表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/183

第02稿08話~垂らした餌に魚は食い付くか2~


__忍者|浴場


 浴場に案内された拙者は脱衣所に入ると服を丸い玉にしてさっさと脱衣籠にぶち込み浴場に入る。


「おや?おはよう」


「おはようでござる。おぉ、これは浴場でござるなぁ」


 椅子にシャワーの加工がされた器具が付けられている。

 他の所だとシャワーと言ってもタンクに水魔法陣で水を流し込み如雨露の先から出してシャワーと言ってたでござるからなぁ。

 これが、もしかして遊び人の使命でござるかね。

 娯楽の伝道師。成程、正しく遊び人でござる。


 身体を濯ぎ、置いてあったブラシで身を清める。うむ、気持ちいいでござるなぁ。

 身体をしっかりと清めた後、風呂桶で湯を掬い身を流し湯舟に浸かる。


「……君、気にしないの?女性が入ってるのだけれど」


 魔獣使いのテトラ殿が話しかけて来た。ふむ、眼鏡をかけてなかったでござるが拙者の事は把握出来てたようでござるな。


「拙者は気にしないでござる。もう少ししたらロックオンも来るでござるから見られたくないのなら早めに上がる事をおススメするでござる」


「そうか、では少ししたら上がる事にしよう」


「そうするのがオススメでござるよ」


「……君たちは転生者か?」


 何か直球で聞いてきたでござるな。ふむ、ここは無難に返しておくでござる。


「拙者はそうでござるがロックオンは分からないでござるな」


『無難って何だい?』


「そうか、それは聞けて良かった。私は上がらせてもらう。良かったら、また後で話をしたい」


「そうでござるか。分かったでござる」


 浴場の手前辺りでウルフが足止めしてるみたいでござるね。む?という事は拙者が入ってくるのも予測出来た?ウルフはどうして足止めしなかったんでござろう。


『怖くて止めたくなかったんじゃいかな?君のレベルは表記上だと半減されてるけど。魔物とかは魔力とかで本来のレベルを把握出来るし』


 だから、あのような問いをしてきたのでござるか。

 まぁ、拙者とは違いロックオンの固有スキルは少ないでござるから転生者と断定は出来ないでござろう。

 しかし、テイムされたウルフ全員に襲い掛かられるとちょっと面倒でござるな。


『敵対と決まったわけじゃないでしょう……』


 ふむふむ、そう言えばワーム系のモンスターの粘液が狼系を夢中にさせる薬になると聞いたような気がするでござるな。

 案外、トキトー殿が持ってるような気がするでござる。後で聞いてみるでござるか。


「カタナ!お前」


「見るでござるよロックオン。あのシャワー設備を!」


「え?お、おう。はいはい、凄いね。あれ、何話そうとしてたんだっけ」


「シャワーでござるよ」


「いや、シャワーはどうでもいいよ。そうじゃないそうじゃ」


「取り敢えず何時までフルチンで突っ立ってるでござる?シャワーで身を清めてから湯舟に浸かりながら話せばいいと思うでござるが」


「確かに……シャワーしてこよう」


 む、誰か来たでござるな。


「おぉ、君たちも朝風呂かい?」


 トキトー父とエンカウントしたでござる。


「おはようござる」


「あぁ、おはよう。ふむ、息子は一緒じゃ無いみたいだね」


「そうでござるな。拙者ら書庫で寝てしまったのだが先程起きたばかりでござってな。拙者らは一っ風呂浴びにトキトー殿は一旦部屋に戻ると別れたでござる」


「そっか、息子はああ見えてツンデレだからね」


「大丈夫でござるよ。分かってるでござる」


「それなら良かった。あ、アレ見てあのシャワーの仕組みも我が息子がやったんだよ」


「色々と浸透してるんでござるな。ワカ殿も立ち話は後にして身を清めたらどうでござろう」


「あぁ、そうだったね。ではまた後で」


「トキトーの親父さん、なんて?」


「息子が好きな感じがものっそい出てるでござるな。息子自慢が始まったら止まら無さそうなタイプでござる」


「はぁ?まぁ、良いや。お前の事だから何、調べて来たんだ?」


「魔導書読んだでござるが特に応用できるような魔法は無かったでござる」


 忍者のスキルはMPと一緒にHPも消費するものが多い。しかし、魔法のスキルはほぼ使えない。その代わり魔法と同じようなスキルは沢山あるのが忍者のスキルと言うかアビリティの特徴だ。しかも拙者は血を媒体にしてるので魔法よりも融通が効き多彩な運用も出来る。

 ぶっちゃけチートでござる。やろうと思えば何でも出来るでござる。

 アビリティ使う時に痛いのはもう慣れたし血が一気に抜ける感覚で貧血も起こさなくなったので最早、敵無しでござる。まぁ最初は使う度に気絶してて最終的には里から放りだされたでござるが。


「ま、気絶したらまた叩き起こしてやるよ。習うより慣れろがお前の場合一番いいだろうしね」


 そう、ロックオンによるスパルタ式訓練。気絶したら即起こされるを繰り返したおかげで痛いのにも貧血にも慣れたのである。


「ふぅぅぅ、いい湯だ。そう思わないかい2人とも?」


「あ、トキトーパパさん、どうも」


「おはよう、さて、お風呂だが上がったら執務室……昨日の部屋に来てもらえるかな?」


「ここじゃ駄目でござるか?」


「ここでも良いけど、詳細の資料欲しくないかい?」


「欲しい。分かった僕がとりに行く」


「よろしくでござる」



忍者は魔獣使いの方を見ない様にしています。忍者の配慮です。


次回、浴場は会議室。お楽しみに

それでは皆様また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