表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/95

「オラはモンスター(8)」

******************************

:帝都手配手記参照――第二種手配「鉄腕てつわんファルダード」について


 鉄腕ファルダードは過去に多数の恐喝きょうかつ傷害しょうがい詐欺さぎの罪を犯した中々に大物な犯罪者である。最近になって刑期けいきを終え、出所しゅっしょを果たした。


 元々の手配区分としては“逸脱いつだつ級”。出所後の区分としては“重警戒じゅうけいかい”対象である。これは「現在の素行そこうに関わらず、過去に犯した罪の計画性・暴力性等を考慮こうりょして治安局による定期的な所在の確認を要する」というものだ。ただしこれに法的な拘束こうそく力は弱く、拒絶きょぜつしようと思えば無理でもない。


 ところが、意外とファルダードは治安局による定期の干渉かんしょうを拒否せず、模範もはん的とも言える態度で接しているらしい。感心したものだが、これは心を入れえた……というより後見人こうけんにんへの信頼による“余裕”の可能性もある。


 本来、ファルダードの服役はもっと長いものだった。それが真都のとある実業家による“保証”と“誠意”によって刑期短縮をされた経緯がある。現在、ファルダードはその実業家を後見人として、彼の家につとめている。


 真都の魔技師まぎし家庭に生まれたファルダードは十代の前半までをそこで過ごし、早々に独り立ちして帝都に移住した。少々悪癖があるものの腕は確かとされた父親から様々なものを受け継いだようで、実際に魔技師としての技量は評価が高い。ただし、これも受け継いだらしい悪癖に関しては父親の比ではない。


 ファルダードは知人の手伝いを得つつ、自らの左腕/右腕/胸部一部/頸部けいぶ一部/腹部半分程度/顔面のほほひたい、それに脚部全体を機械に置きえた。そこにいたるまでいくらかの“代替だいたい治療”を他者に行うことで十分に予行練習していたらしく、この際の罪についても当然として加算されている。


 練習の成果は抜群だったのだろう。彼はおの身体しんたいの機械化に成功し、常人をえた耐久性や運動性能・怪力を備えた。半別号はんべつごうでもある“鉄腕”は、文字通りはがねと化した彼の両腕に関連して付けられたものである。


 人間離れした格闘・運動能力と一線を容易たやすく越えてしまう倫理観りんりかん……これらの素質によって帝都の裏社会でも目立つ存在となったファルダードだが、若くして帝都守護の槍玉に挙げられることになる。


 さすがの彼もヴァルキュア2人を同時に相手取るのは難しかったようで、少し抵抗しただけで封縛ふうばくされたようだ。


 10年以上の時を経て、鉄腕ファルダードは社会へと復帰。現在は資産家の子息しそく護衛として真っ当に生きているとされる……が、その御曹司おんぞうしもまた不安要素ではある。


 今後の彼が誠実な人生を歩めることを祈るばかりだ。



:参照終了

******************************




 あかねの空に薄く月の姿が映っている。雲が少なく、本来なら今頃にもより鮮明せんめいに見えるであろう月だが……帝都周辺においてはその輝きに制限がかかる。


「――ッ、パウロ!? ちょっと何処どこ行ったの!?」


「こ、ここだっぺよ!? おるでな、ちゃんとおるから……アルフィースつぁんこそ離れねぇでくろ!!」


「え、なに?? ……アっ、いた!! んもぅ、勝手にフラフラ消えないでくださいます!?」


「ふ、フラフラするつもりさねぇんだけんど、どうにも……アっ!? しぃましぇんほんに……そんの、人さ多くってけるのが……んぁっ!? どうも、どうもごめんなしぇぇ……すまんす、すまんす……」


 四苦八苦しくはっくという感じだ。少女アルフィースとパウロ少年は帝都の大通り――正式には“破城門はじょうもん前大通り”へと紛れ、歩いている。


 草原からちょこっと通りに入ったばかりなのだがすでに人の波に飲まれそうだ。まだ祭り当日をひかえて3日だというのに、今日がもう目出度めでたいかのような人々の活気かっき。アルフィースは見えないが、パウロが見るはるか先、いびつな形に開かれた壁の穴の部分(城門)付近はさらにとんでもない混雑になっている。


 サルダンの祝祭は大雑把に言うと「とにかくさわいでいわう」お祭りである。貧富・出身問わずに入り乱れてはしゃぐことがマナー。ルールを守って楽しむ分には何も問題にならない。


 気軽に参加しやすいと言えばそうなのだが……人が増えれば増えるほど最低限の約束すら守られない事案じあんが増加することもまた事実。実際、この時期にはトラブルや犯罪がとても発生しやすい。


