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第46話 『新たな敵の予感?』

参上! 怪盗イタッチ




第46話

『新たな敵の予感?』




 四神のメンバーに呼ばれたイタッチ達は、高級レストランで食事を楽しむ。

 皆が食事を終えた頃、ウンランはタイミングを見計らってある話を始めた。


「そろそろ〜、本題と行こうか」


 ウンランがそう言うと、セイリュウとメイヨウは表情を引き締める。何やら重要な話があるらしい。


「お前達、チンヨウという武道家を知ってるか?」


「チンヨウ……聞いたことあるな」


 イタッチはその名前に聞き覚えがあるようで、顎に手を当てて考える。そしてその人物について思い出した。


「思い出した。イタリアの用心棒、チンヨウか」


「ああ、そのチンヨウだ」


 イタッチはその人物とは会ったことがない。しかし、有名な用心棒として名前を聞いたことがあった。

 中国出身の武術家であり、素手で武器を持った傭兵を50人以上倒したという逸話のある人物だ。

 しかし、ある時彼は四神と敵対してしまい、イタリアのギャングに保護してもらう形で亡命。その後はイタリアのギャングに雇われる用心棒になっていた。


 アンはパソコンでその人物について調べる。


「賞金もついてるんですね…………。え!? 3億!? こんなに高額の賞金が!? イタッチさんでもそこまでじゃないですよね」


 驚いているアンに、メイヨウが説明する。


「イタッチは知名度はあるけど危険はないからね。義賊としての要素が強いのよ。でも、チンヨウは違うわ。金さえ払えばなんでもやる。それがチンヨウという人物よ」


 アンがフルフルと震える中、イタッチはウンランに尋ねる。


「それでそのチンヨウがどうした?」


「消された」


「ん? チンヨウが誰かにやられたのか? だが、そう簡単にやられるようなやつじゃないだろ」


「ああ、俺達もそう考えて、イタリアのギャングに確認を取った。だが、確かな情報としてチンヨウが消されていたんだ」


「一体誰にだ……?」


 ウンランはアンの方へと顔を向ける。


「君は前にモカという人物の元にいたようだね」


「え、ええ……。イタッチさんと出会った時ですね」


「モカには弟がいた。同じ軍隊に所属して、実績を積んだ弟が……。名をマンデリン」


 ウンランがそこまで喋ると、メイヨウが携帯電話でデータをアンに送信する。

 アンはパソコンの画面をイタッチとダッチに見せる。

 画面にはマンデリンと思われる人物の写真があり、右目に傷のある二足歩行のヤギが写っていた。

 ウンランは話を続ける。


「前にチンヨウはモカの部下になることを拒んだ。資金が足りなかったからだ。軍規違反をして投獄されていたマンデリンは、監獄から出てから、そのことを知ったマンデリンはチンヨウを消した」


「そんな理由で……」


「マンデリンにとってはモカは大切な弟だ。その愛情が歪み、彼は今暴走している。そしてそんな彼が次にターゲットにするのは……」


 ウンランはアンの方へと目線を向けた。


「君だ」


「私ですか!?」


「マンデリンはモカの敵討ちをするつもりだ。あの時の関係者を片っ端に消している。俺達はその情報をいち早く入手したから、こうして伝えにきたんだ」


 ウンランがメイヨウに視線で指示すると、アンに新たなデータが送られる。


「どこまで役に立つかはわからないが、マンデリンの経歴をまとめておいた。もしも奴と戦うことになったら、これを参考にしてくれ」


「ウンランさん……ありがとうございます!!」


 アンが礼を言うと、ウンランはニコリと笑う。


「さぁ、そろそろデザートを注文しようか!」


「まだ食べるんですか!? ウンランさん!?」



 ⭐︎⭐︎⭐︎



 ロシア、モスクワ。ビルが立ち並ぶ街で、黄色に背中のカブトムシのグラントシロカブトが街を歩く。

 二つ足で歩き、残りの四つの腕は前で組んでいる。


 そんな彼と向かいからスーツの人物が歩いてくる。そしてその人物はグラントシロカブトと肩をぶつけた。


「失礼……」


 ぶつかった後、二人はしばらく何もなかったかのように歩き続ける。だが、5歩進んだところで、グラントシロカブトの様子に異変が起きる。

 両足の力を失い、その場に倒れ込む。


「な、……なにが…………」


 そのまま倒れたグラントシロカブトは意識を失った。

 グラントシロカブトが倒れたことで、他の通行人達が心配して駆け寄る。救急車が呼ばれる中、グラントシロカブトと肩をぶつけた人物はその場から離れていく。


「モカ……お前の望んだ未来…………。それはそうだったよな…………。ふふふふ……しかし、本当に軍には感謝しなければな。この力をくれたことを……なぁ、モカ」








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