プロローグ
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7時42分
「ヤバイ、学校に遅れる!」
高校2年生の加藤奏人は、電車に乗り遅れない為に今住宅街を汗を流しながら急いで走り抜けている。
(くそ、今日朝礼あるの忘れなかったら今日の深夜四時までASOやるんじゃなかった!あの体育の教師が遅れたらやたら長い説教をしてくるから急がねば!)
駅までは残り500mのところまでたどり着いた。だが二つ先の裏道を通れば半分は時間を短縮出来る。
「はぁ、はぁ、今は7時45分だから短縮したら電車に間に合う!」
そのままの速度で裏道に入り人があまり通らない裏道をジグザグに走り抜ける。細い道を走っていると、前方の道の傍に中年の男の人が立っているのが見えた。
(なんだ?あの人ふらふらしてるな)
ふらふらしている人の横を通る時に顔を見ると、目の焦点が合ってなく不気味さだった。流石に心配だな。そう思い振り返って声を掛ける。
「大丈夫で『グサッ』…」
男の人が近づいた瞬間、横っ腹に焼けるような痛みが感じた。
「え……。ガフッ」
その男が持っていたのは包丁で、その刀の殆どが腹に刺さっていた。痛みと共に体に力が入らなくなりそのまま道にうつ伏せに倒れ込んだ。
「くそ………俺が…何をしたん…だよ……」
刺された時に思ったのは、何故刺されたのか、そして死とはこんな感じなのかとゆう事を。
そして、男はチェックメイトと言わんばかりに、包丁で俺の背中を刺し、俺はブレーカーが落ちたように目の前が暗くなっていった。
加藤奏人はその場で死んでしまった。
今その事をこの世界で知っているのは、誰一人居らずに…
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「奏人さん、起きてください」
知らない人の声が聞こえ、目を覚まさなくてはと思い目を開ける。
目を開けるとそこは眩しくはないくらいの、辺り一面真っ白な世界が広がっていた。そして目の前には小学生くらいの小さな少女が、立っていた。
「えーと、まずは自己紹介を、私の名前はデューイ・スティファヌ、スティファと呼んでいいよですよ」
と、可愛らしく笑いながら挨拶をした。
「私は地球とは違う世界、奏人さん達が言う異世界、ミドアの神をしています」
(へー女神様か…女神様!?)
「そうですよ」
(え!?人の心の中読めるの!)
「奏人さんは今は心に思ったことが声の代わりになって分かりますから」
流石は神様だと思ったが、俺は下を見ると、体がなくフヨフヨ漂った人魂になっていた。
俺は死んだんだったなと、今更思い返していたら、ふとラノベなどで読んだ事を思い出した。
(女神様は俺を異世界に転生するんですか?)
異世界転生、強い力をもらい異世界で問題を解決する話をよくラノベであったと思い返した。
「えーと、転生はするのですが、ですが他の世界に転生なんて事は、普通しないんです」
普通ならしない事を、俺にはやってくれるって言っても俺はただゲームが上手いぐらいしか、脳がないダメ人間だぞ?選ばれる理由がない。
その質問?に女神様が答えてくれる。
「理由は、奏人さんのクラス2-B組の生徒30名が、アナスタリカ聖王国と言う国の勇者召喚に呼ばれたからですよ」
(うちのクラスが異世界召喚!?)
「ええそうですよ、その結果"2-B組全員"が異世界召喚されるため、奏人さんの魂も異世界召喚されてしまうのです」
マジか勇者召喚で、俺の魂も転移するのか!
え、それじゃあ俺は魂のままなの?
「そこで問題になるのが、魂のまま転移される奏人さんです」
(このまま魂だけで、行ったらお化けとかになるとかですか?)
「お化けと言うよりもレイスなどの魔物に近くなりますね」
尚更嫌だ、異世界にまで行って魔物として処理されるのはゴメンだ。
「その結果、奏人さんは新しい体での、転生をしてもらうことになったんです。体の方は奏人さんに一番合いそうな体も作っておきました」
有難いこれで異世界に行けるのだからな。
「先程言っていた、強い力をこの世界ではスキルと言います。このスキルを勇者召喚の時に渡されますが、奏人さんは今、この場で、選んでくれていいですよ」
そう言うと目の前にウインドウが出て来た。
「その中からなら選んで構いません」
(本当ですか!?そんなことしたら俺だけ有利過ぎません?)
ふ
「構いませんから早く決めちゃってください」
それならやっぱり異世界に行くんだから、魔法は使いたい。そうしたら魔法関係のスキルが良いな。俺がやっていたゲームのスキルで火、水、木、土、光、闇、の6つを使える全属性適正を貰うとしよう。
「強いスキルを選びますね、ですが職業が魔法を使えない職業では使えないので気を付けてください」
女神様の手から虹色のビー玉みたいな物が、手から離れ、俺の中に入っていった。人魂だが力が出てくる感じがした。
あとは魔法を使えない職業を選ばないよう気を付けることだな。ゲームでは侍だったから魔法を使えなかったから、異世界では侍は無理だな。
「それではミドアに転生させます。転生場所は勇者召喚の場所なので、すぐにクラスメイトと会えるでしょう。それでは良き異世界ライフを!」
(ちょ早)プッツン
そう言った瞬間俺の目の前が真っ白になった。
「ふぅ……行きましたか………にしても、アイツが違う世界に介入していたとは………はぁぁ…これからが大変ですね。あれを処分するのは骨が折れますね。部下達に知らせて処分させますか」
独り言を呟きながら女神スティファは白い部屋の中で消えていった。