 これでは帝都の法が乱されてしまう……だが、そんな時のための“帝都治安局”である。


 帝都治安局は城内に本拠地を構える政府組織であり、いくつもの部署に別れて形成された警備・保健機構だ。特に祭りのような特別な状況で都市警備のかなめとなるのが【ヴァルキュア】と呼ばれる守衛しゅえい部隊である。


 この都市がまだとりでとして存在し、壁の代わりに木の柵をめぐらされていた時代。そんな帝域の中期発展期にヴァルキュア部隊の発足ほっそくを見ることができる。


 伝承でんしょうによると最初は時代にひいでた1人の魔闘士まとうしが始まりとされ、彼が弟子達に技術をたくしたことで形成された伝統ある組織だ。


 有事ゆうじには竜鱗りゅうりんと呼ばれる装甲に身を包み、黄金に輝く翼を広げて帝都を空から守護する闘士達。彼らは普段、半裸の姿で城壁上にて待機しているのだが、何か事が起これば翼を展開して即座に現場へとけ付ける。


 天から舞い降りるその姿をいにしえの人々は“天使てんし(てんのつかい)”と呼んだ。現在でも彼らは帝都民の尊敬を受ける存在である。


 帝都には「祭りに身をひかえる者はうちの生まれ、祭りに羽目はめを外す者はそとの生まれ」という伝え言葉がある。これが表すのは帝都守護部隊に対する畏敬いけいがあるかどうか、それもまた帝都民のステータスであるという誇りであろう。


 まぁ、こうして祭りの期間前後は帝都への客人も多くあり、実際に治安を乱すやからが多々見受けられるのでそれを皮肉ひにくった言葉でもある。同じ帝域でも真都の人などはあんまりヴァルキュアに想い入れが無かったりもする。


「――わぁ、カワイイ!! ねぇねぇ、見て見て~。私この動物知ってるのよ、めずらしいパンダって生き物で……って、パウロ??」


「お~~~美味うまそうだね、コレ! ねぇねぇこれさオラ食べてみた……って、アルフィースつぁん??」


 気を抜くと距離がく。少女と少年はどちらにも好奇心こうきしんというものがある。人々のにぎやかな熱気にてられて少し気分がたかぶっていることもあるだろう。


 祭りの前だから、すでに出店でみせや飾り立てた店舗がズラリと大通りに面して並んでいる。規定によって「通りにはみ出すな!」と決まっているのだが……守っていない店も多い。通りに飛び出して通行者に声をかける客引き達も大勢おおぜいある。


 そうした騒々(そうぞう)しい声によって、少し離れると互いの声がき消されてしまう。パウロが明確に大柄おおがらであることと、アルフィースが目立って可憐かれんなのでどうにか彼らは決定的にはぐれずにすんでいるようだ。


「いたいた! だからもうっ、フラフラしないでくださいませ! ……しっかしほんと、お祭りは結構ですけど……それにも節度せつどってものがありましてよ? これだから帝域の人ってやっぱり――」


 少年に駆け寄り、手を伸ばして彼の胸を軽く押す。そうして苦々しい表情になっている少女に向けて、少年は「ほんにすまんす~」などとヘラヘラしながら謝った。


 パウロは彼女が怒っているとも感じているのだが、苦々しくしながらも「楽しそう」なのだとも察して、それは嬉しいのである。ただ、確かに彼女を見失うのは「イカン!」と、首を振って気を取り直し、少女の姿を凝視ぎょうしした。


「まったく……あら? ねぇ、これって何かな? ちょっと不気味ぶきみ・・・・・ん、何よ??」


「・・・・・えっ??」


「いや、だから何よ。なんだってそんな……じっとさ、私を見て……何か変かしら、私??」


「え、いあ……なんも変とかねぇっぺよ。たんだ、オラさ君を見失いたくねぇっけさ……らっけ、しっかり見てたんだが……す、すまんす。気分さ悪くしちったか?」


「・・・フンッ、子供じゃないんだから。あなたの方こそ勝手に何処どこか行っちゃわないでくださいますか? それに、私を見るのはいいけど……その……」


「うん、何処も行かねぇっぺよ。オラは君のそばるっけね。約束……守るから」


「・・・・・そ、そういうことじゃない! 私ばっかり見て、また何か人とか物にぶつかってこわされるとこまるって、そういうこと!! 気を付けてよね、ほんとにさ!」


「お、おぅ……そらそうだわな。オラってばどうにも不器用だっけ、こんな人も物も多いんらっけよ、そらいっつもより気をつけんと……そっちも、こっちも!」


「・・・・・うん」


 パウロ少年は左右を見渡し、身構えた。警戒してほしいというむねを伝えたものの、いち々反応が大げさな彼である。


 キョロキョロと落ち着かなくしながらチラチラと見てくる大柄な少年。その様子を少しせた顔から横目に見上げる少女。アルフィースは彼から視線を外すと、何かをつぶやいた。


 ……気にはなっている。最近、ちょくちょく引っ掛かってはいる。


 「約束」はそうだ、出会ったあの日に交わした。でも、それは元々“契約”だった。そのつもりだった。


 一方的な契約をして、高笑いして、見下ろして……満足したつもりになっていた。無理やりにしつこくして言わせた言葉が……「約束」。


 彼が自分のそばるのは「約束」のためだと言う。少女が詐欺さぎのような手口で取り付けた「約束」だ。


 ……自分が彼のそばに居るのは何のためだろう?


