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妖蔓延る世界のお話。  作者: 書き手のタコワサ
多々良凛ノ物語
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多々良凛〜壱〜

今回は主人公の幼馴染「多々良凛」とのお話。

多々良凛ことあたしは生まれ育った家から

『家出』という形で脱走(にげだ)し、

『家出』した後に気づいた事がある。


(あれ?あたし頼る人居なくね?)


なんてこった、家出したは良いものの…

どうしようか?


「あーい気ー付けて帰れよー」


隣の組も終わったらしい。

ん…?『隣の組』…?あっ…(あいつ)居るじゃん。

あいつしか頼れる奴いないし。

うんうん仕方ない。


(キャラ作って、あいつの彼女みたいに装って)


「響!ごめん!学園(ここ)卒業するまで家に泊めてくれない?」

「は?」


(あいつ)から返ってきた返答はなんとも言えないものだった。


「あーすまんもっかい言ってくれ、よく聞こえんかった」

「え?まぁいいけど、学園卒業するまで家に泊めてくれない?」


絶対聞き取れてたなコレ、(コイツ)耳良いし。

はぐらかす気だったんだろう。


「貴方何言ってるか分かってる?」

「え?まぁ無理なら良いんだけど…」


一度引いてみる。

押してダメなら引いてみろってね。


「いやほら倫理的な問題がね?」

「?」


(とぼけたフリをしてみる。)


「ナンデワカンナイノ?」


(響は注目されるのがあまり好きじゃないから

大声で頼むと断れなくなる)


「いや良いじゃん泊めてくれたって!!」


周りが一斉に此方(こちら)をみる。

響の顔が少し赤くなる。


「まぁ別にいいよ」

「え?じゃあ…」

「いいよ泊めるわ」

「ホント!?ありがとー!」


響は直ぐに目を逸らした。

だから私の顔が赤くなってたのは見られてないと思う。


そして家への帰り道


「本当に俺の家でいいのか?」

「え?だってあんた以外に頼る奴居ないし。」

「は?いるだろ『彼氏』とk「やめて」


自分でもびっくりするくらい冷たい声が出た。

全く何であんな嘘をついたのか、今でも後悔している。


「突然どした?」

「ごめん、でもさ」

「なんか『彼氏』とあったのか?」

「いやそうじゃなくてさ」

「そか」


過去の自分に腹が立つし、

気づかない(あいつ)の所為にするあたしにも腹が立つ。


「全くクソ鈍感男め(超小声)」

「ん?」

「いや何でもないよ?」


こういう所だぞ。

耳良いのに聞こえないふりして。


そして(あいつ)の家


「好きに部屋使ってくれ」

「ありがと」

「ん」

「…」

「…好きだよな、お参りすんの」

(あんた)の親だからね」

「ふーん…」


やっぱりあの事件から仲悪いままなのかな?


(外堀から埋めようと思ったけどコレならいいかな?)

2021/05/05 改定


2022/10/01 改定


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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公クズ過ぎて最高
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