第01稿03話~王者の墓場お試し1~
__遊び人|屋上
屋上に到着して、弁当を広げる。カタナは弁当箱を四つ取り出した。一つをロックオンに渡す。
ロックオンは中に入ってるサンドイッチをほおばりはじめた。
カタナも同じ物を食べている。
何の肉かは薄切りにされて判断出来ないが美味しそうだ。
「手作りなのか?」
「そうでござるよ」
カタナが作ったようだ。カタナは口調の割にハイスペックなのではないだろうか。
だから、あんな口調なのかもしれないが。
「それは魚の煮付けでござるか?」
「ん、あぁそうだよ」
俺が食べてるモノに興味を示してきた。ソードフィッシュの煮付け。
「醤油使ってるのでござるか?」
「醤油?錬金で大豆と麦と塩を合わせて抽出したエキスを使ってるぞ」
醤油です。正解です。今のところ錬金でしか作れない。目指せ、大量生産。
「マジでござるか、やり方を教えて欲しいでござる」
「今度教えてやるよ」
「その煮付け一口貰ってもいい?」
「どうぞ、何処に置けばいい?」
「このパンの上で」
フォークで切り分けロックオンに言われた通りパンの上に乗せる。
「そう言えば王者の墓場ってどんなところなんだ?」
「スケルトン系が沢山居る所でござるよ。」
「階層は34層まで確認されてて、1層から10層位までは比較的広い空間が続くから階段は見つけやすいよ」
ダンジョンとは、魔力の溜まったパワースポットだ。魔力を使い魔物を生み出し。魔力を使い宝を精製する。そんな場所。
「取り敢えず5層位まで潜ってみようと思ってる」
「分かった。確かアンデッドはヒールが効いたな」
「うん、何かあったらヒールで援護よろしく」
「了解だ」
「モグモグモグモグ」
ござる忍者。そう言えばマスク外さないで食べてるぞ。サンドイッチが口元辺りで……なんだ?口元の布が存在しないかのように噛み千切ってるぞ。てかこいつ三つも4個入った包みを平らげてるな。
「ん?なんでござるか?」
「いや、何でもない」
「食べ終わったら早速行くでござる」
__遊び人|王都近郊
食事が終わり移動を開始する。学園の裏門から出ると草原が広がる。
王都の外壁に設置するように作られたこの学園は裏から直接王都の外に出る事が出来る。
表は王都内部だからここから攻められたらどうなるんだろうか。
『その為の学園の戦力だろうな』
そうか、生徒も戦力に数えられてるのか。
フィールドをあるいていく、王都周辺にはあまり魔物は近づかない。
が、ウルフの群れに遭遇する。ウルフは厳密にいえば動物扱いだ。
「ウルフの群れでござるな。数は14、この辺にしては中々多いでござる」
「一応、聞いておくけど。トキトーは攻撃は出来る?」
「消耗品がメインだ」
「じゃあ、下がってバフで援護して」
「分かった」
「殺って良いでござるか?」
「数減らして、余ったら撃つ」
「了解した。では殺ろうではないか」
ござる忍者何処行った。
カタナが身を包んでる忍者服が膨らみ形を変える。何か赤黒い触手みたいなのが出てきたんだんだけど。
『ほぅ、面白い事してんじゃねぇか』
何してるんだ?
『見てりゃ分かる』
赤い触手が動いたかと思うと狼達を次々と貫いていった。貫かれた狼達は干からび朽ちていく。何アレ怖い。
『あれは、魔力を吸い取ってるのか?』
フールでも分からないのか?
『多分、複数の力を組み合わせて使ってるんだろうな。あんな固有スキルは無かったはずだ』
「一匹ぐらい残してくれても良いんじゃない?初っ端から消耗してどうするの」
「すまぬでござる」
「まぁ、魔力も無駄使いしなくて済んだし良いか」
「これからスケルトンを相手にする事を考えれば温存しとく方がいいと思ったでござる」
「ま、それもそうか」
「今のは?」
「拙者の忍術の一つでござる。名付けて血走りの術」
……術って付ければ何でも許される風潮。
『成程、血走り。血を流体操作で操ってんのか』
あの忍者服は血で出来てるって事か?
「早く行かなきゃ日が暮れちゃうね。少しペースを上げよう」
「おう、分かった。ヘイストでもかけるか?」
「うん、お願い」
「おぉ、ありがたいでござるな」
「ヘイスト、ヘイスト、ヘイスト」
自分たちに素早さUPの魔法をかける。
「お?凄いでござるな」
ござる忍者が、影分身してた。
「忍者だから素早さが元々高いんだよ。でも僕でも結構早く動けるし。中級って言ってたけど上級レベルじゃない?……って素早さステータス二倍!?凄いな」
「……さっさと行こう」
2023/04/30 書式などを調整。
忍者は殲滅戦だと手加減できない。
それでは皆様また次回。