 少女の理由と少年の理由は異なるのだろうか。「約束」させたから自分は彼の隣にあるのだろうか? そんなことを考えていると、自然と少女の視線は彼かられてしまったのである。


 アルフィースは顔を上げて少年を見た。彼は心配そうな表情をしている。なんでかうつむいていた少女の姿を見て、そうした表情になったのであろう。


 少女の口が開く。


「あ、あのさ……パウロ? 私達ってさ、その……最初にさ。約束をしたけど……それってやっぱり――」


 途切れ途切れに、考えながら呟かれる言葉。雑踏ざっとうの中で聞き逃してしまいそうな言葉だが、遠方で飛びねるウサギの足音も聞き分けるパウロ少年である。彼女の言葉をしっかりとその意識に受け止めている。


 そうして少女が注意深く、そして少年が不思議そうにしている状況を――


「 へい、らっしゃい!! お嬢ちゃんたち、店の前で迷いごとかね!? 」


 活気あふれる男性の声が打破だはした。アルフィースが立ち止まって何かモジモジとしているのは通りにはみだした出店の真ん前であり、活気あふれる声のぬしはその店主である。


「いや……解る、解るよ! “祭りの前で散財するのもどうしたものか……”ってね。ところがお嬢ちゃん、“祭りは楽しんだ者勝ち”だよ! “やっぱりあの時買っておけば~~”なんて、そぉんな後悔こうかいはしちゃいけねぇ!! さぁさ、買った買った!! なんとこれは限定10個しかない代物で……残り5つ!! たった5つだけだよ!?」


「・・・・・。」


「あのね、ここだけの話……本当は祭りまでとっておこうとしてたんだけどさ、可愛らしいお嬢ちゃんに特別ッ! 寄ってちょうだい、見てちょうだい~この“悪魔の羽飾り”はなぁんと! かの高名なキャラバックお抱え、伝説の大悪魔ローゼンハックきょうのモデルだよぉ~!! さぁさ今だけカワイイお嬢ちゃん特別価格!! 3000PLぺるらきっかり!!! 3000PLきっかりで買えてしまうね!!!」


「・・・・・。」


 アルフィースは何かを少年に伝えようとしていたが、もう全部吹っ飛んだ。


 集中していた時にいきなりのことだったので、少女は何も聞こえず、解らず。ただただ唖然あぜんとして口をだらしなく開いて店主の男を見ている。


 隣にそびえる少年は聴力に集中していたところにいきなり大声をられたので、片耳をおさえて驚愕きょうがくしたかのような……口を大きく開いた表情で固まっている。


「お嬢ちゃんッ、3000!! 3000PLきっかり!! 城内の職人が作ったもう二度とは手に入らない特注品だよ!? きっとお嬢ちゃんに似合うからさ……ほらここがこうしてスイッチになっていて、押すと直接肌にくっつくように……ああ、大丈夫! 肌荒れなんかしないよ、最近開発された粘性ねんせい魔材まざいでね、外すのもこうして簡単に――」


「・・・はっ!? い、いえ……あの、お、おおおお金は大事ですからッ!! 失礼しますッッッ!!!」


 出店の店主は意外と高性能そうな翼のかざりものの使い方を説明してくれていたが、アルフィースの精神はそれどころではない。混乱した少女は逃げるように、最低限に高速のお辞儀じぎだけして駆けだした。


 人混みの通りをける可憐な少女。少し遅れてそのことに気がついた大柄な少年は慌てて、かつ周囲に気を付けながら彼女の後を追った。特に走ると手にするかばんがぶつかりそうで危ないことこの上ない。中身でもぶちまけたら、きっと彼女に怒られるだろう。


(なんで!? いや、なにを!? 私はどうしたら……!!)


