外で待ってこの眼の事を知ろうと思って色々やってみたんだけど出来なかったよ」


「確か我と戦った時に使っていたな……憶測だがクロワが無理矢理の能力で無理矢理使えたかもしれん」


「そんな事普通出来るの?」


「特殊なスキルと考えたら出来るだろう。人の表れていないスキルを引き出すスキルとかな。まぁ、クロワが起きたるのが手っ取り早いがな」


「そうだね……今クロワはどうなの?」


「もう回復は終わってるんだが、まだ目が覚めてないんだ」


「じゃあ、他に何か問題が?」


「うーん………分からん。何が問題なんだろうか……」


スイゲツは頭をひねりながら悩んでいる。

スイゲツがここまで悩んでいるのはそう見たことがない。

このままではクロワが起きるまでずっと考えそうだ、ここは話を変えないとな。


「まぁ、分からないものは仕方ないよ。それより、この後の事だけど…」

「おーい!アンナ〜!」


この後の事を話そうとした時に人が少なくなってきた観客席の下の方から呼ぶ声が聞こえ、下を見てみると手を振っているアリアと他の3人の姿があった。


「待ってたつもりだが待たせてたかもな」


「そうだね、早く行こうか」


すぐに席から立ち上がり、席をジャンプし早足でみんなの元に走って行った。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




スベーリア王国と魔聖王国セシルの間には、スベーリア王国直属のガベージュと言う町がある。

魔物の被害が少なく、町の周りに葡萄畑が広がりワイン造りが盛んな町で、怖いものと言ったら国同士の戦争時には確実に被害が出る事だが、滅多に起きる事ではないので毎日この町では夜でもそこら辺で酒を飲み、宴会が行われている。


こんな町の酒場を改築した宿屋「葡萄の香り」の大人数で泊まれる一室の3人は雑事が出来る広いキッチンでエプロンをつけたショウヨウとアリスがクッキーを焼き上がるのを椅子に座って待っていた。


何故今宿屋でクッキーを作っているのか。それは今別室で話している3人の間食用で作っていて、決して息が詰まりそうな部屋で一緒に居たくないと言う理由ではない。


だから、ショウヨウはほぼ毎日その部屋に呼ばれて話し合いに参加しているアリスの事が可哀想だと思っていて、横でボーっとオーブンの中を見ているアリスに気をかける。


「はぁ……アリス嬢も大変ですにゃ。毎回呼ばれて…」


「私は別に大丈夫よ。毎日ショウヨウさんの美味しい料理が食べれるから元気が出るわ」


「そんな言い回しが出来るなんて、アリス嬢はその見た目で大人びてますにゃ」


「前に話したでしょ、見た目と年齢は違うって。それにショウヨウさんも結構な歳でしょ?」


「そうは言われてもニャンは妖精と人の見た目くらいしか分からないにゃ。あとニャンは100歳でアリス嬢は10倍にゃ、差が大き過ぎるにゃ」


「もっと若いわよ。それに女性の年齢をそんなにペラペラ喋ったダメでしょ」


アリスは横に向き、ショウヨウのフサフサの頬を両手で掴みムニーっと横に引っ張る。


「いたぃにゃ〜〜」


「ふふ、もうちょっと遊ばせて」


「ふにゃ!?」


アリスはムニムニとショウヨウの毛並みを堪能し終わると手を離して満足したのか笑顔になる。


「ふぅ………良かったわ。今は貴方くらいしか癒しがないから楽しまないとね」


「それじゃあ仕方ないにゃ。もっとニャンを触っても許可を出すにゃ、ただしつねるのはダメにゃ」


「……ありがとう」


アリスは少し微笑むとショウヨウを猫を撫でるかのように頭をゆっくり撫でながら、オーブンの中で焼けるクッキーを眺める。


こんなゆったりとした時間がずっと続けば良いのになぁ……。


そんなアリスの思いとは裏腹にクッキーはすぐに焼き上がり、アリスはクッキーをお皿に盛り付けてトレーに乗せて、隣の部屋に運んで行き、深呼吸しドアをノックする。

返事が返ってきてドアを開け、すぐに中に入る。


中はベッドが2つ、四角いテーブル、タンスなどの普通の宿屋の部屋なのだが、空気が重く息が詰まりそうな部屋になっている。


その原因は目の前のテーブルを囲んで座っている3人だ。

四角いテーブルの片方に金髪の巨乳エルフといつも結んでいる黒髪を解いた人間の少女、セッカとクズハが座っている。

そして反対側には黒猫て赤目であり、アンナと瓜二つな少女、アンネが座っていた。



お盆休みで実家に帰るのでこれからも少し投稿遅れます。

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