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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
8/209

多々良凛〜陸〜

日曜日。

(あいつ)は帰ってこず、孤独が続く。


「(たまには遠出してみようかな)」


元家(あっち)に居た時は外出させて貰えなかったし。

何処に何があるか分かっておく必要もあるしね。


「どこいこっかなぁ?」


少し伸びながら考える。


「スーパー…はもう行ったし、近いとこにショッピングモールとか無いしな〜」


何というか…全体的に活気が無い。

隣町にはカラオケボックス等色々あるけどこの街は活気が無い。


「電車乗って隣町行くのが一番いいか」


えーと、後は…あっ!『あれ』も試そう!

えーっと、何処やったかな…


「あった!」


名付けて『どこでも探知君』!

使用者の霊力を元に使用者が望む物を見つけてくれる優れものだ!

そして今回はグレードアーップ!写真も撮れちゃう!


「(これで(あいつ)の弱みを握ってやるわ)」


多分響(あいつ)もショッピングモールに居るだろうし。


「認識阻害の術文を組み込んで…と」


これで見つかり辛くなる筈。


「((あいつ)の幼馴染として、(あいつ)の交友関係を知る必要があるのよ。

 そう、此れはストーキングとかでは無いのよ。

 断じて違うわ)」


────────────────────────


さーて、(あいつ)は何処に居るかなー。

後々気づいたが、家から出る必要が無かったので

出ない事にした。


「(お)」


早速目標を発見!

上空から偵察します!

…なんてね。


「…。…。…」

「…♪…?…♪」


は?

なんで?

また女と居る?


『テイサツヲツヅケマスカ?』

「(当たり前よ)」

『リョウカイシマシタ』


「…。…?…」

「…♪…。…♪…?」


何よ、あんなにデレデレしちゃって…

…私にはあんな顔した事無いくせに…


『テイサツヲツヅケマスカ?』

「(当前よ)」

『カシコマリマシタ』


あの手に付けた赤色の髪飾り…一年生?

白と黒の混じった髪色…『北条(ほうしょう)』家の子か。

でも何でそんな名家が(あいつ)に?


「…?…。…」

「…?…♪…♪」


でも…大丈夫よね。

名家の子だし、(あいつ)とは釣り合わないわよ!


「(でも…何か嫌だなぁ…)」


(あいつ)(あいつ)よ!

私という物がありながら…他の女に現を抜かす何て…。


「(もう少し見張りましょ)」


「…♪…」

「…。…」


あんなに仲良さそうに…手まで繋いで…


「…」

「…♪…?」


動悸が早くなる。

これ以上見てはいけないと脳が、思考が警報を鳴らす。


「…「…」…!?」

「…!」


は?今…何した?

キ…ス…?

…は、はは、あ、(あいつ)の初めてが…

あんなポッと出の女に?


「は、はは」


笑いが溢れる。

其れは果たして易々と初めてを奪われた(あいつ)に対してか、

はたまた今まで素直になれなかった自分に対しての自責の物か。


許さない…。

許せない…軽々と奪われた(あいつ)も、

奪ったあの一年生も…。


「はっ…」


無意識のうちに炎を出していた。

その炎は、今まで出したどんな炎よりも熱く、冷たく、

感情を丸写しした様な嫌な物だった。

いかんせん感情を出すのが難しい。

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