 言葉をつむぐ中でまとまりそうだった気持ちが霧散むさんしたことにより、少女の精神はとても不安定になっている。軽く錯乱さくらんしている少女は涙目になりながら我武者羅がむしゃらに通りを駆けぬける。


 薄い水色のワンピースのすそを巻き上げて走る少女。腕輪だのネックレスなどと飾りも多く着けているが……そもそものはなし


 本来、アルフィースはそのままに立っているだけでも目立つ存在だ。人混みを危うくぶつかりそうになりながら走る彼女の姿を、通りにる人々が男女問わずに注目している。それは「あんなに走って危ないなぁ」ということもあるだろうが、同時に「何処どこのご令嬢れいじょうだろう?」と取り乱してもなお気品ある風貌ふうぼうに心をうばわれているのである。


 アルフィースには何か……人をき寄せる天性てんせいがある。そしてそれは無差別的なものなのであろう。


 才能は時にリスクをともなうものだ。


「――――おぉっと!?/


/――――きゃぁっ!?」


 ついにやった。いずれは時間の問題であっただろうが、走っていたアルフィースはやっぱり人にぶつかった。


 いつの間にか通りの真ん中、馬車優先の区間。道の中央で倒れそうになった少女と、それを支える人……。


 馬車を駆る御者ぎょしゃが「突っ立ってるな、あぶねぇぞ馬鹿野郎!」と、警告けいこくを飛ばしながらけて通り過ぎていく。


「何……馬鹿、だと? ふんっ、まぁいい……あいつ良かったよな。こんな時でなければ、名前も所属もひかえておくところだ」


「――あっ!? ……ご、ごごごごめんなさいまして!! 私ったら、あの、その……」


 人にぶつかったアルフィースは転ばなかった。それはぶつかった人に抱きとめられたからである。そのことに気がついた少女は慌てて離れようとした。


 少し距離をとったのだが、離れぎわに彼女の手がつかまれる。


「おぉっと……待ちたまえよ? 君さ、人に……だれにぶつかったと思う? 謝ってハイさようなら……それはちょっと許されないから。女の子なら尚更なおさらだ」


 掴んだのはぶつけられた人――それは男性、それも成人前のまだ少年らしい。顔立ちに幼さはあるものの、そこにはどこか嘲笑あざわらうかのような表情がうかがえる。視線だけではなく、どうにも態度から見下すような……。


「えっ……あ、あのぉ……だから、ごめんなさいって。ぶつかってしまったのは私が悪かったです。だから謝ってるから……手を、はなして??」


「ほぉ、うんうん……しかし綺麗な手だね。それに、見ればなんと……これは素晴らしいな。君さ、幸運だよ? うっかりの事故とはいえ、こうして僕と出会えたんだ……名前をひかえておこう。名乗りたまえ、君の名をこの僕が呼んであげるから」


「え゛・・・・・はぁ???」


 それまで一応は非を認めて低姿勢にしていたアルフィースだが、初対面であるはずの少年が吐き出す言葉に嫌悪けんおを感じたらしい。露骨ろこつに表情をけわしくする。


 アルフィースの手を掴んで立つ少年――その姿は一言にふとましく、豊かな育ちを想像させるかのように――それこそアルフィースに負けんばかりの装飾品を身にまとっている。


 年頃としてアルフィース達と同じくらい、15才程度であろう。だが、どうにもその態度は見た目と同じくふて々しく、荒い鼻息に反して口調や声色はやたらと落ち着き払っている。


「なんだよ、僕のことが解らない?? ったく、これだから帝都風情は嫌なんだ……仕方がない。あのね、僕はあのイスパールの長男なんだよ、解る? イ・ス・パ・ァ・ル。これでも知らないかな、身形みなりが良さそうなのに……見かけだけ?」


 【イスパールの長男】だと言う少年。彼は太い態度で少女を見下し、首を左右に「やれやれ」と振った。


 これはアルフィースを前にして最もやってはいけないたぐいのことであろう。少なくとも彼女の機嫌というものをうかがう気があるのならば、絶対にダメだ。もっとも、そのつもりがないからこその態度であろうが……。


 当然としてアルフィースは険しい表情をさらに険しくして、眼前の男をにらんだ。そして言い放つ。


「――――はぁぁあ!? いすぱ……何って?? 知りませんわ、そのような無名の家など!! あなただってこの私を誰だと!? いいですこと、よっくお聞きなさい!! 私こそはかのセイデ・・・・・っくぅ!?」


 言葉にまる。本当は声高こえたからかに名乗り上げたいところではあるが……それを言うと何が起きるか解らない。そのような忠告ちゅうこくを思い出してアルフィースは言葉を途中で止めた。


 少女は物凄くくやしそうではある。だが実際のところ、ここでその地名を出しても「はぁ?」と言われる可能性が高い。むしろそれで済めばよいもので、「なんだと?」という反応が返ってきたらもう、どうなるか解ったものではないだろう。


 言葉を詰まらせたことが正解かどうかはともかくとして、冷静な判断ではある。しかし、それによって目の前の男は当然としてさらに増長した。


「え、なになに?? あはぁ~~、やっぱり言えないよね。そりゃイスパールの家名かめいを出されて簡単に対抗できるわけがないよね……でも大丈夫、君だけではないよ! 僕からすれば大体みんなおんなじさ。無礼ぶれいも許してあげるからね」


