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参上! 怪盗イタッチ  作者: ピラフドリア


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第101話 『忍者vs警察官』

参上! 怪盗イタッチ




第101話

『忍者vs警察官』




 フクロウ警部とはぐれてしまったネコ刑事とコン刑事。彼らの前に現れたのは忍者であった。

 黒い布に身を包み、小刀を背中に背負っている。


「何者ですか?」


 ネコ刑事が尋ねると、忍者は握った手を前に突き出す。


「拙者はスペリオン。マンデリンの命令で君達の相手をするように命令された」


 スペリオンが手を開くと、その拳の中には鍵があった。


「先程の放送は覚えているだろう。これは飛行船の奥へ行くために必要な鍵だ。これがなければ、君達はこの先に進むことはできない」


「つまりあなたがマンデリンが仕向けた刺客ってことっすね……」


「そういうことだ。ククク、鍵が欲しければ拙者に戦って勝ってみせろ。拙者を倒すことができれば、この鍵をやろう!!」


 スペリオンは鍵を服の中へとしまう。そして小刀を抜いて構えた。


「コン刑事、君は下がっててくれ、ここは僕がやるよ」


「いえ、アタシも戦うっす。先輩だけに負担はかけられないっすからね。二人で協力するっす!!」


「そうか。頼りにしてるよ。コン刑事」


「アタシもっすよ!!」


 ネコ刑事は警棒を抜く、コン刑事は両拳を握りしめて姿勢を低くした。二人の姿を見て、スペリオンはクククと笑う。


「2対1か。それくらいのハンデでちょうど良いくらいだ。行くぞ!!」


 スペリオンは天井に届きそうなほどジャンプする。そしてその高さから片手に小刀を持ったまま、もう片方の手に手裏剣を持つ。


「手裏剣乱雨!!」


 空中から二人に向けて手裏剣を投げる。一度に大量の手裏剣を的確に投げてくる。


 ネコ刑事は左へ、コン刑事は右へ飛んで左右に分かれて躱す。


「次はこっちの番っすよ!!」


 手裏剣を避けたコン刑事はジャンプした後、さらに壁をキックして高く飛ぶ。通常のジャンプではスペリオンのような跳躍はできないが、壁を挟むことで距離を伸ばした。


「ここまで飛んでくるか……」


 スペリオンは小刀を振って飛んできたコン刑事を切りつけようとする。しかし、コン刑事は空中であるが、うまく攻撃をさばいてスペリオンの懐に入り込む。

 そして胸ぐらを掴むと、背負い投げの要領で地面に叩きつけた。


「ぐっ……」


「逮捕するっす!」


 コン刑事はそのまま押さえつけて手錠をつけようとする。しかし、そう簡単にはうまくいかなかった。


「身代わりの術!!」


 スペリオンがそう叫ぶと、押さえつけていたはずのスペリオンが丸太へと姿を変える。


「消えた……どこ行ったっす!?」


 コン刑事がスペリオンを見失っている中、スペリオンは霧と共にコン刑事の背後に現れる。


「ここだよ……」


 小刀を振り下ろし、コン刑事の頭を狙う。しかし、振り下ろされた刀をネコ刑事が警棒で弾いてコン刑事を守った。


「させません!! 後輩は僕が守ります!!」


 ネコ刑事は警棒を振ってスペリオンを遠ざける。

 スペリオンが一旦退くのを確認すると、ネコ刑事はコン刑事に手を伸ばした。


「大丈夫?」


「ありがとうっす。やっぱり先輩は頼りになるっすね」


「やめろ。照れるだろ……。それにまだ終わってない」


 コン刑事を立ち上がらせて、二人はスペリオンと向き合う。


「ククク、なかなか良いコンビのようだ。拙者を嫉妬しちゃうじゃないか……」


「そうか、警部もいればもっと嫉妬させられるんだがね」


「そりゃぁ残念だ」


 向き合って会話をしていると、ネコ刑事はスペリオンも右目に傷があることに気がつく。

 布で顔を覆っているため、今まで気が付かなかったが、Yの字になっている特徴的な傷だ。


 その傷を発見して、ネコ刑事はあることを思い出してスペリオンの顔をよく見る。すると、その顔に見覚えがあることに気がついた。


「まさか……お前は!?」


 布の奥に見えた特徴的な目の傷に鱗の皮膚。

 このアメリカワニの顔をネコ刑事は見たことがあった。


「先輩? あの人を知ってるんすか?」


「コン刑事は知らないか……まぁ、僕も直接見たわけじゃなくて、写真で知ってるだけだけど…………」


「何者なんすか?」


 ネコ刑事はスペリオンを指差す。そしてその名前を叫んだ。


「まさかこんなところにいるとは……。指名手配犯、金澤・ジョージ!!!」


「拙者のことを知っているとは……。嬉しいね」


 スペリオンは嬉しそうに布を引っ張って顔を隠し直す。


「金澤? 何者なんすか?」


「元要人警護のプロだ。総理大臣から宗教家まで多くの有名人の護衛を務めてきた……。でも、やりすぎたんだ」


「やりすぎ?」


「護衛対象を狙ってきた刺客を逮捕するのではなく、力で屈服させる。敵を必要以上に傷つけてしまったんだ。その結果、要人警護の仕事は辞めることになってしまった。だが、その後事件を起こし、国外逃亡、行方不明になっていた」


「そんな方だったんすか……」


 ネコ刑事の話を聞き、スペリオンはコクリと頷いた。


「正解だ。拙者の人生はほぼ君の説明通り……しかし、一つ訂正したいことがある」


「訂正?」


「警護の仕事は辞めさせられたのではなく、拙者から辞めたんだ。拙者を雇う依頼人達に失望してな……」


 スペリオンは顔の前で手を合わせる。そして指を絡ませると、


「忍法、分身の術!!」


 スペリオンの姿が横にズレて、複製される。スペリオンが二人、スペリオンが三人、スペリオンが四人と増えていき、最終的にスペリオンが五人に増えた。


「「分身の術!?」」


ネコ刑事とコン刑事が声を荒げて驚く。そんな二人に増えたスペリオンは頬を上げながら笑う。


「ククク、漫画やアニメだけの空想の技と思っていたか? 残念、拙者は本物の忍者の末裔だ。君達に本当の忍術を見せてあげよう!!!!」








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