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魔素機関及び魔道具

◎魔道具と魔素機関について

◯概要

 魔素機関とは、ソーラルドで広く普及している魔力魔結晶を用いた動力のことで、魔法学が目指した『全ての魔法が使えるようになる』を体現したもので、魔法学の集大成と位置付けられている。

 初期の魔素機関は、ガラス瓶と人工電振帯(ヴォイスの瓶と呼ばれる電気を溜める装置と起電機、穴の空いた金属製の円盤)とふいごから成っており、側面のハンドルを回す、もしくはスイッチを押すことによって起電機が作動し、円盤に電気が流れ、そこにペダルを踏んでふいごから空気を送り込むことにより電気を帯びた音を生み出し、それをふいごによって瓶の中に溜めた空気の中を通過させることによって機械的に魔術を発現させるという仕組みであった。当初は全ての魔法を再現するという目論見であったが、結果的には微弱な風魔法の再現に留まってしまった。

 そのため初期は再現する魔術の威力に比例して装置が巨大化していったが、電池の発明やぜんまいの導入、送電設備の普及、エーテル化(高濃度の液体魔素が気化した状態。気体だが傾けると液体のような動きを見せる特徴がある。高濃度の魔素にのみ確認される現象)の発見とカートリッジ(エーテル化した魔素を入れるガラス管)の登場、さらには電波の発見などにより急速に小型化が進んでいき、同時に消費する電気の量も減っていった。

 現在は小型のものが主流となっているが、工場や列車などの動力には複数のカートリッジを束ねた大型のものが使用されている。

 また、発電機には蒸気機関や水車、風車が、船舶や列車の起電装置には蒸気機関が使用されている。 

 魔素機関の登場は、それまでの社会構造を一変させた。それまで用いられてきた馬や風水車、さらには最新の技術であった蒸気機関までも動力の座から引き摺り下ろしてしまい、各地には魔素機関を動力とした大規模な工場が次々と建てられ、野を列車が、市街地を自動馬車が駆けていき、転送魔法を応用した上下水道が整備され、都市部を中心に急速な近代化が進み、世に言う『魔素革命』が起きることとなる。

 同じ頃、オルキス帝国では『魔術追放運動』が起こり、それと連動するように近代魔法学を中心に据えた工業化が急速に進んでいった。


◯魔素について

 魔素は、魔法や魔術の行使に必要な物資で常温常圧でやや青みを帯びた(ただし、肉眼では殆ど見えないくらいの青みである)気体として存在しており、圧縮し、超低温で冷却することによって濃い青色を帯びた液体となる。

 魔素機関に使用されている魔素はエーテル化されており、これを得るには液体空気から魔素を分留(魔素は窒素よりも沸点が低い)し、それを圧縮、または超低温で冷却することによって得られた高濃度の純粋な液体魔素を専用の容器内で気化させる必要がある。

 

◯魔結晶について

 魔結晶とは魔素を多量に含んだ鉱物のことで、鉱山や洞窟の中など、この世界のありとあらゆるところに分布している。

 かつては、エーテル状の魔素を得るために原材料として利用されていた。

 魔結晶は安定しており、火や衝撃などに強く水晶と同程度の硬度を持っている。また、ルチルグ酸(地表から湧き出る酸性の液体)に溶けやすい性質があり、魔結晶をエーテル状に加工する際にはこの性質を利用している。


◯魔素機関及び魔道具一覧

動力

 鉄道や船舶、工場のなどの動力に使用されている大型の魔素機関。カートリッジを束ねたユニットと呼ばれるものを使用している。

 風と土の魔術から成り、風魔術で直接ピストンや車輪を動かすことによって推進力を得て、相対する土魔術をブレーキとして用いている。


カートリッジ

 エーテル状の魔素を納めたガラス管で、両端に端子が取り付けられている。この端子から各人種の電振帯と同じ周波数の電波を中の魔結晶に流すことによって人の手を介さずに人為的に魔術を再現する。

 

伝言機

 転送魔法を利用した通信機器で、主に列車や都市部で使用されている。列車にあるのは旧式、都市部で使用されているのは新式である。

 旧式は互換性がないため複数の相手と話す場合には相手ごとに送受信機を用意する必要がある。

 一方、新式は交換所と呼ばれる場所に連絡し、通話先の番号を伝え、転送魔法を同期させることで通話を可能にする仕組みである。


上水道

 転送魔法により浄水場と各家庭の水道を繋ぐことにより成立している。


魔灯(まとう)

 魔素機関と共に普及した照明器具。鏡面仕上げの笠にカートリッジが取り付けてあるだけのシンプルな形状で、通電することで光を放つ。天井から吊るすタイプと壁に取り付けるタイプの二通りがある。


魔素銃(まそじゅう)

 魔力の塊を弾丸のように撃ち出せるようにした銃。撃ち出し用の小型のカートリッジを使用する。(ちなみに使い捨てである)冒険者や猟師向けに市販されている。(ただし、所持するには組合への加入と免許の取得が義務付けられており、違反者は厳罰に処される場合がある)

 仕組みは、弾き金を引くことでカートリッジを納めた弾倉が回転して魔力の塊(魔弾)を発射する、というシンプルなものである。

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