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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
16/236

多々良凛〜拾参〜

頭の中を整理する。

何を聞かれ、言われても慌てないように。


「所で、凛よ」

「?」

「お前は家を継ごうと思うか?」

「!?」


突然だった。

この対談の根幹とも言える話題だ。


「え、ええ、思うわよ?」

「そうか…」

「何か問題があるの?」

「いや…」


いつものお祖父様なら、こんな事聞かない。

今日は何かおかしい。


「お祖父様、体調が優れないなら日を改めましょうか?」

「い、いや…そういう訳じゃなくての…」

「?」

「フー…」


緊張している?何に?

まさかこの場に?


────────────────────────


いかん、腹痛が…

と言っても仕方がない。


「お祖父様」


凛が姿勢を正し、こちらに向く。

ああ、時巳にそっくりだ…


「私は、家を継ごうと思います」

「…そうか」


嗚呼、この時が来たか…


「其処で、婿を家に入れようと思うのです」

「…」

「ですが…その…」

「何か不都合でもあるのか?」


軽い事なら捻じ曲げれるが、流石にか。


「…相手側が私の事を好きかどうか分からないのです」

「…!?」


箱入りにしすぎたか?


「…いいか、凛」

「?」

「儂は婿養子として『多々良家』に迎え入られた。

その時、当時は誰も儂なんか相手にせんかったし、

妻である御津猫も儂の事を『邪魔者』扱いしておった、好きかどうかなんて分からんかったわ」

「…」

「流石に、夫婦円満!とまでは行かなくても良い」

「…」

「儂らを見てみい、夫婦円満とは程遠いじゃろ?」


悲しい事じゃがの…


「ええ」

「儂らの時代とは考え方も違うじゃろう、じゃから無理せず無理くり籍を入れるなんて事しなくてもいいのじゃ」

「…」

「相手の事など後から幾らでも知れる、分かれる、

理解できる、じゃが…」

「?」

「流石に知らなさ過ぎるのは良くないのぉ」

「分かってるわよ」

「其処でじゃ」


風丘から貰った物を出す。


「これじゃ」


読み上げる。


「風丘考案!必勝!デートプラン!じゃ!」

「はぁ?」


おお怖、御津猫そっくりじゃ。


「何でも風丘曰く『相手の事を知るならデートが一番』らしいぞ」


何でも彼奴は一度に30の妾を娶ったらしい。

本当かどうかは怪しいがの。


「お祖父様…」

「な、なんじゃ?」


呆れた様な顔をする凛。


「既に風丘さんから聞いています」

「そ、そうか…」

「…」

「…」


き、気まずい…

わ、話題を出さなければ…


「凛」

「はい」

「お相手さんはどんな奴なんじゃ?」

「…」


まずい事聞いたかの?


「あいつは」

「うむ」


一息置き、凛が喋る。


「いい加減で、スケコマシで、人間不信で、男の癖に弱っちくて、優柔不断で、どうしようも無く馬鹿で、言った事も碌に守れなくて、一人暮らしも碌に出来なくて、大嘘付きで、スケコマシで、度胸も無いけど」

「…」

「それでも、大好きなんです」


あぁ『あいつ』にそっくりだ…


────────────────────────


『お父さん!』

『なんだぁ』

『好きな人ができたの!』

『…ほう?』


『お前が…』

『む、娘さんを僕に下さい!』


『甘い!』

『ガハッ!』

『そんなんじゃあ時巳はやれん!』

『ま、まだやれます!』


『っそこだぁ!』

『ぬうっ!?』

『これで…認めてっ…くれっ…ますか?』

『…いいだろう』


『…厳楽さん』

『なんだ?』

『この子を…凛を宜しくお願いします』

『…分かった』


『では…いってきます』


-------------------------------------------------------------------------


やっぱり親子なんじゃなぁ。

目元も段々と時巳に似てきて…


「…」


いかんな、歳を取ると涙脆くなる…


「凛よ」

「はい」

「儂に出来る事があれば手伝おう」


凛は一瞬目を見開き、話す。


「…でしたら、お祖父様」

「なんじゃ?」

「一つ、お願いがあります」

「何でも言うてみぃ」


あぁ啖呵を切った手前断る事は出来んのぉ。


「では…」


────────────────────────


デートって誘える訳ないじゃない…

まぁでも、うだうだ言っても始まらないしなぁ…


「どうか起きてますように!」


絡繰を起動し、連絡を取る。


『あー、あー、響ー聞こえてるー?』

『…聞こえてるぞ』


よし、良いわね。


『来週の土曜日一緒に出かけない?』

『別に良いけど』

『じゃあ、土曜日、10時駅前集合ね』


よし!取り付けたわよ!


『…あのさ』

『…何よ』


な、何か不味い事いったかしら?


『せめて書き置き位してけよ』

『…書く時間も惜しかったのよ』

『何かあったのか?』

『大丈夫よ、もう終わったから』

『…なら良いんだけどよ』


まったく、心配性なんだから…


『じゃあ土曜日、朝10時な』

『ええ、楽しみにしてるわ』


────────────────────────


「…上手くいきましたな」

「ええ、そうね」


まったく、凛様は奥手と言うか臆病と言うか…


「これで永らく多々良も安泰ですね」

「…まだそうとは分からないのぉ」

「何故です?」

「先も言った通り凛様は臆病じゃ、それはもう凄いく。『友達』という枠組みが壊れる位ならその先も要らない、という様な御方じゃからの…」

「成程…」


はぁ…、全く凛様は…


「先は長いのぉ」

「そうですね」


何はともあれ、凛様ファイトですぞ!

この度目出度くpvが千を突破しました!

何時も見ていただきありがとうございます!

これからもエタら無いよう、頑張ります!

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