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第93話 『ガンドvsオタリオン』

参上! 怪盗イタッチ




第93話

『ガンドvsオタリオン』



 目を覚ましたガンドはオタリオンの侵入に気づく。


「この監獄で暴れる事は許さん!!」


 ガンドは武器を手に取り、オタリオンに向かっていく。しかし、走ってくるガンドにオタリオンは深くため息を吐く。


「君には興味は全くない。所詮は神の幻覚に惑わされた似非信者だ」


「私の神を愚弄するか!!」


 ガンドはレイピアを振り上げて攻撃しようとするが、オタリオンは冷静に白衣の中からカプセルを取り出す。そしてガンドの口を向けてカプセルを投げた。


「な、これは!?」


 カプセルが口の中に入り、ガンドの動きは一瞬止まる。

 そんなガンドにオタリオンはニコリと微笑むと、


「それは俺からのプレゼントだ。さぁ、神の世界に行ってらっしゃい」


「がぁ!? 神よ、私をお救いくださ…………」


 カプセルが爆発してガンドは爆炎の中へと消えていく。その様子をオタリオンは拍手をしながら見ていた。


「あの世で神と再会できることを願っているよ。どうせ君が見たのは幻影だろうけどね」


 ガンドを倒してオタリオンはイタッチの方へと顔を向ける。


「さてと次は君の番だ。怪盗イタッチ」


「オタリオン……」


 イタッチは折り紙を折って剣を作る。そして剣を片手に構えた。


「やる気になってくれたようだね。じゃあ、始めようか、イタッチ!!」


「逃す気はないんだろ。だったらやってやるよ!!」


 イタッチは剣を持ちながら、オタリオンに向かって走る。まだ傷が残っているのか、普段よりも遅いがそれでも意識していなければ、視界から一瞬で消えてしまいそうな速さだ。

 そんなスピードで距離を詰めるが、オタリオンもただ待っているだけじゃない。


 白衣の中に手を入れると、カプセルを取り出してそれを目の前にばら撒いた。


「くっ!?」


 オタリオンとイタッチの間をカプセルが塞ぐ。さらにはオタリオンの投げたカプセルは爆弾だ。

 イタッチは素早く方向転換して、後方へと逃げる。


 カプセルが大爆発をするが、素早く逃げたことでイタッチは爆発に巻き込まれる事はなかった。


「この至近距離で爆弾を使うか……」


 イタッチの接近を防ぐためにオタリオンは爆弾を使った。そのためオタリオンも爆弾に近い距離であった。

 爆炎が消え、人影が見えてくる。そこには無傷のオタリオンがいた。


「自爆をすると思ったか? 俺は爆弾使いだ。自分の爆発でダメージを負うようなヘマはしないさ。全て計算した上で爆弾を投げているさ」


「そりゃーそうか……」


 イタッチは新たに折り紙を取り出す。そして折り紙で扉を作った。


「ここは狭いんでな。広いところに移動させてもらうぜ」


 この縦長の部屋でオタリオンは出口を塞ぐような状態で立っていた。そのためこの部屋で長期戦になれば、イタッチは部屋の奥へ追い詰められる可能性がある。


 イタッチが扉を壁にくっつけると、不思議なことにただの壁のはずが扉になる。

 イタッチはその扉を使って隣の部屋へと逃げた。


「どこに逃げても変わらないさ」


 オタリオンは部屋に元々あった扉から廊下に出てイタッチを追いかけた。




 ⭐︎⭐︎⭐︎




「やばいな。さっきの爆発は……もう騒ぎになってる……」


 隣の部屋へと移動したイタッチは、さらに折り紙で扉を作り、天井に取り付けて今度は上の部屋へと移動した。

 オタリオンとすぐに戦闘を始めても良いが、あの場所には騒ぎを聞きつけた看守がすぐにやってくるだろう。


 オタリオンと看守達を同時に相手をするには、狭い部屋と入り組んだ部屋しかないあの場所では不利だった。

 そのためイタッチは一時的に離脱して、オタリオン達から距離を取る。


「このまま逃げても良いが…………」


 イタッチは走りながら考える。


 イタッチがこの監獄でやるべき目的は完了した。そのためここに長居をする必要はない。

 しかし、ここにはオタリオンが侵入してきている。


「いや、早めに敵の数を減らしておくか」


 ダッチやアンも心配だが、二人なら大丈夫のはずだ。

 それよりも今後のことを考えれば、マンデリンの戦力を減らしておきたい。


「マンデリンが俺を警戒してるってんなら、こっちから仕掛けなくても向こうから来るってことだしな」


 またマンデリンとは戦うことになるはずだ。その前にマンデリンの部下を倒しておけば、マンデリンの戦力が減って楽に戦えるだろう。


「なら、やるしかないなr


 イタッチが廊下を走って移動していると、通路の角のところからオタリオンがひょっこりと飛び出してくる。


「見つけた!!」


「オタリオン!? 脱出路はバレてたか!?」


「当然。甲板に通じる道で最短はここしかないからね!! さぁ、俺のカプセル爆弾を喰らいなッ!!」


 オタリオンは白衣の中からカプセル状の爆弾を取り出すと、イタッチに投げつける。

 一つ一つは指程度の小さなカプセルだ。しかし、その爆発の威力は鋼鉄でできた厚さ20センチの床に穴を開けるほどだ。


 イタッチは折り紙を折ってすでに作っておいた扇風機を投げる。

 最初は手のひらサイズの扇風機であったが、手から離れると巨大化して3メートルの羽を持つ巨大扇風機へと姿を変えた。


「吹き飛ばせ!!」


 扇風機が回って風が吹く。すると、イタッチに飛んできていたカプセルが風に吹き飛ばされて、全然違う方向へと吹き飛んで壁にぶつかり爆発した。


「へぇ〜、噂通り面白い折り紙だね」


「ああ、そうさ。面白い折り紙だろ? これで君を倒すんだからね」









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