「・・・・・ンガぁぁぁア!!?」


 アルフィースは掴まれていた手を振りほどき、そしてうなって震えた。明らかに悔しそうな少女を見下して、イスパールの長男は満面の笑みを浮かべている。


 だが……ふと、イスパールの長男は自分の手が振りほどかれたことに気がついた。少女の悔しがる姿に満足していたのだが、その態度を理解して「ムッ」と不満をあらわにする。


 そこに――


「ん……おめさ、なんだ? アルフィースつぁん、なした?」


 パウロが来た。先ほどまでは一応、祭りの雰囲気に楽しそうではあったパウロだが……現在、その顔は無表情である。視線は冷たく、得体えたいの知れない男達を見ている。


 そう……“男達”だ。イスパールの長男は1人でこの通りに立っているわけではない。その背後では別に、これも男性の姿がある。


 長男の背後に立つのは見るからに筋骨きんこつ隆々(りゅうりゅう)といった具合で、身長はパウロよりやや高い大男。はちきれそうなよそおいでスーツを着ており、黒いサングラスが街のあかりを映している。


 パウロより大柄な男は不自然なほど逆三角体型だ。上半身が胸部きょうぶから腕部わんぶまで異様にふくらんでいて、ワイシャツの襟元えりもとに見える頸部けいぶ、つまり首の部分は鈍く金属の光沢で光を反射している。黒い手袋でおおわれた手先も随分ずいぶんと大きい。また、顔面の頬と額が鉄板でおおわれているのだろうか……ともかく金属質である。


 つまりこうした男達――その2人をどちらもパウロは見て、観察している。そしてどうやら怒っているらしい少女の原因はどっちなのか、そのことを見定めようとしているようだ。


「パウロ……あのね、私ったらこの……“この太った人”にぶつかってしまいましてね。それで謝ったのですけど……まぁ、もういいです、行きましょう!!」


 苛立いらだっている。アルフィースは明確な怒りの感情を隠さず、男達をけて通ろうとした。


 その時である。


「――――っあ!? あ、あぶねぇ!! 自己責任だぞ!!!」


 叫び声。それは御者ぎょしゃのものである。


 馬車優先の往来おうらい区間。その中央で突っ立って話している人たち……主に2人の男達へと、馬車が1台、突っ込んできた。


 こうならないための区間分けである。それを無視されては御者達にとってたまったものではない。


 それはそうとして。通行人としても大人おとなしくぶつけられるわけにはいかない。だが、けるにはあまりにも馬車の勢いがつきすぎている。


 “だから”、異様な体型である背の高い男が振り返った。勢いよく突っ込んでくる馬車の方を向いて「キュルキュル」と、首をかたむけて鳴らす。


 大男の開かれた口とスーツ越しの背中から、赤黒い蒸気がきあがった。


 2頭のウマに率いられた馬車。その突進に対してサングラスの大男は“突進”で応じる。


 けたたましい音だった。それは2頭のウマが叫んだ鳴き声と、押し返されてけ反ったウマと大男の身体にぶつかってくだった馬車の破裂はれつ音である。


<ヒヒィィィ~~~ン……ブルル……>


 悲しそうな声だ。それを最後に、砕けた馬車にめり込んだウマはどちらも鳴かなくなった。


 破壊されてくだけた馬車の残骸ざんがいから御者がって出てくる。


 倒れて動かない2頭のウマたち。それを確認して御者は驚き、そして涙を流した。


 ウマの身体をすってみるが……一目ひとめでもう、彼らが助からないことは理解できる有様ありさまだった。それでも御者は泣きながら彼らの身体をさすってあげている。


 そうしてかがんでいる御者の襟元えりもとつかまれた。そして無理やり立ち上がらされると、頭部をまんで見上げさせられる。


 そこには口から赤黒あかぐろい煙を吐き出しながら、金属のほほを動かして話す大男の姿……。


「ゲホッゲホ!! ……ったく、危ないってよぉ~~それはこっちが言いたいんだよな。しかし坊ちゃんは無事だし、まぁ許してあげます。次からは気をつけテッフォ、ゲフォォオ!!」


 咳き込んで煙を吐き出しながら、話しにくそうにしている大男。その異様な姿を間近にされた御者は放り落とされると同時にいつくばって逃げ出した。


「フォ、エホ!! ……坊ちゃん、だけどこれって弁償べんしょうは必要ですよね?」


「んん~~?? まぁ、そうだね。後でこの馬車の業者を調べておいて。だけど、そんなんどぉだっていいんだよねぇ……」


 赤黒い煙を吐き出す大男に対して、まるで興味なさそうに返すイスパールの長男。彼にとっては本当にどうでもいいことなのであろう。それは弁償の金額だろうが、倒れたウマのことだろうが、恐怖した人々が遠巻きに見ていようが……。


