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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
11/209

多々良凛〜捌ノ裏話〜

今回は響視点。

今日は(あいつ)が退院する日。

何時も何かと理屈屁理屈つけて罵ってくる奴だが、

今回は素直に祝ってやろう。


「さて」


何からするか何も考えて無かった。

料理…は(あいつ)の方が上手(うま)いしなぁ。


「あれ…?」


ふと気付く。

俺何もして無いんじゃね?


「(不味い…!)」


このままじゃヒモまっしぐらだ…

何か出来ないと…


「何かプレゼントでも買って…」


駄目だ…財布も握られてる。

八方塞がりだ。


「そもそも何買ったら女性は喜ぶんだ?」


分からん。

『そういう人』なんて母親しか知らんし、

あの人は『色々』可笑しいし。


「釘刺に聞くか?あいつなら色々分かるだろうし」


困ったら親友を頼れ。

これ教訓な。


────────────────────────


そんなこんなで外。

ん?電話があるだろって?

携帯、まぁ所謂スマホだが、凛から


『あんたげーむ?に課金?するでしょ?

 お金の無駄だから没収よ!』


というよく分からん理由で取られた。

連絡は?と聞いたら、


『私が作った絡繰があるわ。

 それを使って連絡しなさい』


という斜め上の回答をいただきました。

凛以外との連絡はどうするんですかね?

聞けて無いんだけどね。


「確か釘刺の家は…」


────────────────────────


「此処何処だ…?」


道に迷った。

おっかしいな。


「ん?」


人の気配。

紫煙先生との『鬼ごっこ』で鍛えられた洞察力をとくとみるがいい!


「…対象を発見。連行します」

「対象?」


ヒュンッ


「危ねぇ!」


ありゃあ当っちゃいけない。

勘が警報を鳴らす。


「何しやがる!」

「…増援を要請します」


嘘だろ、増えんのかよ。

…こうなりゃヤケだ。


「三十六計逃げるに如かずぅ!」


逃げよう。


────────────────────────


「此処まで来たらもう平気だろ」


肩で息をする。

ちゃんと鍛えよう、そう思った。


「にしても…」


俺は何なんでしょうね。


「此処何処だよ…」


目の前に広がる一面の向日葵。

そして、


「あら?」


麦わら帽子を被った女性。

どことなく(あいつ)に似ている。


「あなたが『響くん』ね?」

「!?」


この人いつの間に後ろに!?


「ふふっ、捕まえたわぁ…」

「ぐぅっ…」


この人強えぇ。


「さぁ、頼んだわよ」

「御意」


────────────────────────


「んぁ!?」

「あら、お早いお目覚めね?」


車の中か?暗い。

てか、腕が動かない、縄でぐるぐる巻きだ。


「何処に連れてかれるんですか?」

「私の家よ〜」


…何か緊張感無いなぁ。


「何で連れてかれるんですか?」

「私の旦那様が貴方を呼んでるのよ〜」


旦那様?


「さぁ着いたわよ〜」

「はぁ…」


────────────────────────


…嘘だろ。

其処には、筆の様な字体で


『多々良』


とあった。

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