第02稿08話~垂らした餌に魚は食い付くか8~
__忍者|FF商会ビル
「遅かったでござるな」
「ちょっと考え事をしててね。ごめん」
「それはなんでござるか……もしかしてまた見つけて来たでござるか?」
ロックオンの手に持ってる本を見やる。ロックオンが持って来た本は大体、禁書だ。ハングドマンとフォーチューンは邪神書とか言ってたけど。どうやら神と言うモノは世界をまたにかけて活動する事の出来る人を言うらしい。それが神達の中で世界を壊そうと活動する神が邪神と呼ばれているそうな。
そして、その邪神がその世界の終末的思想を持ったものや利権に目が眩んだモノの協力を得る代わりに渡す本が邪神書でござる。つまり世界壊せる魔法や技術の書かれてる書物でござるな。
ロックオンはこういう状況で良くこの本を見つけてくる。
「あぁ、うん、そうなんだけど。やっぱ燃やした方が良かった?」
「いや、別に問題は無いでござるが……気絶したら起こしてくれるでござるな?」
「勿論、あぁそれで結界は出来たんだって?」
「後は上に伸ばせば出来るでござるよ」
「じゃ、飛んだらよろしく」
「了解でござる」
ロックオンを血の腕で抱え血の翼を作り飛ぶ。
この血の翼ももう少し小さくしたいでござるな。
人を運ぶとなるとどうしても大きくなってしまうでござる。
夜ならまだしも昼である今、片翼で優に自分の身長を越える翼は目立つ。
結構な高さまで飛び滞空しロックオンを見る。
「準備は良いでござるか?」
「ちょっと待ってゴクゴク、いやー、マナポそのまま持ってて良かった。こんだけあれば一撃の魔弾で多分地面まで届くと思うよ?」
「そうでござるか」
「よし、おっけー」
「では血の結界を作るでござるよー」
FF商会ビルを囲む様に赤黒い壁が空に向かって伸び、まるで天を衝く朱殷の塔となる。
「よし、撃つぞー!あ、待って、もっとマナ入るや」
「撃ったら天井を作って塞ぐでござるよ。それで他に被害は行かないと思うでござる」
「了解。よーし、撃つぞー見て見て銃、超光ってる。マナポ飲んで撃ったこと無いから初めての射撃だよ」
「そうでござるなぁ。光ってるでござるなぁ。あ、銃口はこっち向けないで欲しいでござるよ」
銃口をこちらに向けて青く輝く銃の銃口はさらに爛々と空の星の様に輝いている。
コレを今から撃つでござるか……何となく危険を感じる。
急いで血の塔の四隅から触手を伸ばし翼の付け根にドッキングする。
「ファイア」
バシュッと魔銃から特大の魔弾が地上に向けて撃たれる。
だが結界の入り口の大きさと噛み合ってないでござる。
入り口を広げ特大魔弾が入れるようにし。少しずつ狭める事で圧縮する。
あとついでに空に向かって反動で飛んでいかない様に結界とのドッキングを保つ。
そして攫われた人達や資料の結界も強度を保っておく。
しかし、消し飛ばないか不安である。
「おー凄い。あれ圧縮したら流石に地割れ起きるかな」
「なんと、地面の中までは結界張れてないでござるよ?」
「結界に沿って落ちてるし高度は分かるでしょ?地上に到着したらマナを結界に吸収させれば多分問題ないんじゃ?物理攻撃じゃないしね」
「ぶっつけ本番でござるか……よろしい。やってみるでござるよ」
圧縮が終わった魔弾は重力と濃厚なマナを原動力に凄まじい速度で地上に向かっていく。
ふむ、これは最早隕石で無いんでござろうか。岩では無いでござるから隕魔弾でござるか?
最早、ミサイルばりの威力を出せる事は確定しているでござる。結界……持つでござるかね。
ほぼ一瞬で地表まで到達した魔弾から慌ててマナを吸収する。
威力は殺したが完全に勢いを止める事は出来なかった。
地下の人達逝ったか!
「地下の人達、逝ったかも知れないでござる。膨大な魔力でジャミングされてるだけなら良いでござるけど」
「やばいじゃん。あとここ塞がなくて良いの?」
塔の天辺を塞いでいなかったでござる。ぐぬぬ、おや?閉じないでござるな。風圧とはこんなにも厳しい……2本パージ。4隅から繋がり伸びてる4本の触手のうち2本をパージして塔の天辺の穴から血の結界の外まで吹き飛ばされるように離脱する。
すると塔は砲台にジョブチェンジしたようで天に向かって魔力の塊を放出していった。
「怖い怖い。ちょっと、ちゃんとしてよ」
「すまんすまんでござる。しかし、あぁ、地下の結界は大丈夫そうでござるな。うへぇ、8番機の結界は木端微塵でござるよ……」
「ふぅ、一応。ミッションコンプリートか」
「マナポ飲んでチャージするの禁止でござるよ」
「そうね。ちょっと想像以上だった。次からは気を付けるよ」
ポンコツヒットマンとポンコツ忍者の活躍でした。スケールが大きすぎて魔導砲完成してた。
バウンドして戻って来た感じですけど。魔弾はボールだった!?
宇宙まで行ってオドの無い所まで行ったらマナの塊である魔弾は霧散します。
だから地上に落下してくることは無いでしょう。
次回は遊び人サイドですかね。
それでは皆様また次回。