 そんなことより。


「あのさ……さっき君、なんて言った? まさかさ、まさかだと思うけど……君、僕のこと“太ってる”って言った??」


 太ましい少年ことイスパールの長男は向き直って少女の姿を見る。眉間みけんにシワを寄せて、荒い鼻息はさらに荒くなっている。


 視線の先にある少女は――――立ち尽くしていた。その瞳からは涙があふれ、倒れて動かなくなったウマたちの姿がぼやけている。


 隣に立つ少年もまた立ち尽くしているが……少女が涙を流していることを理解して、“怖がっている”ことを察して……その原因をた。


 大きく咳き込み、赤黒い煙をまき散らす大男。その前に立つ太ましい少年は煙を邪魔じゃまそうにしてから一歩、前に出る。


 そしてりかぶり、手の平で勢いよく“なぐった”。


 揺れる少年の頬の肉、ゆがんだ少女の頬、飛び散る涙――瞬間、刹那せつなときにパウロが見た光景はそのようなものだった。


 悲鳴を上げる間もなく、腰から地面に倒れる少女。アルフィースはしばらく呆然としたのちに痛む頬を抑えた。


(え、今、私……何をされたの?? ほっぺたが痛い……これって…………まさか、嘘でしょ!?)


 少女は状況をおおよそ把握はあくできた。つまり自分は頬をなぐられて倒れたのである。そのことを理解したことによる怒りと、まだ消えない悲しい気持ちがざって……歯を食いしばりながらも、涙がさらにあふれる。


 くちびるを震わせる少女。だが、不意に痛みがはしる。それはたたかれたほっぺたの痛み……ではない。そこではなく、もっと身体の奥。


 胸の奥底から「チクチク」――いや、「ズキズキ」と。鼓動の代わりに痛みが響いてくる。


(あれ? この感覚って……)


 少女アルフィースが違和感ある痛みに気がつき、胸を押さえて顔を上げた。


 そうした少女の瞳に“跳び上がって拳を振り上げている人間の姿”が映る。


「――――えっ?」


 これはイスパールの長男が発した音である。彼は何も反応できなかった。ただ、何かが跳び上がったんだなと、それだけを思って……ながめるだけだった。


 轟音ごうおんとともに石板の地面が破裂する。衝撃が伝播でんぱして、周囲の石板にも亀裂きれつが入り、一部がはじけ飛ぶ。


 拳を地に突き刺したまま、大柄な少年はゆっくりと顔を上げた。


 その姿を少し離れた位置から見ている者がある。


「ゲッホゲホ!! ……危ないなぁ~~、しかし、たいした威力ではある。大した威力だが……そんなものを坊ちゃんに打ち込もうとしたのかね? お前、正気しょうきかよ。これって殺人未遂さつじんみすいだろう……ッフォ、ゲフォ!!!」


 赤黒い煙を吐き出す大男。き込むその片腕には太ましい少年が抱きかかえられていた。


 ストン、と軽々に地面へと降ろされた太ましい少年。それはしばらくほうけた後に……表情を真っ赤に染めて叫ぶ。


「お、お前……お前なにをするんだぁ!? ここ、殺す気か、この僕を!? なんだよコイツ、このイスパール家の跡取あととりになんたる無礼だよ!!」


 そうやって叫んでいるイスパールの長男。その声が聞こえているのかどうか。


 ゆっくりと、パウロは地面に突き刺さった拳を引き抜き、立ち上がった。


 表情は怒りでもなく、ただ……無表情。


 なんの感情もないのか、失ってしまったのか。真顔のパウロは「ジっ」と太ましい少年だけをている。


 視られているイスパールの長男は背筋に寒気さむけを覚えた。鼻息ではなく口からの呼吸を荒くして、長男が横を見上げる。


「お……おい、“ファルダード”!! あいつ生意気だ!! 僕にこんな失礼をして……身のほどを解らせてやれ!!!」


「ゲホッゲホゲホォ!!! ……あいあい、坊ちゃんがおっしゃることなら。なに、怪力自慢だなんて……可哀想なことです」


 そう言うと、パウロより大柄な男が前に進み出る。一歩、一歩とあゆみ出しながらおのれのスーツを引きちぎり、やぶり捨てた。


 あらわとなる上半身。不自然に逆三角形な上体は都市の灯りを反射して鈍く、金属質に光った。はがねの色合いはその通り彼の上半身が“鋼”であるからであり、胸部からは鼓動くどうおんが「キィィィィ――」とこぼれ聞こえてくる。


「私を知らないのでしょう、この“鉄腕ファルダード”を……。やれやれ、これだから世間知らずは困ります」


 赤黒い煙が口や背中、それに胸部の下からき出している。


 大柄な男――【鉄腕ファルダード】は人間離れした身体をすって、大柄な少年へと近づいていく。


 もなく拳が届く距離だ。ほぼ同じくらいの背の高さだが、若干じゃっかんファルダードの方が高い。それに機械化改造によって肥大化ひだいかした上半身もあって、一回りは大きく思われる。


