寂れた村
目が覚めると天井が見える。
どうやらベッドの上に寝かせられてるようだ。
人の目に付きにくい裏あたりに倒れたはずだが。
「あら?目が覚めました?」
そちらを振り向くと4,50代ぐらいの風貌をした女性がいた。
(俺の運で若い娘に介抱してもらえるわけないよな。)
「あなた、行き倒れでしょ?」
「半分違うかな。」
「半分?」
「倒れてたのは事実だが、休むのに村ならある程度安全が確保できるかなと思っただけだ。
まあ、食料などを持ち合わせてないから半分といったところか。」
それからある程度話色々と話をした。
女性の名前はレーニャと言うそうだ。魔女をしてるらしい。
倒れてた場所はこの女性がいつも採取してる畑の近くだったそうな。
育ててるのは薬草になる草の元でそれを精製して、都市に卸して生計を立ててるらしい。
この村、寂れてるわりに大きい気がしたが、聞いてみると若い人はみんな稼ぎに出ていってしまったとのこと。
限界集落かよ!
この村はわりと魔物に襲われるらしく、村人はわりと腕自慢ばかりらしいが。
自分のことは召喚されたけどそこから逃げたしてきたのだと、かいつまんで説明した。狂戦士のスキルのことはただの強化スキルだと誤魔化して。
魔王が発生してる!というのが村に知れわたり、都市部にその情報を伝達することになった。
色々教えて貰うと、
ギルドというのがあり冒険者として登録できること、
いくつかの魔物が住み着いてダンジョン化した洞窟が存在し、
魔物の素材はものによっては高価な取引されること、
魔物が住み着いた洞窟は魔素がたまり新たに魔物が生まれること、などを知った。
強い魔物の多いダンジョンでは知能の高い魔物が生まれやすくなり稀に魔王も生まれることがある、とのこと。
魔王が生まれると、召喚門を作り強力な魔族などの配下を増やして世界を取りに来るため、早急な討伐を必要とするらしい。
質素な食事など少々お世話になったが、魔王が発生した情報などで見返りは十分だとのことで、村を出て都市に行ってギルドに所属することに決めた。
レーニャももとは名の通った冒険者らしく、紹介状を書いてもらった。
これがあるのとないのとでは都市に入るのにかかる時間が断然かかるらしい。
もう一通は魔王が発生してるという書状らしく、これをギルドに届けるのが冒険者としての俺の最初の依頼となった。