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39話

 両親とギルバートに唖然と見つめられたままアレンは自身が持っている魔法の種類と使用できる魔法を話したが、衝撃が強かったようなので固有スキルはミルとシンクも知っているストレージだけを話すことにした。


「······という訳で収納バックをダミーに使っていましたし、辺境伯領のアズラールまでなら安全に一瞬で行くことが出来ます」


 アレンが話を終えても三人は黙ったまま口を開けていたが。数分後、最初に再起動したサラが笑顔でアレンを抱きしめた。


「アレン!凄いわね!ホント凄い才能だわ!アレンと比べたら、宮廷魔術師も賢者もアレンの才能にはきっと叶わないわよ!小さい頃から魔法の才能は確実に白銀級に届くとは思ってたけど、私が思っていた以上の、いえ、それ以上の才能よ。あ、でも、勿論アレンは本当に小さい頃から魔法を努力していたから才能だけとは思っていないわよ。きっと小さい頃からの努力と才能が合わさったのね」


 サラを見ると本当に嬉しそうにしているが、ギルバートは依然としてフリーズしていて、マークはいつの間にか再起動して何やら考えている。


「ねぇ、アレンが言う通りなら私も日帰りでアズラールまで行けるのよね?」


「はい、それは問題ありません。ただし魔力の消費量が多いので、僕の魔力でもゲートを何度も出現させるのは難しいですが」


「アレンは魔力量がかなり多いわよね?感覚で何回くらいゲートを使えるかわかる?」


「そうですねー、ゲートは距離によって消費魔力が変わります。なので、最低で水魔法、ウォーターの百倍以上の魔力を消費しますから、ゲートを十回前後出現させるなら問題無いと思います」


「ひゃ、ひゃくばい!?」


「はい、感覚なので、だいたいですが」


 まぁ、だいたいとは言っているが一応ある程度検証はしてはある。消費魔力は四属性の十倍が治癒魔法、五十倍が氷魔法、雷魔法、光魔法、闇魔法。百倍が時空魔法と重力魔法。

 複合魔法は合わせる魔法によって消費魔力の変動幅があり過ぎるので検証中だ。


「そ、そうなのね。それにしても凄まじい魔力の消費量ね。ゲートが伝説やお伽噺にしか出てこないのも納得ね」



 それから、数分はサラの質問などに答えていたアレンだったが、思考から復活したマークが話し掛けてきた。


「···ゲートを試す事はできるのか?」


「はい、今日はまだ魔力を消費してないので問題ないです」


「よし。なら試しに村の端で人が居なそうな場所にゲートを繋いでみてくれ」


「わかりました。······ゲート」


 マップで誰も居ないことを確認してから、貝拾いをした河原にゲートを繋いだ。


「村の端にある河原に繋ぎました」


「はいはい!私!私がゲートを通ってみるわ。いいわよね?」


「うーん。アレン、本当にアレン以外が通っても問題ないんだな?」


「それは問題ありません。ゲートはミルさんも通ったことがありますから」


「···わかった。ならサラが通ってゲートの向こうを確認してきてくれ。でも確認したらすぐに戻って来るんだ。わかったな?」


「やった!ええ、わかったわ。さぁ、アレン行くわよ」


 サラが嬉しそうに言うとアレンと手を繋いだ。


「あー、たぶん手を繋がなくても大丈夫だと思いますが」


「あら、そうなの?でもミルちゃんとは手を繋いで通ったのよね?」


 確かにミルさんとは二回とも手を繋いで通ったな。


「まあ、そうですけど。···わかりました。最初ですしね」



 アレンはサラの手を引いてゲートを潜ると、予定通りの河原に出た。

 ゲートを出てアレンが振り向くと、サラは目を閉じていた。嬉しそうにしていたがやはり初めては不安だったようだ。


「母さん。ゲートは抜けましたからもう目を開けて大丈夫ですよ」


 アレンの言葉を聞いて、サラが恐る恐る目を開く。


「わぁー!凄いわね!本当に河原よ!」


 サラが嬉しそうに辺りを見回して後ろを振り向くと、少し離れた場所に村の家屋と屋敷が見えた。


「あれが屋敷ね。本当に凄いわ、ゲートを潜る為に数歩移動しただけでこの距離を移動できるなんて」


「確認ができたと思いますから書斎に戻りましょう」



 繋いだままのサラの手を引きゲートを潜り書斎に戻ると、ゲートから出てきたアレンとサラを見てホッとするマークと、未だに唖然としているギルバートがいた。


「アナタ!凄いわよ!本当に一瞬で村外れの河原だったわ」


「そうか。サラ、身体に異常はないな?」


「ええ、何も異常はないわ」


「父さんもゲートを確認しますか?」


「そうだな。私も潜ってみよう」



 アレンはマークと手を繋ぐとサラと同じようにゲートを潜り、マークが村外れの河原であることを確認したら数分で書斎に戻る。書斎に戻るとギルバートもどうにか落ち着いたようので同じように河原に連れて戻りゲートを消す。


 ちなみにゲートは一度発現させるとゲートを消すまでは少しずつ魔力を消費する。魔力の減り方は距離によって消費速度が異なり、近いと殆ど消費しないが遠いとまぁまぁの速度で魔力を消費していく。



「ゲートは確かにアレンの言った通りの魔法のようだな。しかし、このような伝説にしか聞かない魔法をアレンが使えるとは。とにかくゲートを使えば辺境伯領へ行けることは分かったが、今はアレンがゲートを使えることは必要最低限の秘密にしておこう」


