200字小説・300字小説 朝霧 作者: 柿原 凛 掲載日:2012/09/22 朝の霧に包まれた都会のビル群。それはまるで雲の中にある空中都市。鉛筆で描かれたような淡い景色を横目に、思い切り窓を開けた。まだ薄暗い陽の光がカーテンを優しく撫でる。 昼前になっても霧は晴れなかった。朝よりももっと白さに磨きがかかっている。そうかこれは霧ではなくてただの曇り。気付いた時にはもうお昼のフレンチトーストが焼けていた。 半透明のトレーシングペーパーを上から被せたような景色。曇りも案外悪くない。