多々良凛〜参ノ弐〜
多々良視点その二
何故か一時限目がすぐ終わったので、
教室で待機。
既に一時限目はとっくに終わっている時間で、
教室に居るのは私と教師のみ。
「多々良さん、他の皆さんは?」
「室内運動場です」
「まだ終わってないのですか?」
「知りません」
「…」
「…」
静寂が流れる。
意外にも静寂を破ったのは先生だった。
「先にやってしまいますか…
えーでは、多々良さんは
知ってるかも知れませんが、自己紹介を。
二年生の『国語』と『実技』を担当します、
『佐久間 敏明』と申します。
『適正』は『炎』と『風』です」
「(去年も聞いたな)」
「…まだ帰って来ませんね…」
「ですね」
適正計るのってそんな掛かるっけ?
「多分後2時間は掛かりますね…」
「そんなに掛かるんですか?」
「えぇ、多々良さんは『天才』ですから
余り時間が掛からなかったかも知れませんが、
意外と掛かるもので、
下手すれば1ヶ月も発現しない人も居ますから」
『天才』かぁ…
「私も学生の頃は…一時間半も掛かりましたから」
「先生もですか?」
「えぇ。それですら『秀才』扱いですからね」
「二つも適性があるのにですか?」
「えぇ。当時は二つの適性を持つ人への当たりが
強くてとても訓練が辛かったんですよ、
二本の刀に別々に適性を発現させる事だったり、
一本の刀に同時に発現させたり、
とまぁ色々やりましてね」
「でも沢山適性が有ればそれだけ
楽に戦えるんじゃ無いんですか?」
「いえ、適性が多いからと言って
其れが『強い』とはならないんですよ。
たとえ『三つ』以上の適性が有っても、
『一つ』の適性を極めた方が
結果的に『使える』人が多いですから」
「成程…」
良いことを聞いた。
「これだけ話してもまだ誰も来ませんね…
少し見て来ますね」
「はい」
先生は刀を持ち室内運動場へ向かった。
「(天才かぁ…)」
頬杖をつき考えふける。
そもそも何故あたしは『天才』と呼ばれているのだろうか?
「(あー、絡繰弄りたいなぁ)」
教室には私以外誰も居らずとても静かだ。
本来であれば自習でもすれば良いのだろうが
生憎習う事は大体知っている。
これも"両親"のおかげなのだろう。
「(暇だなぁ)」
現在時刻は10時30分。
授業開始が10時00分なのでだいぶ遅れている。
何かもう物語に組み込むのが難しいので
「妖蔓延る世界のお話」の用語解説〜!
一つずつ解説していきますよ〜最初はこいつだー!
霊力
読み方:れいりょく
この世界で空気中に含まれる物。
此れが無いと戦えない。
空気を吸い(霊力を取り込む)
集中し刀に力を込める(コントロールする)
そして放つ、といった感じ。
こんな感じでちょくちょく解説を挟みます。