 近づきながら、ファルダードは思った。


(……とはいえ、先に手を出したのは坊ちゃんですからね。まぁ、こちらもパンチの1つくらい受けて、それから反撃の体裁ていさいを見せた方が良いでしょう。目撃者ギャラリーも多いことですし……)


 煙をただよわせてあゆみ進むファルダード。その姿が近づいてもまるで脱力したような姿勢で立ったままのパウロ。


 パウロは目の前にせまる大男を視ている。それは彼に興味があるからではない。


「――――おめさ、なんなん? そっか……邪魔じゃま、すんだな。オラが……オラが護るってのに…………邪魔、すんなや」


 パウロにとって現在の目的はこの男ではない。こんなものではなく、その後ろにある。だから過程として障害を取りのぞかなければならないだろう。


 パウロは前に出た。ふらりと、脱力したように腕を揺すって、前に出る。


 まるで無防備に足を踏み出した大柄な少年。それまで視られていたことは解っていたが……その質が変化したことを感じて、ファルダードは立ち止まった。


(なに……なんだ? なにか、この感覚は……いや、待て。そんなはず……こんな生身の男に……まだ少年か? それに対して、この私が……いや、しかし……)


 ふるえている。全身が震えていることを感じて、ファルダードは「まさか」と自分にう。


 機械化された鼓動によるものではない。この震えは、この感情は――


(そんな、まさか……“恐れ”……? こ、怖い……ということか? ……馬鹿な!! 私はファルダードだぞ……一体、どれほどの力自慢、実力自慢をこの鉄腕で黙らせてきた――――と。っと、とぅっ……わ……うわ、うわわ……うわわわァ!?)


 機械化された彼の身体が寒さを覚えた。蒸気を発する彼の身体が勝手に後ずさりしてしまう。


 そして、鉄腕ファルダードは無意識に拳をいきおいよく突き出した。大男は恐怖にえかね、防衛本能によっててきへと殴りかかったのである。


 今までよりも勢いよく、赤黒い蒸気がファルダードの身体からきあがる。


「らっけよ。邪魔、すんなって……」


 パウロは呟くように言葉をこぼしている。それは相手に聞こえるようにとか、そういった配慮はいりょ欠片かけらもない。まるで自分よがりな言いざまだ。


 突き出された機械仕掛けの拳は停止している。その拳は大きな鉄の塊だが……パウロはそれを突き出した右手で受け止めていた。


 鉄の塊に右手の指がめり込む。指先から出血しているが、パウロは微塵みじんも気にする様子が無い。


 掴んでいると言ってよいのか……ともかく、そうした鉄の拳をグイと引き寄せ、パウロは左腕を腰元に引きしぼる。


 そして目を見開き、咆哮ほうこうした。


「おめさ邪魔だわ……邪魔邪魔ッ、邪魔ッなんだよぉぉぉおおおおお!!!!!」


 「バキン」と何かが砕けた。へし折られた鉄の左腕は肘の部分が砕けて曲がり、電流のはしくだが何本か飛び出ている。


 左腕を破壊されたファルダードは事態が理解できず、何度もまばたきをしながら飛び出したケーブルを眺めた。


 怪物のような咆哮が響き渡る。それに痛烈な破裂音と一応は人間の腕が破壊された光景から、周囲の人々からどよめきと悲鳴が上がった。


 その中心にあるパウロは……眼と歯をきだし、血がしたたる左腕を振り上げている。


「邪魔なんだよぉおお!!! おめさ、邪魔すんなやぁぁああああ!!!!!/


/ゲホゲホッ……ヒっ!? お……おぉわああああああ!?!?」


 怪物が発した絶叫ぜっきょう。異様な形相ぎょうそうで拳を打ち込んできた光景におびえて、鉄腕ファルダードがまだ無事な右腕で防御態勢をとった。


 殴りつけられた鋼の右腕。そこにはヒビが入り、大男の体勢が大きくくずれる。そうしてちゅうで流れていく右腕に対して、パウロの右足が石板とともに蹴り上げられた。


 飛び散る石の欠片と金属片きんぞくへん。手首から先を失った鉄の右腕から、これも管が飛び出た。


 ケーブルが揺らぐ様を見て、ファルダードの機械化されていない瞳から涙が溢れてくる。


 ゆがんだ視界の中。両手から出血しながら尚、攻撃動作が止まらない怪物な存在。血しぶきを飛ばして右の拳を振りかぶる、血走った化物の眼光――。


 ファルダードは泣き、叫ぶ。


「ウェッホ!! ご、ごめん……ごめんなざあああい!!! 許じでぐれえええええ!!!!!」


 その叫びが怪物的な心に届くことは――――なかった。


 めり込んだ。パウロの右腕は機械化されたファルダードの胸部を破裂させ、そのまま巨体を力任せにはじき飛ばす。


 大男の身体が宙を舞う。壊れた両腕を無軌道に揺らしながら、鉄腕ファルダードの巨体が破城門前通りを飛んだ。


 何mもの距離を浮遊した彼の身体は、途中に呆然自失ぼうぜんじしつとなっているイスパールの長男横を通り過ぎて落下。勢いそのまま石板の地面をしばらくけずり、ようやくに停止した。


