転職②
「…起きて…」
「ふわ〜あ?………寝てたのか」
天井は転職陣があった所の天井だ。
「…ちょっとの間…気を失ってただけ…」
最近私、気を失い過ぎじゃない?
「ふ〜ん、そうなのか………え?」
この声どこかで…。
そう思い声のする方に顔を向け、固まってしまった。今私の顔は唖然としているだろう。何故なら目の前に自分と同じ顔の人がいるのだから。
「え、は、えぇぇえ!?」
だ誰!?私なのかそれとも私が私で無いのか!?
「…少し黙る…消音…」
声を出しているのに音がなくなっている。これは俺と同じスキルの「消音」!相手も俺と同じスキルを持っていると言うことはこれも出来るか?
《本当に貴方?私?は誰なの?》
「…念話か…私は………アンネと呼んで…」
アンネ…知らないな。名前がアンナと一文字違うくらいか。あれ?動けない!
「…動いても無駄…今から説明する…」
説明を聞かないとずっと動かせそうに無いな。黙って聞くしか無いか。
「…私は貴方…貴方は私…分かる?…」
《うん分からん。ミドアでは転職したら身体別れるの?》
「…違う…普通は転職したら…それで終わり…
私は…アンナの…中にいた…存在…」
《私の中?………ベヒモスを倒したのはアンネだったの?》
「…あれは…私がやった…そうじゃないと…みんな死んだ…」
《ありがとう、アンネが居ないと不味かったよ》
「…アンナが油断しなければ…よかった…」
《あはは、………すみませんでした》
油断と慢心はしてはいけないのに。
「…私は…アンナが転職した時の…体から出たステータスを…元に体を作った…存在…」
《私のステータス?》
「…アンナ…ステータスを見る…」
自分の職業やステータスも気になって居たので見てみる。
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名前:アンナ
職業:魔法剣士
レベル:1
HP:500
MP:1030
STR :150
VIT :80
AGI :150
DEX :100
INT :150
装備
装飾:なし
頭:なし
胴:木綿のシャツ
右腕:なし
左腕:なし
脚:木綿のズボン
靴:なし
スキル
身体強化lv1、空歩lv1、探知lv1、豪腕lv1、鷹の目lv1、神速lv1、気配遮断lv1、消音lv1、偽装lv6、予知lv1、縮地lv1、念話lv1、魔力操作lv1、並列思考lv1、魔法吸収lv1
魔法スキル
火魔法lv1、水魔法lv1、土魔法lv1、木魔法lv1、雷魔法lv1、結界魔法lv1、時空魔法lv1
パッシブスキル
剣術lv1、槍術lv1、鍛治lv1、斬撃lv1、自動HP回復lv1、言語理解lv-、魔力量増大lv1、獲得経験値3倍lv-、魔法威力増大lv1、魔力自動回復lv1
ユニークスキル
柔軟lv1、全魔法適正lv-、再生lv1
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軒並みステータスが下がってる。だがASOでの初期値より少し多いと思う。次にスキルは「偽装」以外は全てレベル1になっている。魔法も漢字が変わっている。
「…ステータス値は…少し増やした…スキルは…偽装は使いそう…だからレベルを6までしか…下げてない…今後必要かも知らない…獲得経験値10倍は…均衡を崩す…だから譲歩して3倍…」
あの獲得経験値10倍はダメだな。3倍でも凄く嬉しいが………すみません。10倍から3倍に減ったので少し凹んでました。
「…私が…ステータスの一部で…体を作って…残りをステータスを全て…この体に…譲渡した…」
《アンネはどんなステータスなんだ?》
「…説明はここまで….私はここから立ち去る…」
え?まだ聞きたいことがあるのに。
《なんで私の中にいたんだ?》
「…それは………全てが終わったら教える…」
《まさかアンネ、あな「…ここであったことは秘密…、…アンナを…あなたを…殺したくないから…
転移」
《あっ!》
転移して逃げてしまったか…。
その後、私はアンネの事を色々考え続け、シルヴィアが心配になって部屋に呼びに来るまで、床に座って考えていた。
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