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玄関前には槍ジジイ

再投稿のことを忘れていましたm(__)m


周平視点

「はあー」


 眞子さんが目の前の建物に唖然としている。


「思い出すな、湊も初めてこれを見たとき同じ顔だったな」

「私は小学生だったから驚きよりも恐怖を感じてたけどね」

「これは門と言っていいんですか?」


 俺達三人の前には友人宅の門がある。

 ただし二階建ての蔵の真ん中に木造の扉が付いているような門だ。門だけで一つの家と言えるぐらいの大きさがあった。

 その大きさと立派な佇まいに慣れてない人は竦んでしまうかもしれない。


「もしかして私はとんでもない家柄の御子息に粗相をしていたのでは・・・」

「「いやいやいやいや」」

「眞子さん、あの友人だよ?俺なんて二日に一回はツッコミであいつを殴るか蹴るかをしてるよね」

「落ち着いて眞子ちゃん。あの友人君だよ。はい深呼吸しようスーハースーハー」


 湊に言われて深呼吸する眞子さん。


「あ、はい。あの友人君ですもんね。この門構えに委縮してました」


 落ち着いた眞子さんは湊に頭をよしよしされる。

 友人よ、お前の評価はお金があってもお前自身で低くなるんだな。少しだけ眞子さんのあの部分の内容が知りたい。


 門の中に入っていく。

 一部屋分ぐらいの幅はある門の中は薄暗い。日が入らないので少し湿った感じが独特だ。


 怖いのか眞子さんは湊に抱きついた。


「大丈夫だよ。門の壁になっている部分の中はただの小屋だから。昔見たことあるけど農機具やお皿とかの食器だから」

「昔、友人と中に入ってお宝探しとかしたな。骨董品なら売れば金になってお菓子が買えるかと思って、皿は全部最近の安い物でがっかりしたが」


 二人ともそんな目で見ないで、子供の頃よ子供の。


「さて、もう見えてるけどあれが閑名家名物の通称槍ジジイ。ある程度の実力者を試そうと待ち構える友人君のお祖父ちゃんだね。槍ジジイとか言ってるけど流石に穂先は布を丸めたものになってるけど」


 門の中から湊が指差す先は閑名家の玄関前。そこには道着姿の小柄な禿げたジジイが槍を持って仁王立ちしていた。


「あの湊ちゃん。今バラしてもいいの?あのお爺さん顔真っ赤にしてプルプル震えてるよ」

「大丈夫、門を越えるまでは絶対に襲ってこないから」

「番犬と同じだよ。ただ学習しないで何度も襲ってくるちょっとお馬鹿な犬だけど」

「そうそうだから面倒くさくなって、私はあまり閑名家に来なくなったんだよね」

「犬ならまだしもしわしわのジジイじゃ可愛くもないしな」

「いつも家にいるからいない時に来るのも出来ないし」

「無駄に元気なのも困るよな、前に友人に聞いたけど風邪を引いたこと一度もないんだってよ」

「馬鹿は風邪ひかないのを体現してるのか・・・」

「ふ、二人共止めてあげませんか。お爺さん泣いてますよ」


 甘いな眞子さん。友人の祖父がこのくらいでへこむわけがない。一時間もしないうちに復活するからな。


「周平、荷物持ってて。ん~今日の獲物は何にしようかな」


 湊は自分の荷物を渡すと門の中の端に置いてある傘立てを物色し始める。


「あれは?」

「槍ジジイに無手で挑むのが面倒になった人達が置いていった武器がいろいろと入った傘立て。毎回武器持参もめんどいから置いていくの。今は誰が使ってもいいようになってるね」


