第02稿07話~トキトー領、到着10~
07話ラスト。詰め込んだので長いです。
__遊び人|トキトー邸書庫
「ここが書庫だ」
「流石、トキトー家の書庫、広いわね」
「声掛けて貰ってありがとう2人とも」
スノウが1人追加したいとの事で誰だと思ったら研究組のリーダー、セラフィだった。
ここにいるのは魔女と聖女と忍者と魔銃使いと……セラフィの職業は何だったか。研究職なのは確かだったけど。
「いえいえ、気にしないでよ。セラフィさん」
ロックオンがフロント張るそうだから放置で良いや。
「ではトキトー君、魔術書の置いてあるところを教えて!」
働き蟻の法則で勇者PT内で1人はテンションテン上げしないといけないのか。
「ああ、こっちだ」
書架の隙間を縫って行く。正直言ってここで死にかけた事が何回かある位、迷路だ。
ゴートが眼に魔法陣を入れてからは死にかける事は無くなったけど。
「迷いそうね」
「天井の方まで登れば入り口の方に印があるからソッチに向かえば脱出出来る」
「これ登るの……?きつくない?」
「ならココノは彷徨ってると良いわ」
2m程の本棚が3段。子供の時は上の本が取れなかった。背が足らないし。
広すぎて父ですら何処に何があるかとか分からなかったな。
「まぁまぁ、上まで運ぶ程度なら拙者がやるでござるから安心するでござる」
「あれ?ロックオン見て無くて大丈夫か?」
「大丈夫でござるよ。ロックオンは歴史の本を探してるでござるし。拙者は魔導書に興味があるでござる」
「そうか、セラフィって子はどうした」
「ロックオン主導で連れて行ったでござるよ」
「そうか、説明して無かったけど大丈夫かな?」
「大丈夫でござるよ。玉付けといたでござるから迷ってたら迎えに行くでござる」
「玉で統一されたな」
「褒めてくれたから気に入ったでござるよ」
「玉って何かしら?」
「玉は玉でござるよ」
人差し指を立てて血で玉を作る忍者。
「確かに丸……」
「凄いわね。魔力で動かしてる訳じゃないのね」
「血を動かしてるだけでござるよ」
「普通の人は血を意識的に操ったりは出来ないわ」
「ふむ、確かにそうでござるな。まぁ忍者でござるから操れるでござるよ」
「職業忍者だとデフォで血を操れるのかしら……」
「操れないでござるよ?現状、忍者の職業は専用の訓練をしてなるものでござるからな。生まれ持っての忍者なら操れるでござる」
「成程、生まれた時からの天職ってボーナスがあるのよね」
「そうでござるな。遊び人のボーナスは目立ちやすいと記憶していたでござるが、トキトー殿は逆に影が薄いでござる。まるでで忍者でござるな」
「まぁ、影薄いのは認める。おっと、ここの一角だ」
「……一角って何処?」
狭い本棚で出来た通路から広い場所に出る。どちらにしろ壁は本棚なのは変わりはない。
「この広場全部、魔術書と言うか日記」
「多すぎるわね」
「最低限、読む奴決めて数日かけて読んだらいい。どうせ何日か滞在するし勇者のミッションもあるから滞在日数伸びそうだしな。それに俺らは未踏破ダンジョン見つかったから行く事になってる。勇者には言うな。ついてこられても面倒だしな」
「それじゃあ、探してくるわ」
「私もー」
「拙者も見てくるでござる」
おぉ、なんか久しぶりのぼっちな気がする。寮だとミクルも居るしな。
この迷路どっかから風が来てるんだよな。換気の魔法陣とかがどっかにあるのだろうか。
さて、勇者と結婚かぁ。別に結婚するのは良いんだが、勇者の責務とトキトー領領主の責務。
どっちにしろ上手く行く未来が見えない。今みたいにのんびりできるのは学園に居る間だけだろうし。
学園卒業したら勇者は魔物が居る所にあっちこっち行ったりするだろう。
俺も領地経営の勉強で大変そうだなぁ。本番は人使うだけだけど。
俺が死んでも良い様にしとかないとな。領地に関してはゴートが居るから何とかなるだろうし。
妹の婿……父が認めなさそうだなぁ。
『今回、女遊び派手な方でも無いから女に刺されることは無さそうだけどな』
勘違いした勇者に真っ二つに叩き切られる可能性はありそうだけどな。
『それはウケるな。ないと思うが。いや、お前を殺して私も死ぬ的なのはありそうだ』
どうして、勇者になったんだ……
『いや、一応、人を助けるお人好しを選べっつったんだけどなぁ』
何その選考基準。いや、勇者だから当然か。
『ちなみに俺はお祭り男を選んだ筈なんだが』
あー、転生前は行事盛り上げたりとかで目立ってたなそう言えば。
『転生したらお祭り要素無くなるってマジかよ』
おうマジマジ、転生したら転生前と別の生き方したくなるもんじゃ?
