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咎人病
咎人病とは、リキッドの過剰な使用によって引き起こされる青色圏特有の病である。
発症すると、倦怠感や激しい嘔吐などの自覚症状を伴いながら僅か数分で耳や鼻から黒い血を流して死亡し、その致死率は一〇〇%と云われている。
それだけでも恐ろしい病ではあるのだが、この病の最大の特徴は、その致死率の高さではなく患者の死亡後に起きるある変化にある。
その変化とは、死亡した患者の怪物化と《外の力》と呼ばれる人智を超えた力の発現である。
通常、咎人病に感染した患者は二四時間以内に死亡するが、ごく稀に死後数時間以内にフェンゲと呼ばれる異形の怪物となって蘇る場合があり、この時に付与される力が《外の力》と呼ばれる人智を超えた力である。