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あの人を餌付け


周平視点


 おお神よ、罪深い俺を許してくれ。

 苦難から逃れるためにある人を生贄に立ててしまいました。

 でもしかたがなかったのです。

 生き物も構われ過ぎると衰弱するし、物も摩耗していきます。


 俺と眞子さんも同じなのです。

 このままでは俺は疲れ切っているところを湊に襲われかねないです。

 眞子さんは友人の本を描いてばら撒く計画を立ててました。湊と友人にバレないように広めるにはどうしたらいいか相談しているあたりが本気を感じます。

 

 少しでもいいので休みたかったのです。

 それで俺はあと数日で湊から逃れますし、眞子さんも通常の状態に戻った時に罪悪感を感じなくて済むのです。


 だからエサで生贄を釣りました。

 現在釣られている最中の身代わりがこちらです。


「はい先生、こっちは果物がたっぷり入ったのですよ。あーん」

「あーん」


 湊に促されて生贄が大きく口を開く。え、それ一口で食べるの?


「モグモグ、フルーツが甘いですね」

「それは果物のミックス缶詰を入れてます。甘過ぎましたか?」

「いえ、先生は甘いほうが大好きなので最高です!」


 俺が材料を教えると笑顔を向けてくれた。


「はい先生、こちらは生地は抹茶なのに中はチョコレートクリームですよ」


 今度は眞子さんが勧める。


「むむ!それは食べてみないとわかりませんね!先生のおなかはまだまだ入りますよ!」


 生贄もとい梅ちゃん先生は今日も元気いっぱいだ。


 眞子さんの限界が近づいているのに気づいた俺は、その日の夜中にこそこそとデザートを作成する。

 包丁を持つことを禁止されていたので、包丁を使わないデザートを作ることにしたのだ。朝になって出来たデザートを湊に見られて正座させられたが。左腕は使ってないよ!右腕と両脚しか使ってないよという俺の言葉は届かなかった。


 そしてデザートでチョロインの梅ちゃん先生を誘い出し、昼休みの癒しの生贄になってもらった。


 昼食は各々が用意した物を食べる。

 俺と湊は時東穂高母達の合作弁当。友人は大量のコンビニおにぎりと総菜、眞子さんもコンビニで買ってきたもの。

 梅ちゃん先生はちっちゃいお弁当持参だったが、生徒が先生の横を通り過ぎる度になにかおかずを分けていく。食べている間におかずが増えていく謎現象が起きていた。


 湊調べでは梅ちゃん先生は食べるものが少ないとき誰かが食べ物を分け与えてくれる特異体質らしい。なにそれ?そんなスキルを人が持てるの?


 実際は学校で人気者のミニマムティーチャーが食べる量が少ないとみんなが心配するだけのようだ。孫にいっぱい食べさせたい祖母感覚なんだろうな。たぶん俺もだ。


 食べ終えたところにデザートをドンッ!


 出したものは牛乳パック二つ。


 がっかりする梅ちゃん先生の前で牛乳パックを開くと二色のロールケーキが現れる。

 持ち運びに便利なんだよな牛乳パック。そのまま捨てることもできるし。


 白いフルーツたっぷりのロールケーキに、緑の抹茶のロールケーキだ。

 動画を見て作ってみたよ。

 二つ作ってお子様、大人どちらも対応してしている。


「どうしてその気配りを自分に向けないのかな周平は」


 聞こえないよ?


 そして現在、梅ちゃん先生は両隣りに湊と眞子さんを侍らせてロールケーキを食べさせてもらっている。


 湊は梅ちゃん先生をかまえて楽しそうだし、眞子さんも笑顔なので癒されているようだ。

 よかったよかった湊は楽しい、眞子さんは癒され、梅ちゃん先生はお腹が満足する。誰も損していないので俺は満足である。


 俺と友人は対面で三人を見ながら緑茶を飲んでいた。


「ちょっとは落ち着いたか」

「あ~少しは、流石にこのほのぼのした光景みたら少し冷めた」


 友人は気の抜けた顔をしている。

 よし普段の友人に戻りつつあるな。


 眞子さんが懐が広い人でよかった。友人が嫌われていたら湊にも影響が出てしまう。俺はギスギスした友達関係は御免被りたい。


「迷惑かけるなよ」

「・・・少しは考える」


 おや、友人が悩んでいる。眞子さんの事が余程気に入ったのか。

 湊の気が済んだら俺がフォローしてやろう。


「時東君!抹茶とチョコの組み合わせは凄いですよ!」

「それは試しで作ってみたんですよね。普通のクリームの方が良かったかもしれません」

「いえいえ大人向けの味で大好きです。大人の先生が好きなんだから間違いありません」

「ソウデスカ」


 本当の大人は大人を連呼しないと思います。


「はい先生、緑茶ですよ」

「口の中をリセットしてフルーツの方を食べましょうね」

「ずっとループ出来るじゃないですか!早く飲んで食べましょう」


 再び梅ちゃん先生は湊と眞子さんにお世話され始めた。


「いや本当に俺でも和むわ~」

「俺も同意する」


 孫を見る目の友人に頷いた。


湊「持って帰れないかな・・・」

眞子「ダメですよ飼えないんですから」

友人「教師をペット扱いかよ」

周平「実際行動は小動物だからな」


もう一つの作品もロリィ、こちらもロリィ・・・、筆者は暑さにやられてしまったのか?(;´д`)

どちらも小動物で性格は正反対のロリィ達です。(*´ω`*)

いかん、一度頭を空っぽにしよう。


再投稿後書き

…この回を書いていたときに、後の想像主になる純様を他の作品で書いていたみたい(;・∀・)

いまはのじゃ姫を丁度書いているのは運命?(;・ω・)

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