 俺が説明すると眞子さんからはぁ、と納得していない返事が返ってくる。


「眞子さんは使うことないよ。普通の人には襲い掛かることはないから。強者にこそ挑む価値があるとか言ってたし」


 閑名家の人の価値観が一人一人違い過ぎて長年の付き合いがある俺でもわからない部分が多い。


「友人の行動でわかっていると思うけど、理解せずに閑名家はこういうものだと流した方が良いから。無理に理解しようとすると構われたと思ってしつこく寄って来るし」

「それはすごくわかりやすいです。もう少し前に聞いていればと思うぐらいに」


 ごめんな眞子さん。友人があんなに早く行動に移すとは思わなかったのよ。


「湊ちゃんが武器を選んでいるってことは」

「槍ジジイの強者センサーに湊は引っかかっているんだよ。今はしてないけど小学生の頃は俺も湊も閑名家の道場でしていた子供向けの武術を習ってたから」

「また後付け情報が・・・。いえそれより湊ちゃんは大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫、見てればわかるから」


 眞子さんは頭の良い湊は見たことあるけど、運動のはまだ知らないんだよな。まあ閑名家来訪はいい機会だろう。


「周平君は・・・」

「ああ俺は強者センサーからは外れたから」


 言いにくそうにしていた眞子さんに先に答える。身体が壊れる前なら槍ジジイはいい練習台だったんだけどな。

 いまは俺だけなら槍ジジイは出現しないので、一人で友人宅には時々来ている。


「よし!今日は君に決めた!」


 湊が選んだのは傘立てにある木刀や稽古用の槍でもなく、その隣に置いてあった竹ぼうきだった。


「え?それでいいの湊ちゃん」

「いいのいいの、槍ジジイならこれくらいで」


 心配する眞子さんに湊は竹ぼうきをくるりと回して見せる。それは素人が見ても何かやっているような動きだった。


 湊を先頭にして門をくぐり終わる。


「遅いぞ穂高の嬢ちゃん!ワシを待たせるとは随分と偉くなったもんじゃのう!」


 槍ジジイが槍でドンと地面に敷かれた石畳を叩く。


「お爺ちゃん、前にお婆ちゃんに石突で地面を叩くなって言われたの覚えてないの?」

「ふんっ。婆さんは何年も前に死んだんじゃ。ワシはもう好き勝手にするもん!」


 ジジイがもんとか言うなよ。湊は呆れてるし、眞子さんもドン引きだぞ。


「はあ、じゃあ死んだ後にお婆ちゃんに怒られるといいよ」


 湊が竹ぼうきを構える。穂先は掃く側だ。

 その構えは堂に入っている。


「一年と63日来なかったから衰えとると思ったがそれなりに稽古はしとるようじゃの」

「しゅうへーい、お爺ちゃんがストーカーになってる!」

「人の彼女をストーカーすんなよ爺さん」

「するか!ワシはばーさん一筋じゃ!穂高の嬢ちゃんのような強者だから覚えておっただけじゃ」


 叫ぶ槍ジジイ。

 いやいや、日数を数えてたなんてどんだけ湊を待ってんのよ。


「周平君、私の頭の中が新情報で渋滞を起こしかけているんですが・・・」


 待って、槍ジジイでいっぱいだろうけど閑名家はまだいろいろとあるから。


「穂高の嬢ちゃんは得物はそれでいいのかのう」


 槍ジジイが構える。こちらも長年の稽古のおかげか綺麗な型だ。


「槍ジジイのお爺ちゃんならこれで十分だよ」

「ふん、ぬかしよるわっ」


 槍ジジイは言葉と共に突きを放つ。


「ほい」


 それをあっさりと竹ぼうきで払う湊。


「やるのう!腕は落ちとらんではないか」

「よ、ほ、は、槍ジジイは相変わらずだけどね」


 湊は槍ジジイの突き、払いの攻撃を竹ぼうきでいなし、時には避けていた。その顔には必死さはない。


「えと、もしかして湊ちゃんはかなり強いんですか?」