 ここで停止しているのはパウロも同じである。振りぬいた右手の指は何本か折れているらしい。あらぬ方向に曲がっている……が、それでも握り込む。


 まだ、殴るべきものが残っているから。


 ゆらりと、上体を起こして対象を視る。痛みも何もないのだろうか?


 その表情は化け物じみたままであり、き出された歯を食いしばり過ぎたのか……口内からも出血がある。口元から赤い血がしたたり落ちた。


「……おめさが、泣かしたんらろ? おめさが、アルフィースつぁんを……殴ったから……」


「あっ……あ、あぁ……ち、ちが、ぼ、僕じゃない。僕じゃ……僕は……僕はあの、イスパールの――」


「おめさが…………おめさが殴ったんなら、オラも殴る!!! オラがおめさをぶっ飛ばしてやる!!!」


「あ、あぁぁ……か、金なら、い、いくらでも――」


「アルフィースつぁんを泣かすやつは……オラが全部全部……全ッ部、ぶっ壊してやる!!!!!」


「や、やめ……誰か……誰かぁ!! 僕をっ……イスパールの跡取りをッ、助けろぉぉおおおお!!!」


 太ましい少年は全身を震わせている。機械仕掛けではなく、彼の身体が震えるのは恐怖以外の何ものでもない。


 血まみれの拳を握り込み、真っすぐに歩くパウロ。それは射程圏内とみるや、瞬時に姿勢を下げて低空を跳んだ。引きしぼった拳から赤い軌跡きせきが描かれる。剥きだされた眼球は血走り、その瞳孔はただ“敵”を映している。


 ……なんとも恐ろしい光景だ。それは太ましい少年にとってはもちろんそうだが、周囲で遠巻きに見る人々にとってもそうだろう。だが、何より……。


 他の誰よりもこの光景に恐怖を抱いているのは――――


「パウロ……パウロだめよっ、めて! それ以上はいいから、もう、“止めなさい”!!」


 響く少女の命令。彼女の声は確かに空気を振るわせて響いたが……それだけだった。



 命じられた者が止まることはない。



 だからこの時、パウロの攻撃を“不発”とするならそれは――他の要因となる。


「 !? 」


 拳を構えて跳んだパウロは何かに気がつき、空中で足を石板に突き下ろした。


 無理やり急停止したパウロの足元で石板が弾け割れる。それと同時に、彼の眼前にある石板が“まばゆい輝き”と共に砕かれた。


 パウロは無表情に見上げる。彼の動体視力は一条いちじょうの光が石板をつらぬき砕く様子を見ていたし、その直後に太ましい少年が上空へと連れ去らわれる様子も目撃していた。


 パウロが見上げた先。そこにはまばゆいい光がある。


 目をらすと光の中に人の姿が確認できた。それは輝く黄金の翼を広げて滞空たいくうしているらしい。


 光に包まれている人は“仮面の奥にある瞳”で眼下の怪物的な少年を観察している。



「 何の騒ぎかと思えば……随分と派手な有様ありさまですね。祭りの前とはいえ、節度は守っていただきたいものです 」



 光の中から声が聞こえる。仮面越しに、瞳しか見えないので口の動きは解らない。


 空中で光の翼を広げている人はゆっくりと、地面に降りて抱えていた太ましい少年を降ろしてあげた。


 それが何者かは解らない。パウロにはそれが何者かは解らない。ただ――――


「……おめさもか。そうか、ならよ……仕方ねぇわな」


 口からしたたった血を手でぬぐったが、それも血濡ちぬれているので余計に汚れた。血で化粧けしょうをしたかのように不気味な少年は無表情に新たな“邪魔者”をた。


 対して、黄金の翼を広げている人は上半身裸だが、その姿に不思議を覚えるものは周囲の人々に存在しない。


 そういう者だからだ。“彼ら”はいつも、そのような姿で降り立つことが普通だからである。


「――こちらは帝都守護“ヴァルキュア”、あなたは絶対に逃げられません。どうか、無駄な抵抗は……しないでくださいね?」






第67話 「オラはモンスター(8)」END






|パウロよ。本能に頼る戦いを脱することは重要な事だ。そう、我々“拠り人”にとっては特に、大事な心得なんだ…………|


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