「ええ」

「そうですな」

「わかりました」


「あと、本当ならシンクはカイルの従士兼従者にするつもりだったが、ある程度アレンの能力を知っているようだから、シンクを私の従士にしてアレンの従者兼護衛に付けることにする。それとミルもエバンス家で雇いアレンの護衛とした方がいいな、ミルが了承したら屋敷に住んでもらおう。他にはザックにも話しておく必要がある」


「そうですな。アレン様の護衛は必要でしょう。ただ、シンクはもう少し鍛える必要がありますな」


「そうだな。シンクからの報告ではアレンへの囮として攫われたそうだからな。確かにもう少し鍛える必要があるか。···ではギルバートは定期的にシンクを従者兼護衛として鍛えてくれ」


「畏まりました」


 と、そこでドアがノックされケーラが夕食の準備ができたと呼びに来た。


「とりあえず話の続きはザック、シンク、ミルを夕食後に呼び出してからにするとしよう」




 夕食後、呼び出したミルさん、シンクさん、ザックさんを含めた七人が揃い話し合いが行われ今後の予定が決められていった。


 最初に決まったことはミルさんとシンクさんを僕の護衛にすることで、ミルさんを僕のパーティ兼護衛として雇い、シンクさんは父さんの従士にして僕の従者兼護衛にする事を二人とも了承。

 その際にシンクさんがアレンのゲート魔法に驚いていたが、何か納得するように頷くだけで衝撃は殆ど無かったようだった。


 概ね決まった予定は、エバンス家は他派閥が接触して来るまでは王都の事は知らないふりをして、まずはアレンたちがエルトラント公爵領に向かうことし、公爵領の後は王都に向かう。

 クラウド辺境伯にはクルタさんがアズラールに到着する前にクラウド辺境伯に会いに行くと、ゲートの存在がバレる恐れがあるので三週間程時間をあける。そして、アレンはエルトラント公爵領とゲートを繋げるように、アレン、ミル、シンクの三人でロマニス、ローゼンダルク経由でエルトラント公爵領への距離を稼いでおく。

 その際にアレンはゲートで数日おきにファーガス村に安否報告に戻り報告をすることにして、三週間経ったらマークとアレンの他数名の従士を連れて、ゲートを使いクラウド辺境伯に会いに行くことになった。





 予定を決めてから五日後、ファーガス村を出てから二日後にアレン達三人は二頭の馬で魔の森をなぞるようにロマニス王国の国境を越えていた。

 

「アレン様、国境からそれなりに距離をとったので、この辺りからロマニス王国の王都方面へと向きを変え街道を目指しましょう。レビンさんが手に入れた簡易地図によると、この広大な草原と林を二日程西に進むと村があり、その村が街道の終点になっているようなので、まずはその村から街道を使って王都近くまで向かいたいと思います」


「わかりました。確かに国境から離れたので、たぶん国境を守るロマニス兵に会うこともないでしょうから、街道を目指しても問題なさそうですね」




 アレン達はロマニス王国の東に広がる広大な草原と、所々に広がる林を東から西に横断する様に進んだ。

 レビンから貰った簡易地図だと最初の村まで二日で着けると思ったが、途中地図には無い沼が広がっており迂回する様に進んだため、三日掛かってロマニス王国にある最初の村近くに着いた。


「では、今日はこの手前側の林で一旦止まってゲートでファーガス村に戻りましょうか。街道の無い東側から村に入ると怪しまれる可能性が高いですからね。明日の朝早く暗いうちに村を迂回して街道に向かいましょう」


「ん、了解」




 翌朝の早朝まだ日が上るにはだいぶ早い時間、村手前の林にファーガス村からゲートを使って移動してきたアレン達三人は、村を迂回して村の南側にある林の中を進んでいた。


「地図によると、このまま林を進むと先程の村へと続く道があり、その先に街道があるようです」


「わかりました。では少し歩きにくいですが街道近くまではこのまま林の中を進みましょうか。村に出入りする人に見られたくないので。······ん?」


 とアレンが指示を出して再び進もうとした直後、村の方向から複数の悲鳴が聞こえてきた。


「···今のは悲鳴?」


「村からでしょう、私にも聞こえました!」


「僕も聞こえましたね。確かに村からのようです」


「アレン様、どうされますか?」


「少し待って下さい」


 アレンは急いでマップを確認する。


 アレンのワールドマップは、アレンやマップに登録した人物が一度訪れた場所から半径一キロの場所がマップに登録されていく。その為、先程の村もアレンから一キロ圏内にあったので問題なくマップに村が登録されている。


 マップで村を確認すると、村の北側から村に入る十数名がいて、複数の人を表す白○が黒○に変わり、他の白○が村の中心と南に集まってきている。

 マップで確認している間も村の方向からは悲鳴が聞こえており、生きている人を表す白○が死人を表す黒○に変わっていっている事から何かが起こっているのは間違いない。

 もしかしたら村が魔物に襲われたのかと思い、マップ検索を人から魔物に変え検索をしてみたが一キロ圏内に魔物はいないようだ。

 魔物ではないならロマニス王国なだけに盗賊の可能性が高いかも知れない。


「村が盗賊に襲われているのかも知れません。道に出て村に行ってみましょう」


 目立つ馬をゲートでファーガス村に送り返し、アレン達三人は林から道に出て村へと走った。



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