 最初は目を瞑っていたりしていた眞子さんだが湊の余裕に見える動きに慣れてきたようだ。


「あーいや、槍はそこまでじゃなかったような。たぶん槍ジジイの槍を見て覚えたんじゃないかな」

「でも余裕そうですよ」


 そろそろ体力の底が見えてきた槍ジジイの突きを大雑把に打ち払い始めた湊。


「うんあれはね、ぶっちゃけると槍ジジイはそこまで強くない。せいぜい普通の人より少し上ぐらいの技術しかない」


 ここまできたら言ってもいいだろう。


「え?だって道場を開いているぐらいで」

「道場は普通に護身術とか無手で相手を倒すのを教えてて、槍は爺さんの完全な趣味でしかも何十年稽古しても全く上達しないという謎の下手の横好き状態です」


 あ、眞子さん口が開いてポカーンとなった。

 まあわかるよ。

 でも槍ジジイの腕が凄かったら閑名家に人が近寄れないから、弱いのに強い人しか相手しないから放置されている。強かったら閑名家全員で爺さんの手足を折って動けなくするぐらいはしただろう。


「ほい」

「はうっ」


 湊が槍を弾いて飛ばす。というか爺さんがはうっとかい言うな。


「はいはい、今回も負けだね~」

「こらっ穂高の嬢ちゃん竹ぼうきでつつくな!チクチクするじゃろうが!」

「そのために竹ぼうきを選んだからね。ほ~らその光る頭があいてるよ」


 数分間、槍を取られたただのジジイは湊に弄ばれ汗だくで倒れた。微妙に艶めかしく倒れているのがムカつくのが、さすが友人の祖父といえよう。


「無駄な殺生をしてしまった。なむー」

「いやいや死んでませんよ」


 拝む湊にツッコむ眞子さん。いつもなら俺がツッコむところなので楽になったな。学校とかでは真面目にしているけど湊はけっこうボケるからな。これからは眞子さんに大部分は任せよう。俺には友人というボケの塊がいるから。


「お爺さんはあのままで大丈夫なんですか」


 倒れたままの爺さんを心配する眞子さん。

 俺達には無い心だ。いつまで眞子さんは優しい心を保つことができるだろうか。


「大丈夫大丈夫、下手に近づくと胸とかお尻を触ってくるよ」

「あ、それなら大丈夫ですね」


 あっさり優しい心を手放す眞子さん。やはり大きいものを持つとそれなりに嫌な事があったのだろう。爺さんを見捨てるぐらいには。


「今の時間帯なら爺さんとたぶんゲームでもして爆睡している友人ぐらいしかいないから勝手に上がろう」


 俺が先導する。子供の頃から勝手に出入りしていた友達の家だ。台所に何があるかも知っているぐらいだ。


「ちわー」


 なかなか年季の入った引き戸を開ける。


「おう、ようやく来たな周平」


 開いた玄関には俺が今一番会いたくない赤い髪の女性、友人の姉が仁王立ちで待っていた。

周平「雑魚ボス倒したら大ボスが現れたよ」

眞子「友達のお爺さんを雑魚ボス呼び・・・」

湊「実際槍ジジイは雑魚だからね」


槍ジジイはまだまだ出てくるよ!だって今の筆者の心の癒しだから( ´∀`)

さあ、まだ友人の姉の名前を考えていない!

十日前ぐらいに考えたけど完全に忘れたよ♪

湊の身体能力は後程、槍ジジイでは軽い運動にもなりませんでした(;・ω・)


筆者はパソコンからスマホに文章を移して投稿しているのですが、メモ帳アプリに書かれているタイトルが槍ジジイ、女装、ショタ、奴隷、生徒会長となかなかカオスな単語が並んでます(;・ω・)昨日までの筆者は何者だ!Σ(-∀-;)


再投稿後書き

いましと打ち込むとショタ、はと打ち込むと覇王様、ちと打ち込むと長兄です。

うん、筆者はあまり成長していませんな(*´∀`)

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