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北条光〜陸〜

「うへ、うへへ」


今日の放課後の事を思い出し、思わず笑みが溢れる。

先輩の赤面姿と焦った時の顔、あれだけでも先輩と商店街に行った甲斐がある。


「フフ…」


そして私の家へ帰る時に記録した音声。

今はレコーダーに入っているが、後々これで色々と迫れる。


カチッ

『…素敵だしな、実際。俺と『アイツ』じゃ天と地ほどの差があるからなぁ、…アイツはよく『貴方は私の光なんです』とか言うがなぁ、色々と難しいよなぁ』


これを。

切り取って。

『す、き、だしな。光。』

よし、後は凸凹感を消せば、

『すきだしな、光』

ふふ。


「これを、明日…」


先輩からの相談を悪用するのは心が痛むが優しい先輩なら許してくれるだろう。

これを材料に色々と…


「ふふふ…」


何してもらおうかなぁ…

『コレ』さえ有れば先輩を私の思うがままに操れる。


「何言おうかなー?」


明日を楽しみに、眠る。


────────────────────────


朝。06:00時。


いつもの支度を終え、家を出る。

一ついつもと違うのは登校道に先輩の家が含まれている事。


(何か嫌な予感がする…)


『少し』奇妙な気分と恐怖を孕みながら歩く道はいつもと違う様に感じた。


朝。06:30時。


先輩の家に着き、先輩が出てくるのを待つ。

ガタガタっと中で音がして生存を確認してホッと胸を下ろす。


「せんぱ──…い?」


先輩の家の中から女の人の声がする。

絶対にあり得ない、先輩は女の人が苦手と自分で公言する位なはずだ。


(あれ?私何で少し悲しんでるんだろう…?)


不思議だった、先輩は単なる『先輩』で。

それ以下でもそれ以上でも無いはず、なのに。


(どうしてこう、胸が痛いんだろう?)


チクリ、チクリと小さな針を刺されている様で、

其れがとてつもなく気持ち悪い。

足が勝手に動き、その場を立ち去ろうとする。

それを無理矢理止め、居座る。


────────────────────────


朝。07:00時。


急ぎながら先輩が出てくる。

ボサボサの髪と食パンとか言うベターなやつだ。

そして、数分遅れて女が出てくる。

ご丁寧に鍵まで閉めて、身だしなみも整えながら。


「…」


かくいう私はほぼ諦観していた。

何処にでも居そうな奴だった。

あれなら私の方がいい、等邪な考えを持ち学園に向かう。

まぁ良い、『コレ』を流せば先輩は私に逆らえなくなるのだから。

今のうち。せいぜい無駄な足掻きをしてれば良いんですよ。


「ふふっ」


待ってて下さいね、『先輩』。

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