第104話 『スペリオンvsネコ刑事』
参上! 怪盗イタッチ
第104話
『スペリオンvsネコ刑事』
ネコ刑事に殴られたスペリオンは後方へと吹っ飛ぶ。
「ぐっ……この……よくも拙者を…………」
奥の壁まで吹っ飛ばされたスペリオンであったが、ダメージを負いながらも立ち上がる。
「だが、時間は稼げている。もう少し……それまで耐える!!」
「残り時間は後少し……それまでに決着をつける!!」
ネコ刑事はスペリオンを追い詰めるために走って追いかける。向かってくるネコ刑事を見て、スペリオンは新たな忍法を発動させる。
「禁術忍法、玉手箱の術!!」
「玉手箱!?」
「ククク、この忍法を使うことになるのはな……さぁ、発動!!」
スペリオンの全身を蒸気が包み込む。
「な、何が……」
ネコ刑事とコン刑事が見守る中、蒸気が薄れていき、スペリオンの姿が露わになる。そこで現れたのは10歳ほど歳を取ったスペリオンの姿であった。
「ククク、これで拙者は10年分の力を手に入れた。お主の三分間の制限付きの力が上か、拙者の10年の研鑽が上か。試してみろ!!」
「ただ歳を取っただけだ。このまま殴り倒す!!」
ネコ刑事は変化したスペリオンへと走っていく。
「くらえ!!」
「忍法、針千本の術!!」
接近したネコ刑事はスペリオンを殴ろうとする。しかし、ネコ刑事の手がスペリオンへと近づいた時、スペリオンの全身からトゲが現れて身を守った。
「ぐっ、トゲ!?」
ネコ刑事の拳にトゲが刺さる。拳に刺さったトゲから流れる血を舐めて、スペリオンは不気味に笑った。
「ククク、これで殴れないだろう……」
「いや…………」
全身をトゲで包むことでネコ刑事の攻撃が来ないとスペリオンは安心する。しかし、ネコ刑事はトゲが刺さった拳を奥へと進める。
「この程度は問題ない!!!!」
「ぐは!?」
トゲを深く刺しながらもネコ刑事は拳を押し込んでスペリオンを殴る。スペリオンは壁に背をつけて口から血を吐き出す。
「馬鹿な……トゲを刺しながらも…………」
スペリオンが動揺する中、ネコ刑事はトゲで包まれたスペリオンの身体を両腕で殴り続ける。
「ぐふ……このままでは…………針千本の術、解除…………」
殴られる中、スペリオンは術を解除する。そして今度は新たな術を発動させた。
「液体化の術……」
壁を背にして追い詰められていたスペリオンは、身体を液体にしてネコ刑事から逃れる。流動する身体を利用して、ネコ刑事の背後に回り込むと、
「液体化の術、解除……そして腕力上昇の術!!」
ネコ刑事の背後に回り込んだスペリオンは、ネコ刑事の首に両腕を巻き付ける。そして力強く首を絞めた。
「はぁはぁ、このまま締め落としてやる……」
「やられるかよ!!」
ネコ刑事は背後にまとわりつくスペリオンを、身体を大きく振って払い飛ばす。ネコ刑事のパワーで振り払われたスペリオンは、上空に飛んだ。
「ぐっ……」
スペリオンは空を舞った後、地上へ落ちていく。そんなスペリオンの落下地点でネコ刑事は拳を握りしめて構えた。
「これで最後だ、スペリオン!!!!」
ネコ刑事は落下してくるスペリオンに、タイミングを合わせて拳をぶつけるつもりだ。
ネコ刑事のパワーアップも残り数秒であり、ここで決着をつけなければ、スペリオンを倒すことができなくなる。
しかし、スペリオンも大人しくやられるはずもない。
「このぉ、手裏剣乱雨!!!!」
落下しながらネコ刑事に向けて手裏剣の雨を降らせる。ネコ刑事は身体がボロボロになりながらも、逃げることはせず、狙いを定める。
「行くぞォォ!!!!」
「拙者は負けぇぇん!!!!」
ネコ刑事は落下してきたスペリオンに拳を振り上げる。拳はスペリオンの腹に直撃して、鈍い音を鳴らしながらスペリオンを再び宙に浮かせた。
「ぐはぁ!?」
スペリオンは虹のような半円を描きながら、宙を舞って地面に激突する。
スペリオンが仰向けに倒れると同時に、ネコ刑事も膝をついて座り込んだ。
そして空気が抜けるように全身を覆っていた筋肉が縮んでいく。
「時間……ギリギリだった……か。はぁはぁ、なんとかなった……」
ネコ刑事が座り込むと、コン刑事がネコ刑事の元へと駆け寄る。
「先輩!!」
「僕は少し疲れた……ちょっと休ませてもらうよ」
コン刑事がネコ刑事を支えると、ネコ刑事は安心したようにスッと眠りにつく。ネコ刑事の全身は赤く腫れており、先ほどのパワーアップの負担が大きかったことが一目でわかる。
「はい。ゆっくり休んでください。後はアタシが頑張るっす」
⭐︎⭐︎⭐︎
拙者は裏切られた。そう、裏切られたんだ。
命令に従い、敵を数々の敵を倒し、守り続けてきた。しかし、所詮は拙者達は道具。
ただの道具として使われていただけだ。
⭐︎⭐︎⭐︎
「拙者は……負けん…………こんなところで終わるわけにはいかん……のだ」
スペリオンは傷ついた身体を無理やり動かして、仰向けからうつ伏せになる。そしてふるふると震える手足でゆっくりと身体を起き上がらせる。
「う、嘘、あれだけの攻撃を喰らって、立ち上がれるはずが……ないっす…………」
コン刑事はネコ刑事を抱えながら、立ちあがろうとするスペリオンの姿に恐怖を感じる。
「拙者の恨みは……まだ晴らせていない…………」




