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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
3/216

多々良凛〜参ノ壱〜

今回から少しの間繋がったお話になります。



ガラッ


教室に入り席に座る。

複数の目線が此方を見るが気に留めても意味は無い。


「た、多々良さん!な、何で遅刻したんですか?」


教師が何か言っているが耳に入って来ない。

多分どうでもいい事だろう。


「((あいつ)何してんのかな…)」

「ま、まぁ多々良さんは

 放課後生徒指導室に来て下さい!」

「(今日の献立何にしよう?)」

「多々良さん!聞いてますか!?」

「(煩いなぁ)」


喋りゃヒステリック起こすくせに

よく言うわ。


ひそ…ひそ…

「(ん?)」

「あいつ何でこの学園入れたんだろう?」

「親のコネじゃない?」

「春売ってんのかもよ?」

「ありそー」

「はいそこ!静かに!」

「「「「はーい」」」」

「1時限目ですが…」


つまんないなぁ…


「…では、室内運動場に移動して下さい!」


移動らしい。

室内運動場…俗に言う体育館だ。

私達二年の教室は5階なので毎回億劫になる。


-------------------------------------------------------------------


「えーでは、私は次の授業があるので、此処からは寺川先生、お願いします」

「えぇ、分かりました」


寺川先生。

この学園で校長の次に暦の長い人らしい。


「それでは、これより『更なる適性』を計る、準備ができたら儂に言っとくれ」


『更なる適性』?

『刀』の話か?


「せんせー!何の適性ですかー?」

「なんじゃ聞いとらんのか?」


あの先生まじで報連相守らねぇな。


「はー、一から説明するかの。

 今のお主らは、うーん…いい例えが見つからんの…

 まぁ用は前の試験では『表層』を見たんじゃよ。

 今回は『深層』を見るんじゃ」


深層を見る?よく分からないけど、

あの時(入学試験時)と同じ様にやればいいかな?


「あっ…言い忘れとったが、

 半端な気持ちでやると『刀』に殺されるぞ。

 去年とある生徒が適当な覚悟でやったのじゃが、

『刀』に『呑まれて(取り込まれて)』しまっての。

 それ以来見張り役教師(わしら)が必要なのじゃよ」

「えっ…」


誰が出した声だろうか?

組の皆んなの顔が一気に青くなる。


「(まぁ、いいか)」


目の前の刀に集中する。

持ち手が熱くなる。


「(あっつ…)」

「ほう…」


私の適性は『炎』らしい。

だから熱いのかな?


「(っ?!炎が青くなった!?)」


何が起きたのだろうか?


「素晴らしい!!まさかこんなに早く

『認められる』者が居ったとは!合格じゃ!『(此奴)』がお主を認めおった!」


「(えっ)」


確かに手元から刃先にかけて燃え盛る『炎』は

もう熱く無い。


「なっ、あいつに出来るなら私にだって!」


クラスメイトの1人が躍起になって居る。


「!?」


突然彼女の体が『溶け』出した。


「いかん!『刀』よ!鎮まり給え!」


その言術(ことのすべ)と共に溶けていた彼女は元に戻った。


「はぁっ…はぁっ…」

「儂がおらんかったらお主、死んどったぞ」


クラスメイトは皆、呆然としていた。

それもそうか突然人が溶け出したら誰だってそうなる。



成程、『刀』が拒否すると適性に殺される様だ。


突然先生が此方を向いた。


「えっと其処のえーっと…」

「多々良です」

「おお、多々良じゃったか!もう抜けて良いぞ。

じゃが、1日1時間『(其奴)』との対話を忘れん様にな」

「はい、有り難う御座いました」


そうして私の一時限目は幕を閉じた。


場面切り替えが上手くなりたい。(切実)

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