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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
10/208

多々良凛〜捌〜

「はい、お大事にして下さいね〜」

「はい…」


無事(?)に退院し、今日から学園に通える。


「(やっとあの地獄から抜けられた…)」


座学が終わり、座学。エンドレス座学。


「(でも…これで…やっと…(あいつ)と話せる!)」


病室では静かに、という事や、

(あいつ)の訓練時間などもありほぼ全く会えなかった。


(あいつ)どうしてっかな?」


ちゃんとご飯は食べているのだろうか。

寂しくて泣いては居ないだろうか。

…一番の心配は女に誑かされてないかなんだけど。


「(まぁ、杞憂か、(あいつ)モテない筈だし)」


心配だ…。


「(そういや冷蔵庫の中何かあったっけ?)」


買い物位はしてってあげよう。

(あいつ)結構ズボラだし。


「何買ってこうかな〜」


────────────────────────


買い物を終え帰路(響の家への道)に着く。


「ん?」


足音が聞こえる。


「何の様?」

「…お祖父様の命です。

 速やかに御帰宅願います」

「聞く道理は?」

「命は絶対です」

「聞き方が悪かった?従う意味があるの?」

「…お祖父様の命は絶対です、従わないのなら」

「従わないのなら?」

「力尽くでも連れて行きます」


道端から歌舞伎に見られる黒子衣装に身を包んだ奴らが出てくる。

命は絶対?家の奴らか。

これだから家柄は嫌いだ。


「(抵抗できる様に構えときましょ)」


隠密の一人が呟く。


「申し訳ありません、『お嬢様』」

「は?」


瞬間、そいつの頭に穴が開く。


「えっ」

「申し訳ございません、『凛様』」


嫌な予感がする。

恐る恐る振り返る。


「げっ」

「人を見てげっ、とは酷いですね」

「いや〜その〜」

「ですが、お祖父様がお呼びなのは事実です。

 其れも、『とても重要』と聞いております」

「知ったこっちゃ無いんだけど?」

「えぇ、存じております。

 ですが」


隠密のリーダーが囁く。


「『ご学友』がどうなっても私は知りませんよ」

「!?」

「何でもお祖父様が『お話』かあると言っておりました」


お話?


(あいつ)に何かしたら『殺す』わよ」

「ええ、ですから彼が何かされる前に来ていただける

 と此方としても助かります」

「分かったわ」

「ほら、貴方達も床に寝て無いで立ちなさい」

「うっ…うぅ」

「では『凛様』車は用意してあります」


用意周到ねコイツ…


「そうでもなければこの職に着けませんからね」

「あんた『それ』あんまりやらない方がいいわよ」

「おや、嫌でしたか?」

「プライバシーって物があるでしょうが」

「奥様にも同じ事を言われましたよ」

「…早く行くわよ」

「かしこまりました」


あぁ嫌だ。

あの『実家(クソみたいな家)』に行くなんて。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なーんか全部軽いんだよなー
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