『……それもそうだな』
てか、元々女垂らしの奴を選んでればよかったんじゃ?
『お祭り男は性欲も強かったんだ。遠い昔は、どおりでここ最近は……』
ミスキャスティングだな。
『まぁ、元々、Enjoy勢呼ぶつもりだったから波乱万丈人生で生き残って貰わないと意味ないしな』
意味無いのか?
『意味ないさ。だって転生する意味がない。普通に生きてるだけじゃ役割は果たせないからな』
役割。か。
『お前は十分残してるからな。調味料改革。だからこれ以降は死なない様に生きるだけだ。好きに生きろーお前は自由だ。何せ、一番ミッションが軽いからな。元々勇者PTを補佐しようとしてただろ?何で止めたんだ?』
ん?あぁ、そう言えばそうだな。予想以上に依存度が既に高かったから俺が死んだ時に破壊神に転職しそうだったから……だな。
『お前が勇者よりも先に死ななければ解決じゃん』
いや、まぁそうなんだけども何かの拍子に死にそうだし。実際、丸太に当たって死にかけてるし。
『そうだな。今の依存度だと最悪、監禁エンドもあり得るんじゃないか?』
それは流石に無いだろ。ゴート居るし見つけてくれるだろうしな。
『勇者とゴートどっちが強いよ。戦闘力的な意味でな?』
勇者だろうな……でもゴートの方が頭良いぞ。
『圧倒的力の前では策なんか無いに等しいぞ』
そうなると俺、誰にも勝てないんだが。
『誰にでも最低限通用する状態異常魔法があるだろ』
レジストマシマシで積まれるとキツイ奴な。
『固有スキルのバフと魔法具のバフは別枠だけどな』
……重複するのか?
『する。だから状態異常率アップの加護を受けた道具があれば……更に強化出来るぞやったな!ダンジョンの宝箱開けまくれ!』
次行くダンジョンで出てくれないかね。
『分からんな。そればっかりは神しか知らないと思う』
お前神だろ教えろよ。
『ちょっと業務が違うから無理』
何か、働いてるって言ってるけど金貰ってる訳?
『神界の通貨だ。働きやすくなるアイテムと交換出来る。俺の部屋覚えてるか?』
沢山モニターがあったのは覚えてる。でもどれも朧げかな。
『そうそう、そのモニターとか交換出来るのよ。あとは嗜好品とかも食事する必要はないけど味覚あるし。時々、下界で食い倒れツアーとかな』
意外と庶民的なツアーだ。さて、そろそろ俺も読書に明け暮れようか。
『んじゃ俺も別の作業してくるわ』
最近、話しかけてこないのって他の案件が忙しいから?
『忙しい。俺の上司がホイホイ厄介事、投げ込んで来るしな』
成程……
はい、お疲れさまでした。彼らは寝落ちしたので次の日に参ります。
濃縮しすぎて還元するのを忘れます。
遊び人は勇者の依存度にドン引きしてるらしいです。
イケイケドンドン!
次の話は……気が乗らなきゃ数日後になるかもです。
気が向いたら切れ目なく投稿しやす。
それでは皆様また次回。