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第02稿08話~垂らした餌に魚は食い付くか10~


__遊び人|食い倒れ市場


 食い倒れ市場。まぁ食べ歩きのエリアなんだけど何故かそんな名前がついている。

 美味しすぎて満腹で動けない人が続出したからだとか。


「凄い人混み。食べ歩き……」


 王女がそう呟くのも無理がない。前世での歩行者天国を彷彿させる人混み。通りの脇には屋台が並んでいるが何処に列があるのかすらも、この状態じゃ分からない。

 しかもこの人混み、優に3㎞以上は続く。正直、案内したくない。こんな人混みじゃ、何処から誰が来ても分からないし。

 しかし、今更である。着いてから気付いてももう遅い。わくわくした顔をしながら涎も垂らしている王女を止める術が俺にはない。


『お久』


 おぉ、フールか。そこまで久しぶりか?


『こっちとそっちの時間軸と次元も違うからな』


 そうか。何か言える情報はあるか?


『そうだな。恐らく姫さんは危険度が高いぞ』


 勇者よりもか?


『勇者はうっかりお前を殺す事はあるだろうけど意図してお前を殺そうとはしないだろ』


 それもそうか。


『王女に手を出したら高確率で王子が殺しに来るから危険度が高いって事だ。てか何時もは速攻でそう言うのは聞いてないとか言うが今回は無かったな。お、コレか。ほぉ、勇者も大胆だな。これは勇者が婚約を勝ち取れるか。見ものだな』


 面白がってるなぁ。


「アレ食べたい」


 トキトー領は3年前まではこのエリアは無かった。俺が5年前、資金調達の為にゴートを代表として立ち上げたブレイクタイム商会は特に調味料に力を入れ2年かけて生産の出来る者を育て、生産を安定させた。

 まぁ、やったのは俺は指示出しただけで全部ゴートだけど。

 しかし、ゴートは名前は忘れられるが領主の息子や二つ名的なモノは忘れられないと気づいて領主の息子、調味料の開発者、ブレイクタイム商会からと今までの食料事情改革から取ってブレイクと言う名を広めた。

 ゴートと一緒に出店のお願いや挨拶廻りをしたお陰もあってか、商会関係の人物はゴートの目に魔法陣がずっと浮かんでる場合は俺が傍に居ると分かる様になっていた。


「おい、遊び人。お前がゴートの代わりに案内しないと進まないだろ」


 王子の声で回想は終了した。そうだったわ。王女が食べたいと言ったのは海鮮焼きのお店だ。


「食う奴は?」


「俺とカルラは全種類の2人分とノーライルと従者達には1種類好きなの選ばせてくれ。勇者達は好きなの選べ。代金はここから払っといてくれ」


 王子が金貨袋と称するにふさわしい小袋を投げてくる。金貨だと両替しないといけないんだけど。

 袋の中を確認してみると銅貨と銀貨も均等に入っている様だ。


「あそこは4種類、平貝、巻貝、蟹、小魚を提供してるぞ」


 平貝はホタテの様な平たい二枚貝、巻貝はサザエや法螺貝みたいな貝、種類が違くても、その形状で呼び名が統一されている。


「従者は殆どが魚で良いとの事っす。あ、俺は平貝をお願いするっす」


「了解」


「私も一緒に行く!」


「あ、私達は蟹で」


 従者6人が魚と勇者PT3人が蟹。王子王女が全種類にノーライルが平。


「すみませーん」


「はい、はい。平?巻?蟹?魚?」


「取り敢えず平3、巻2、蟹5、魚8で、ユウはどうする?」


「おぉ、そんなにか。ちょっと待っててくれよ……ってブレイク様じゃないか久しぶりに見ましたね。直ぐに作るんでお待ちください」


 店主は注文の量にこっちを見た時に俺に気付いた。ここの店舗も挨拶したから店主も俺の事を知っていた様だ。黒髪黒目は認識されさえすれば大体、トキトー家の者だと大抵の領民は思うからな。


「んー、ユウ君と同じので」


「じゃぁ、親父さん。そこの巻貝二つよろしく」


 水槽に入れられたサザエを店の人に所望する。


「流石、ブレイク様。お目が高い。コイツは美味しい巻貝ですよ」


 あとは出来るのを待つ。


「ユウ君、ユウ君。2人っきりだねー」


「この人混みの中で2人っきりと言うのはちょっと。それと勇者PTこっち見てるからな」


「え?あ、本当だ」


 生暖かい目で勇者を見守る勇者PTの3人。


「ブレイク様!取り敢えず平貝が焼きあがりました!」


 張りきった店の人の声が良く通る。


「ありがとう。じゃ、配ってくる」


 平貝が乗せられた木で出来た皿受け取り。王子と王女とノーライルに私に行く・


「ほら、取り敢えず平貝3だ」


「お、ホタテみたいだな」


「美味しそう。いただきます」


「お、良いっすね良い匂いっすね」


 焼き醤油の匂いが香ばしいく広がって食欲をそそる。


「おーい、ブレイク様、蟹と魚が焼けましたー」


「あいよー」


 同じく木の器に盛られた蟹と魚の計三皿を運ぼうとした所で。


「私が運びます」


 従者の1人が運びたいと申し出て来た。


「あぁ、ありがとう」


 従者の女の子にお皿を渡して巻貝を待つ。


「よし、特別なのが焼けたぞぉ」


「1枚に2つ、1つを2皿で」


「了解!」


 店の人がにこやかに皿にサザエの壺焼きを乗せてくれる。

 王子と王女にサザエの壺焼きを渡したあと。俺と勇者もサザエを堪能した。



ただ、海鮮焼きを食う話。勇者が居るから見たら分かった系親父。本来ならゴートが一緒じゃないとただの客に見えます。

見直したら酷かったので修正。


次回、忍者も飯が食べたい。お楽しみに

それでは皆様また次回。

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