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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
妖蔓延る世界のお話。対校戦準備編
157/209

■■の者

初めての感想を貰いました!

やっぱり今見ると序盤の話は短かったりしますね…。

 「げほっ、おえっ」

 「──先輩、水です、ゆっくり飲んで下さい」


未だに過呼吸気味の鳴渡クンを、空宮ちゃんは必死にみている。

鳴渡クンの口から飛び出した黒い粘体は、何処かへと消えたけど、その存在は結局分からない。

空宮ちゃんはあれを神と読んだけど、生憎私には分からない。

そも、“昔”は沢山の神が居たらしいが、今は“神崩れ”の妖共ばかり。

歴史を漁った事は幾度も会ったけど、神については何を見ても濁されている。

神ノ国最古の組織、“天照の燈”。

術はそこから始まったと様々な歴史書に刻まれている。

それ以前に術は無かったのか?そんな疑問を幾つも思った。


「…分かんないねぇ」


ソラを見ても、答えは無い。

流星群の予報は無いのに、星が降っていた。

夕焼けも西の空に消えかけた頃、漸く鳴渡クンが過呼吸から復帰した。


「…もうなんか、慣れてきました」

「聞いてるよ。色々あったらしいからね」


具体的な事は何一つとして知らないが、隠せる情報なんてたかがしれている。

何処からともなく情報とは漏れるもんだ。


「…で、空宮ちゃん。その…よるみのおおかみ?ってのはなんなの?」


この場、今意識がある者の中で唯1人押し黙っている空宮ちゃん。

先程アタシに教えたように、彼女だけがこの場であれの正体を知っている。


「──夜見ノ大神。…今現在、神ノ国にこの名前を知る人は余り居ません」


恐る恐るといった様子で、空宮ちゃんはその名前を口にする。

やはり聞き覚えがない名前で、そんな神なんて居ただろうかと考える。


「──簡単に言えば、夜見ノ大神は呪いの神です。今神ノ国に伝わる三神、それを産んだのも夜見ノ大神と聞かされています」

「…三神っていうと、あの…えっと」


「──真名は伝わって居ませんが、俗にいう“狐”、“鬼”、そして全く不明の一柱。その三神です」


──────────────────────


 空宮ちゃんから聞いた話は、どこか浮ついて居たというか、固まっていないというか、まあ確かに神話なんてそんなもんか。

創世の話。

朝呼ノ大神と夜見ノ大神…そこから生まれた“太陽を総べる狐の神”、“闘いを司る鬼の神”、“夜、そして判らずを識る刀の神”。


はっきり言って、聞いたことが無い内容だった。

アタシが聞いた時は、最後の三柱目は不明とされていた。


「──というのが、神ノ国の創世期の内容です」

「へー、知らない事ばっかりだったわ!」


「で、なんでそんな畏れ多いのが鳴渡クンの中に?」

「…んなもん、俺が知りたいくらいですよ」


ぶっきらぼうに投げ吐く鳴渡クンは、確かに目の下に隈ができていた。

色々と検査させられているのか、疲れも見てとれる。


そも、又聞きにした話とはいえ、本当に彼の中にそんな物がいるのだろうか。

空宮ちゃんを疑う訳ではないし、言い方も悪くなるけど、彼の中にそんな大層な物があるとは思えない。


「…ちょっと抉っちゃうけどさ、鳴渡クン、あんまり強くないじゃん?そういうのが中に入ってるとは信じらんないんだけど?」

「…結構抉ってきますね」


「…そもそも、それに関しては俺も分かんないんですよ。色々と学長から言われましたけど、それこそ荒唐無稽っていうか」


鳴渡クンは困ったようにそう言う。

彼自身ですら、自らの内に居る物の正体を知らなかったんだろう。

そんな意味のわからない物の詳細なんて、知る由もないだろうし。


「そんなもんかぁ〜。アタシだって自分の術どこまで何が出来るかしらないし」

「──それとこれとは違う気もしますが。まぁ、良いでしょう」


空宮ちゃんが呆れたような目でこっちを、いや、あの目は完全に呆れている目だ。

やめて!そんな目で見ないで!せめて見られるなら尊敬の眼差しがよかった…後輩からの、それも空宮ちゃんからの視線が痛すぎる!


「…そう言えば、空宮…さんと七倣先輩が口が堅い事を信じて聞きますけど、今回の、その俺の変化なんですけど、髪の色とか変わってました?」


「いや?ちょっと長くなってたくらい?」

x始めました。

書き手のタコワサ でご検索ください。

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