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グレイ(梅ちゃん先生)確保!

周平視点


 前方を梅ちゃん先生が歩いていた。


 成人女性の平均身長を下回る彼女は歩幅も小さい。それでも大人としての威厳なのか大股で歩いている。

その姿が私頑張ってます!という感じで可愛らしい。

 梅ちゃん先生の周囲を歩いてる生徒もほっこり顔だ。


「こう、子猫や子犬がただ歩いている動画に和むのと同じ感覚だな」


 友人がほっこり顔だ。


「本当ですね。魂が浄化されるようでむず痒いような」


 眞子さん、腐が浄化されてませんか?


 梅ちゃん、梅ちゃんと生徒に挨拶されている。その度に訂正をして挨拶をしていた。それだけで生徒達はほっこり顔である。


 湊は周囲に慕われるが、ある程度はそういう風に湊自身が仕向けている。好意印象を大勢の人に向けられるにはそれなりの努力が必要なのだ。


 梅ちゃん先生にはどうもそれがない。

 小さい身体を全力で使って生徒に向かい合っている。そこには損得や駆け引きはないのだ。滅私奉公に近いだろうか。


 湊とは反対方向の天然カリスマ、それが梅ちゃん先生だろう。


 梅ちゃん先生は声を掛けられるたびに挨拶している。そのせいであまり進行方向に進んでいない。後から来ている俺達の方が梅ちゃん先生に近づいている。


 友人と目を合わせる。

 さすが昔からの親友だ。何も言わなくても俺がやりたいことがわかったのだろう。


 二手に分かれて梅ちゃん先生に近づく、俺は梅ちゃん先生の右側で友人は左側からだ。

 眞子さんは俺達の行動に首を傾げている。これから慣れていってほしい。


「「おっはようございます梅ちゃん先生―」」

「はうわっ!」


 友人が梅ちゃん先生の持っていた学級日誌を奪い取り、俺達は梅ちゃん先生の手を取りバンザイさせた。


「な、ななんですか!?」

「いぇーい、グレイ確保ー」

「このまま教室まで連行しまーす」


 パニック状態の梅ちゃん先生。

 今の俺達は有名な宇宙人と手を繋いでいる写真と同じ状態だ。


「時東君に、閑名君!何をやっているんですか、早く手を離してください」


 梅ちゃん先生は逃れるために手を振りほどこうとするが、あまりに非力すぎて自分の体の方が捩られていた。


 俺と友人が少し力を入れるだけで持ち上がってしまう。


「梅ちゃん先生軽いね。ちゃんとご飯食べてる?今日は多めに弁当作ってきたからおすそ分けしようか」

「むきー!ちゃんと食べてますよ!でもいただけるものはいただきます」


 本当にこの人は成人女性なのだろうか。実は飛び級した小学生・・・は流石にない。


「まあまあ、生徒に慕われていると思って付き合ってやってください。挨拶で教室に行くまでに先生が疲れないように二人はやっていますから」


 いつの間にか友人から学級日誌を受け取っていた眞子さんが梅ちゃん先生に告げ口する。

 言っちゃだめだよそこは。


「本当ですか?」


 純粋な目で見られる。

 

それもあるが友人と梅ちゃん先生でグレイごっこ出来るんじゃねと以前に話していたのだ。絶対にそれを悟られてはいけない。


「「ええそうですよ。それ以外になにか?」」


 おお友人よ、ハモったな。俺とおんなじ考えのようだ。


「はぁ~生徒の好意を無下には出来ません教室までよろしくお願いします」


 長い溜息のあと受け入れてくれた。


「今日は教室に向かうの早くありませんか」

「朝の会議が早く終わったのでみんなの顔を見るために職員室を早めに出たんです」


 眞子さんの質問に教師の鑑のような答えが返ってきた。

 ただし、グレイ状態でピョンピョン跳躍されているミニマムティーチャーが言うと可愛らしくてたまらない。

 ほら、そこ!撮影はNGだぞ。脳内フォルダを作っておけ、眞子さんなんかクラウドストレージしているんではないだろうか。


「梅ちゃん先生は偉いんですねー」

「何を言っているんですか、私が偉いわけでもなく先生が偉いわけでもありません。先生は生徒に学んでもらい将来の道を選んでもらって旅立ってもらうためのサポートしているだけです」


 凄い凄すぎるよ梅ちゃん先生、その小さい身体にどれだけの信念が詰まっているんですか。この考えが生徒に慕われるのだろう。大半はミニマムティーチャーのせいだと思うが。

 鳩山にも見習ってもらいたいものだ。


俺達の教室は三階にあるので二段飛ばしで梅ちゃん先生をジャンプさせる。キャッキャッと喜んでいるが、本当は小学生だろう?


「よし友人よ。最後の段は倍の四段だ!」

「おうさ!」

「それはちょっとこわ、ヒャワーッ!」


 片足を最上段に置いて一気に梅ちゃん先生を持ち上げた。なかなかの浮遊感だっただろう。


 あ、しまった。


「最後以外はそこそこ面白かったです・・・」


 梅ちゃん先生はちょっと涙目にあって感想を言ってくれた。

 そして生徒に囲まれて教室に入っていく。


「眞子さんもちょっと先に行ってて、友人に女の子に見せられないものを渡さないといけないから」

「?私なら平気ですけど」


 やばい眞子さんは男の性事情には大変おおらかな趣味をお持ちだった。


「わりぃ。さすがに俺達には女子に見られるほどの勇者じゃないんで。おもに周平の性癖とか」


 おおぉい!

 眞子さんは妙に納得した顔で教室入って行っていく。


「で、大丈夫なのか?」


 友人の顔が真剣だ。実家が道場開いているぐらいだから俺の動きでわかったんだろう。


「まあ取り繕うぐらいは」


 馬鹿な事をした代償とはいえ我が体は難儀になったものだ。




周平「梅ちゃん先生は薬で頭は大人、身体は子供の人みたいになったと思う」

友人「三百年前に人魚の肉を食べた子供だろう」

梅ちゃん「少し成長期が遅い大人です!」

湊&眞子「「いや、それはさすがに無理があるかと」」


梅ちゃん先生の出る回のいいね、他の回に比べて多いんですよね。あと、 二日目も朝から飛ばしていく湊さんの回は断トツトップです。(;・ω・)いまだにいいねつきますし。

雨乞い2のフンドシ?湊がちょっとエッチな子だったから?どっちなんですかー!?Σ(´□`;)


再投稿後書き


まだキャラが固まっていなかった梅ちゃん。

のちにもう一人とヒト科幼女目の謎生物になるとは…(--;)


知りたい方はノクタで~(^^)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 梅ちゃん先生のキャラ変容の第一弾がここだった。 > でもいただけるものはいただきます [一言] 更新ありがとうございます。 あの食欲コロボックルっぷりに通じる一言でしょう<いだだけるも…
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